柿の葉のやわらかな若草色がなぜか懐かしい。 それはこどもの頃の記憶なのかもしれないけれど。
なにもおもいだせない。もしかしたらおままごと。 若草色のお皿の上に桜の花びらをそっとのせたり。
ずいぶんと遠いところまでたどりついてしまった。 これも歳のせいだろう。来た道を振り返ってみる。 そんなことが多くなったこの頃。思い出というより。 それは過去というなのひとつの道にほかならない。
あの時あの道で立ち止まった。一歩が踏み出せずに。 うずくまって膝小僧をかかえ途方にくれたのだった。
背中を押してくれたひとがいる。つきはなすように。 つよくつよく「行ってみろよ」とそのひとは言った。
あれからもう33年の歳月が流れた。むかしむかし。
そうして道というものができる。
いつだってそれはあたらしいみち。
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