風の強いいちにち。 冬の名残の北風がひゅるひゅるとないて。 咲き始めたばかりの桜の花にすがりつく。
そうたしかに。寒さなければ花は咲かなかった。
午前中に川仕事を終え午後から少し損保の仕事。 自宅でそれが出来るようになってとても助かる。 山里の職場も気掛かりだけれど正直なところ。 なるべくなら行かずに済ませたいと思っている。
母を助けてあげなければと任務のように思って。 そのくせそれを実行しないのは矛盾しているかも。 しれないけれど。気が進まないことが多くなった。
無理をしないこと。それが何よりいちばんだと思う。 母は無理をしているかもしれないというのに・・・。
夕方。洗濯物を取り入れていたらあんずがしきりに。 きゅいんきゅいんと甘えた声で散歩をせがんでいた。 いつもとはちょっとちがう様子で急いで連れて行く。
おしっこを我慢していたらしい。土手に駆け上がり。 けつまずいて転んだ。あらまあと思わず笑ってしまう。
それからうんちも我慢していたらしい。歩きながら。 それをちびった。ぽろんぽろんと道に落としていく。
慌ててスコップですくっているとぐいぐいと引っ張る。 もしや彼女は無意識のうちに。そう思うとやはり老いか。
けれどもそんな心配をよそに先を急ごうとする彼女は。 とても老犬とは思えない歩きぶりだった。すごい元気。 ぜえぜえと喘いでいるのは私のほうで負けたなと思う。
そんな彼女の元気にずいぶんと助けられているこの頃。
私もあんずみたいに元気なおばあちゃんになれるかな。
老いることはせつないけれど。たのしく愉快に老いたい。
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