| 2009年08月25日(火) |
どうしようもできないこと |
秋空のまま日が暮れて三日月の光がほのかにあたりを染めている。
土手から子犬の声がする。帰る家がない不憫な子犬だった。 昨日。川辺の木に繋がれてそのまま捨てられてしまったようだ。 傍には水入れとドックフードの袋が置いてあったと言うけれど。 どんな事情があるにせよ置き去りにするとはなんと酷い事だろう。
今朝方。その青い首輪をした子犬は綱を千切って路地をやって来た。 とても人懐こくて可愛くて。ついつい頭を撫でてしまったのだけれど。 たちまち彼に叱られてしまう。飼ってもやれないではないかと言われて。
お向かいの奥さんが昨日の様子を教えてくれた。捨てられたのだと。 可哀想だけれどどうしてあげることも出来ない。胸が苦しくなった。
区長さんに連絡して保護して貰おうと提案したのだけれど。それも。 彼に叱られる。そんなことをしたら即刻保険所に連れていかれるぞ。
確かに彼の言う通りだと思う。野良犬のほうが幸せかもしれないのだ。 いやそれよりも誰か飼ってあげられる人がいてくれたらそれがいちばん。
不憫でならないけれどしばらく様子を見ることにする。どうかどうか。 飼ってくれる人がいてくれますように。ただただ願う事しか出来ない。
捨てたひとは今どんな気持ちでいるのだろう。可愛い盛りの子犬の事を。 ドックフードの袋は誰かが持ち去ったかのように今日は消えていたらしい。 もしもそのひとがそれをしたのなら。安心したうえの行為なのだろうか。 誰かが飼ってくれるのだとそう思ったならそれはとんでもない誤解なのに。
どんなにかお腹が空いたことだろう。今夜はいったい何処で眠ればいいのだろう。
してあげられないこと。どうしようもできないことで心が痛む夜になった。
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