| 2009年04月14日(火) |
身ひとつのそれは透明のこころ |
久しぶりの雨。朝のうちはどしゃ降りになり嵐のようだった。
なんだか胸までも打つようにそれが降る。痛さよりもむしろ。 心地よさを感じ。纏ったものをすべて脱ぎ捨てて裸になりたい。 そんな衝動さえ感じる。そうして綺麗さっぱりと水に流したい。
それはいったいなんだろう。目には見えないその衣について考える。 もしかしたら紙のようなもので。いとも容易く破れ溶けるものかも。
しれないのだけれど。わからない。だからまた考えることが出来る。
川仕事が中止になったおかげで。12日ぶりだろうか山里へ出掛ける。 大雨の中をひたすら歩き続けているお遍路さんを何人か追い越した。 とても心苦しくなるものだ。同時にその苦労を思うと頭が下がるばかり。
雨に打たれたいと言ったところで。水に流したいといったところで。 いったい自分に何が出来るというのだろう。ナニモデキハシナイのだ。
それでもその日あたえられたことをする。それ以外に何が出来ようか。 晴れならば晴れた日のことを。雨ならば雨の日のことをするほかない。
溜まった仕事をこなしながら。堰を切ったように話し掛ける母の相手。 よほど話し相手が欲しかったのだろう。いつもなら苛立つような事も。 不思議と苦にならずにこやかに相槌を打った。穏やかさというものは。 そのまんま自分にかえってくるものらしい。母の笑顔を嬉しく思った。
午後には雨もやみ薄日も射す。帰宅して食後まだ外が明るいのを幸いに。 行かないつもりだった散歩を思い立つ。今日は一人で行ってみたかった。 最近のあんずはあまりにも勝手気まま過ぎて。歩きながら𠮟ってばかり。 私が甘やかすのがいけないのだと彼は言うけれど。上手く躾けられない。
ひとりで歩きたかった。私だって勝手気ままに好きなように歩いてみたい。 けれどもあんずの顔を見ると。その甘えた声を聴くと吹っ切る事が出来ず。 結局ふたりで駆け足になり家を出て行く。ぜえぜえ息をしつついつもの道。
向かい風がとても強くて。なんだかその風に立ち向かうようなこころだった。 苦労があるわけではない。困難があるわけでもない。ただ風に吹かれる。
吹かれているとなにかがとんでいく。ああこれは何だろうとまた考える。
そんな紙のようなものに今日を記す。身ひとつのそれは透明のこころで。
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