ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2009年03月22日(日) おかえりなさい

春雨の降る朝のこと。玄関を出るなり彼が声をあげる。
「おお、里帰りして来たかよ」一瞬息子君かと思った。

けれどもそれはツバメ君だった。とても思いがけなくって。
もうそんな季節になったのか。今年も帰って来てくれたか。

嬉しくて微笑まずにいられない朝になった。私達の会話を。
首を傾げるようにしながら聴いているふうで。きょとんと。
なんとも言えないくらい可愛らしい顔をしているのだった。

「行って来るね」と声をかけ。絹のように柔らかな雨の中。
ふたり今日も川仕事に出掛ける。雨だからと言って休めず。
もうひとふんばりもふたふんばりもしなければいけなかった。

幸い大雨にはならずにいてくれて。南からの雨風も心地よく。
川辺の枯れた葦の群生に若々しい緑の新芽が真っ直ぐに伸び。
その老いと若さに心が奪われる思いだった。見せてあげたい。
ふっと思い浮かぶひと。この場所に連れて来てあげたいものだ。


午後には雨もやみひたすら水の匂いが漂う。がんばるツバメ君。
古巣の修復作業に精を出している様子を。そっと窓から見守る。

いまは独りぼっち。けれどもすぐにもう一羽に会えることだろう。
そうして卵のこと。無事に生まれてくれるだろう雛たちを想った。


ながいながい旅の途中。くるしいこともたくさんあったことだろう。
おかえりなさい。我が家のことを忘れずにいてくれてありがとうね。





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