二十四節気のひとつ『大寒』一年で最も寒さが厳しい頃というけれど。 昨日からの暖かさをそのままに。思いがけないほどの小春日和となる。
ありがたきぬくもり。こんな日はずっと日向ぼっこをしていたいものだ。 そうして芽をだすようにむくむくっと空を仰いで。深呼吸をしたいと思う。
早目に帰宅できたおかげで。庭先の花達に水をやることが出来た。 すると突然バッタが跳び出してきてびっくり。冬篭りしていたのか。 我が家で冬を越してくれているのかと思うと。小さな命も愛しくて。 まだまだ寒いよ春になるまでおやすみねとパンジーのお布団に放つ。
そうしてふっとポストを見ると。青空と白い雲の模様の封筒があった。 『愛』という字の切手が貼ってある。一瞬どきっとして目が星になる。
「大師堂でお会いした遍路より」なんと思いがけないことだろう。 つい先日の朝。我が家を訪ねて来てくれたお遍路さんからだった。 台所の床に正座してそれを読む。あたたかい言葉に感極まり涙が。 あとからあとからあふれ出す。出会えたことに感謝しているのは。 私のほうだというのに。出会えてほんとうに良かったと言ってくれ。 ささやかな縁がこんなにも尊いものだと。胸がたまらなく熱くなる。
名も知らぬひとだったというのに。その名を知ることも出来た。 そうして姑の名が書かれた金剛杖の写真。遍路姿の『影』の写真。 その『影』を見ながら。ときどきわたしを思い出してくださいと。
ときどきだなんてそんなことありえない。いつだって忘れはしない。 やがて巡りくる春。そうして夏がきて秋がきて。また寒い冬がくる。 そうして三度目の冬が来るまで。家に帰れないというひとのことを。 どうして想わずにいられようか。旅の無事を祈り続けていたいと思う。
大寒の頃にとどいたぬくもりは春の希望の影法師なり
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