木の実のきもち
石ころなんだと思い込んでいた頃があった
けれども木の実ならどんなにいいだろうと
空を好きになり風に心ゆれる日々もあった
そうしていつか花が咲くのかもしれないと
かたい蕾に吐息の雫をふくませ春をまった
いくどもいくども春がくるおなじようでいて ちがう春だというのに桜は咲いて散っていく
わたしの蕾はどこにいってしまったのだろう 心細くなりながらもおそるおそる触れてみる
それは化石のようなものそのままのかたちで いまも転がりつづけているらしい道の端から
水を求めて空を仰いでただ息だけは失わずに ずいぶんと遠いところまできてしまったらしい
それが哀しいことだろうか嘆かわしいことだろうか せつないことだろうか苦しいことだなんていわない
いびつにゆがんだそのかたちへこんだままの傷あと そんなかたちのなかで命を暖めていられるじぶんに
愛しているよこんなにも愛しているよとつたえたい
もう一歩も転がれなくなったその日にこそ土になる 縁あったひとたちがその土の上を元気に歩いてくれ 時にはふっと立ち止まって腰を下ろしてくれたなら
どんなに嬉しいことだろうどんなに幸せなことだろう そうして緑の小さな芽を見つけてくれるかもしれない
その日のためにもいかなくちゃ前へ前へいかなくちゃ
※出会ってくれてありがとう。このいちねんの感謝をこめてここに記します。
追記:
一昨日出会ったお遍路さんの青年に昨日の朝再び会うことが叶った。 「ちょっとずつ先に進みます」と笑顔で応えてくれてとても嬉しかった。
そうして仕事に向かう私に手まで振ってくれてなんとありがたいことやら。 胸がいっぱいになった朝のことでした。
太陽さん。どうか新しい朝の光をいっぱい届けてあげてください。
ひとつきりの太陽がすべての命へ希望と勇気をくださいますように。
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