| 2008年11月08日(土) |
わたしは卵を産んだのだろうか |
絶え間なく雨が降り続きいちにちが暮れていった。 それはリズミカルであり。空の鼻歌のようであり。
同時にそれは子守唄のようでもあり。私は眠った。 うごくこともせずあるくこともせずにすやすやと。
そうしてもしかしたら産めるのかもしれない卵と。 その瞬間の息遣いのことなどを夢うつつに考えて。
ぼんやりとイメージしてみる。大丈夫痛くはないと。 やればできるだとかなんだかんたんじゃないかとか。
たくさん産んでゆで卵を作ろう。おでんが食べたい。 はんぺんみたいなふんわり枕もあれば嬉しいなとか。
とかなんとかが多すぎて。少しぐるぐる目がまわる。 けれども息をふっとすると。鍋にそれが浮かびだす。
空は歌いやまない。そろそろ疲れてしまっただろうに。
雨は枯野を想い。はるかかなたにつながる海を想って。 その歌を口ずさみながら。やすらぎの川へ身を投げる。
わたしは卵を産んだのだろうか。それはつるりと剥けて。
その殻の存在をもう忘れてしまった。おでん色の卵だった。
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