| 2008年08月12日(火) |
すごいドラマチックな夢なんだから |
この夏はじめてツクツクボウシの鳴く声を聴いた。 夕暮れ近い窓辺にいて思わず「おお、そうかそうか」と応えてしまう。
その蝉は少し心細く。なんだかとても何かを求めているように鳴くのだ。 思うようにいかないこと。けれども伝えたいことがあるのかもしれない。
昨夜久しぶりに夢というものを見た。とても懐かしいなおちゃんに会った。 中学の時の生徒会長で。野球部のエースで走るのも一番だったなおちゃん。
スーツ着てネクタイしていた。その姿は多分5年前くらいに再会した時の。 彼によく似ていた。なんか笑っていた。そうして何かを語り合っていた。
けれどもすぐに「帰る」って言うので。急いで後を追いかけて行ったのだ。 その時彼のスーツの背中がとても濡れていて。それがすごく気になってしまう。
大丈夫これくらい平気という顔をして。なおちゃんはどんどん先を急いだ。 そうして列車にとび乗ると「じゃあな!」って手をあげて行ってしまった。
「なおちゃーん、なおちゃーん!」って叫びながら私はホームを駆けている。
列車がとうとう見えなくなって。あーあって思ったところではっと目が覚めた。
心臓がぱくぱくしていた。ほんとうに駆けていたみたいに呼吸が荒かった。 電話しなきゃ絶対にしなきゃってずっと気になって。やっとお昼休みになる。
出てよきっと出てよって祈るまもなく3回目のコールですぐに声が聴こえた。
ああよかったなおちゃん生きてる。そう言うと不思議そうな声で彼が笑う。 すごいすごいほっとした。そうして私は得意げに夢の話を聞かせてあげる。
ぜんぜん心配ないよ。すごいドラマチックな夢なんだから。そう言って話す。
「ありがと、ありがと」って何度も言うので。なんだかとても照れてしまった。
「あさって墓参りに帰るよ」その言葉にほっとして電話を切った。 中学の時。彼は相次いで両親を亡くした。それはあの頃のいちばんの悲しみだった。
いつ頃からだろう。私たちはお互いの生存確認をするようになった。 7月の彼の誕生日に必ず私から電話をする。そう私が勝手に決めたのだけれど。
もし電話が掛からなかったら私がもういなくて。 もし電話が不通になっていたら彼がもういない。
そのことを私が言うと。なおちゃんはそれは愉快そうに笑ってくれたのだった。
つい先月そのことを確かめたばかりだったけれど。今日は「おまけだね」
おまけがあると嬉しいねなおちゃん。また来年の夏に元気な声で会おうね。
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