晴れるかなって思ったけど晴れなくて。雨かなって思ったけど降れなくて。 こんな日の空はそっとしておいてあげたい。見守るようにして見上げる空。
朝のうちは庭に出て花いじり。雨に朽ちた花を切ったり雑草を引いたり。 そうして玄関先のツバメを観察したりする。先日のカラスらしい襲撃から。 命を救われた子ツバメがいる。最初は二羽だと思っていたけれど一羽だった。
ずいぶんと怖い目にあったのだろう。あれ以来巣から顔を出そうとしない。 けれどちゃんと帰って来てくれた親ツバメが餌を運んでくると。ほっとして。 ちょこっとだけその姿を見せてくれる。ああ大きくなってるって嬉しい姿。
鳴き声は殆ど聴こえない。うちの彼がいうには『ひとりっ子』になって しまったからだと。我先に鳴いて餌を欲しがる必要がなくなったからだと。
なるほど・・と思う。そうして親ツバメも今まで以上に愛情を示している。 そんなふうに感じる。餌をあげた後もしばらくは巣の近くから離れないで。 食べ終わってまたちいさくうずくまるのを確かめてから。また空へと向かう。
なんとしてもこの子だけは。そんな親の気持がひしひしと伝わってくるのだ。
そんなツバメの話しをしながら。ふたりの子供に恵まれた我が家の夕食。 お兄ちゃんがもうすぐ誕生日なのを。少し早目にお祝いをすることになった。
また焼肉だけれど。お兄ちゃんの食べたい物にしようとサチコが言った。 久しぶりにワインも飲む。そうして別腹でケーキも食べた。ゆっくりと。 あれこれ話しをしながら。まあるく輪のようになって日が暮れていった。
29歳。とても信じられないけれど。それはほんとうのことらしい。
わたしたちはこの子の命のおかげで夫婦になれた。親になれたのだ。
|