| 2008年01月21日(月) |
ため息ひとつ聞えず。雨だれの音ばかり。 |
雪にはなれそうにない雨がいちにちじゅう降っていた。
いつもの山道。民家のすぐそばの田畑に案山子さんが。
今日は透明のレインコートを着ている。守りつづけて。
去年の夏からずっとそこで。じっと動かず守っている。
だからこそ守ってあげたい。ひとの想いを着た案山子。

職場で。とてもたいくつだと言う常連さんが来ていて。 仕事の手を休めては。あれこれ世間話のお相手をする。
そしたらちょうど来店のお客さんが。そのおじさんの。 同級生らしく。おお久しぶりやなあとふたり微笑んで。 一気ににぎやかになった。きみとか僕とかは言わない。 「わりゃぁ」とか「わし」とか。声もだんだん大きく。
世間話どころではないようなその話す内容といったら。 「わしは7時になったら眠とうていかん」 「なによ!われも年寄りになったにゃあ」 「わしらあ毎晩11時まで起きてテレビ見よるぞ」 「なによ!わりゃぁえらいのう!たまげた」
てなぐあいで。あげくのはてには。お互いをののしりだす。 「われは銭があるけん、なんぼでも電気使うたらえいわや」 「われやち貯めちょるくせに、使い方を知らんがよのう!」
おおそうよそうよ。わっはわっはと顔見合わせて大笑いする。
まるで漫才だなこれは。でもなんだか微笑ましい二人だった。 これが『朋輩』っていうのだなって。ぶつかってぶつかって。 何だって言い合って。でも何を言われても腹を立てたりしない。
「いかん、もう相撲が始まるぞ」ってやっとお開きになり帰る。
あとはし〜んと静か。ため息ひとつ聞えず。雨だれの音ばかり。
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