明けて五日。ゆっくりがいいと思うだけおもっては。 とんとんととんと日々が。自分より先を歩いている。
うしろから見ていると。やはりついていくしかなくて。 立ち止まってみると。置いてきぼりにされそうになる。
どこに行くのだろう。せめて口笛の似合うような道なら。 スキップしながら行きたいなって思う。らんらんらんと。
昼間。春みたいに暖かくなって。飼い犬が壁にもたれて。 とろりんとした目でうたた寝をしていた。アンちゃんって。 その名を呼ぶと。起きてるよ寝てないよって顔をしながら。
遊んでくれるのかなって期待しているのがわかる。ふふふ。 寝惚けたようなその顔が可愛い。でも遊んではあげなかった。
なあんだつまらないなの顔で。また陽だまりさんと仲良し。 そこだけ時間が止まっているみたいに。彼女はなあんにも。 思い煩うこともなさそうだ。鎖のことなんか気にもしない。
その白くなったまつげを見ながら。老いることを少し思う。
走れるだけ走らせてあげたい。鎖をはずして野を駆けさせて。 あげたい。全速力で海まで行けるかもしれないな。いまなら。
けれど。彼女は何も言えない。文句ひとつ言えない。願いが。 きっとあるのだろうにと思う。だけど頭を撫でてもやらなくて。
そこにいるねって確かめるように。陽だまりの彼女を見ていた。
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