| 2007年12月13日(木) |
泣いたらいかんやいか |
寒気がまた。忘れてしまいそうだった日にやって来る。
北風がひゅるひゅると声を。なんだか遠い湖の底から。 それが生まれて来たかのように。濃紺の息を吐きつつ。
忘れてはくれるなと。懇願するようにそれが窓をたたく。
ひとがまた死んだ。とても言葉では言いあらわせない。 悲しみなのか衝撃なのかよくわからず。ざわざわと心が。 風に晒されている。寒い。ここしかもう居場所がないのか。
友達だったのかもしれない。けれどいつしか離れていったひと。 そのことがとても寂しかった。たぶん私が諦めてしまったのだろう。 どういえばいいのかわからない。複雑な気持ちが日に日につのった。
夏のはじめ。彼女が病気らしいと人伝に聞いたけれど。 心配性の私のせいで。彼女を不愉快な目にあわせてしまった。 知られたくなかったのだと言う。とにかくそっとしておいて欲しいと。 ごめんね・・ごめんね・・と謝らせるようなことを私がしてしまった。 いけないのは私なのに。私なのにと情けなくてどうしようもなかった。
秋のおわり。思いがけず。とある場所で彼女を見かける。 少し痩せていたけれど。親しい仲間たちと笑顔で語り合っていた。 彼女の笑い声は。くすくすってほんとうに楽しそうに笑うのだ。 好きだった。ずっと昔から。私は彼女の笑い声が好きでならなくて。
どんなにか名を呼びつつ。手をあげつつ。駆け寄って行きたかったか。
だけど。どうしてもそれをすることが出来なかった・・。すぐちかく。 けれど。遠いのだ。その遠さが見えない壁のように立ち塞がっていた。
その日。帰宅して泣いた。悔しくてならなくて泣いた。 なにが悔しいのかよくわからない。ひとって。どうしてって思うばかり。
数日後。仕事帰りにふっと。いつもはあまり行かない場所に立ち寄る。 そこで買い物をしていて。ぐうぜん彼女の姿を見つけたのだ。
目が合って。一瞬彼女が目を反らしたように思った。だけど駆け寄る。 謝らなくてはいけないことがいっぱいあった。どうしてもちゃんと。
そしたら。こらえようにも堪えられなくて。とうとう涙が溢れてくる。
うんうんと頷きながら。彼女は精一杯微笑んでくれている。 「泣かれんよ」「泣いたらいかんやいか」って私の肩をさすってくれた。
私は大丈夫よ。治療頑張ってきっと元気になるよって言ったのに。
きょう。死んだ・・・・。
入院先の病院から一時帰宅を許されたのは。 もう手の施しようが無かったからだと知った。
彼女は。自分が死ぬことを知っていて。
最後に私の肩をさすってくれたのだろうか・・・。
どんなにか不安で。どんなにか怖かったことだろうに・・・。
ありがとう。 ゆみちゃん。
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