| 2007年02月10日(土) |
ぷくぷくのきらきらの魚たち |
雨あがりの朝。太陽はとてもとても紅くて心がきゅんとするほど紅いのだった。
沈むのではない昇る。そうしてゆっくりとあたりを明るくしてはやがて光のなか。 いちにちの。もしかしたら肩を落としてうなだれるばかりのひとにもそれが届く。
どうかこの朝に。ふと顔をあげてふと空をみあげてほしいと願わずにはいられない。
私は大橋を渡って川向のいつもの道を。そうして峠を越え山里の職場へ行った。 せめて午前中の2時間でもと。今の自分ではほんとうにこれが精一杯の努力で。 気忙しさがどうしても先に立ってしまうのだけれど。まわりがそれを認めてくれる。 そうして救われていることを。もっともっと感謝しなければと今日は思った。
穏やかなひとたちがいる。土曜日の職場はよけいにゆったりと時が流れている。 そのなかにぽつんと異分子みたいな私が。ちょこまかとなんて騒々しいことだろう。
クルマを飛ばして今度は峠道を下る時。出会ったお遍路さんに会釈をしつつ思う。 慌てて走っているお遍路さんはいないんだな。みんな一歩一歩踏みしめてしっかり。
そしたらきっと目的地に着くのだもの。ああ私って馬鹿だな。すごい慌て者だな。
おかげで気分もすくっとしたところで。帰り着き昼食を食べてから川仕事に行く。 ここ数日は川船で漁に出ているのだけれど。舳先に乗っているとすごくいい気持ち。 水しぶきがひゅんひゅん跳ねて川を突っ切って行く。そして前途はすごい眩しさ。
小波がぷくぷくっと。光の粒がまるで生きているもののようにたくさん泳いでいる。 あっちにもこっちにも。ぷくぷくのきらきらの魚が波乗りをしているように見える。
眩しさに思わず目をしばたいてしまうけれど。そしたら心のなかまで水みたいになって。 光っているのが幾つも幾つも私のなかで弾けそうになっては。灯りみたいにぽっとする。
その灯りを見失わないように。明日も歩いていこうかなと思う。
ぽっとしてるのをふっとして。自分でその灯りを消したりはしない。
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