きのうは小雪がちらちらと舞ったけれど。今日はいくぶん穏やかな空となる。
くたくたと炬燵にすっぽりでいて。無気力もこのうえないところ。 昨夜は思いがけず友人から電話があり。今日は久しぶりに会うことが出来た。
ときどきは会おうよねって約束していたのに。この前っていつ?ってふたり。 思い出そうとしたのだけど。夏だったような秋だったような季節さえも忘れて。 でもなんかついこの前みたいだよねって笑い合った。ものすごいスピードねって。
どんどん駆け足みたいに時が流れたことを。ふたりしみじみと思った。
『ぶんがく』の話しが出来る唯一の友だった。むつかしく論じるのではなく。 さいきん感動したこととか。なんとしても書き残しておきたいことだとかを。 文学少女のなりの果てやもしれないふたりが。真剣な目で切々と語りあう時。
思うようになにひとつ進歩しないげんじつ。ついつい焦ってしまいそうになる。 このまま老いの真っ只中に身を投じることの怖さ。それは哀しみにも似ている。
わたしはもうとっくに『ほそぼそ』を選んでしまったのだけれど。 こんなわたしでも。彼女は刺激に思ってくれると言う。なんとありがたいことか。
ほそぼその身がだんだんと朽ちることばかりを嘆きそうになっていたけれど。 その身を実だと信じて。このさき生かされるだけ生きてその実を残したいものだ。
彼女が去年の夏に訪ねたという。金子みすずの生まれ故郷の町のこと。 無人の駅をおりたらすぐに『みすず通り』というのがあるのだそうだ。 どの家にも。みすずの詩を書いた木のふだが飾られていて。その詩は。 そこのお家の人がいちばん好きな詩をえらんで書いてあるのだと言う。
少女みたいに目をきらきらと輝かせて。彼女はその感動を伝えてくれたのだ。
わたしは。胸がいっぱいになって熱いものがほろほろとこぼれそうになった。
ありがたき友 ありがたきいちにち。
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