| 2006年08月25日(金) |
ああ。これはいったいなんだったんだろう。 |
空は今日も不安定で。午後からは雷と。もの凄くどしゃぶりの雨が降る。 なんか少しはらはらとしながら。威勢がよくてよろしいなあって思った。
そうしてまたうっすらと陽がこぼれ出す。まるで誰かさんが泣いた後のようだ。 空も歩んでいるのだろう。どこへというのなら秋へとだ。巡り巡っているようで。 ひとつきりしかない模様を。この場限りの空にして。あしたのむこうへただ進む。
だから一緒に行ける。そんな空をいつだって。見上げていられるのが人間だもんね。
今夜。ちょっと心に残るような出来事があった。 いつものバドクラブでのこと。専門学校生のM君が夏休みで帰省していて。 8月は毎週来てくれたのだけど。正直言ってそのことですごく頭を悩ませていた。 以前にもここに書いたことがあったが。M君は右手右足が不自由な青年だった。
だけどバドがすごく好きで。とにかく出来なくてもやるって。すごく根性があって。 その根性を見込んだからこそ。私はすごく彼に厳しく接するようにしていた。 絶対に甘やかさないぞっていつも思っていた。駄目な時は駄目っていつも言った。
苛めてる。端からみるとそんなふうに見えたかもしれない。悲しい顔をする。 そんな彼の顔を見ると。すごく辛かった。彼が転ぶ。ほら起きなさいって言う。
彼は左手にラケットを持っているから。左足で反動をつけてぴょいっと起きる。 よしよし!と心の中でいっぱい拍手をする。その時の負けるもんかの彼の顔が。 すごく気に入っていた。頑張れがんばれっていっぱい思う。だけど優しくしない。
そんな彼とのひと夏も。今夜が最後だった。 やれやれってちょっとだけほっとする。だけど。なんか変・・。 うむ。なんだろう。この変はただことではないぞって思うのだった。
後片付けを終え。私はいつも最後に体育館を出るのだったが。 今夜は彼が外で待っていた。そして言うのだ。 「もしよかったら。僕を家まで送って下さい」ってぺこっと頭を下げている。
マジかよって思った。今夜はいつも迎えに来る彼の家族のクルマが見えない。 そうかそうかならしょうがないなって顔をして。彼を助手席に乗せたのだった。
就職の話しをした。とにかく資格を取りたいと言う。 頭は抜群に良いのだ。そしてその左手は私が保証する。誰の左手にも負けない。 やれるだけやってみなさい。公務員だって決して夢ではないのだと告げる。
ぽつんと。暗がりに彼が立っていた。 さっさと家へ入ればいいものを。そうしないで。ああいったいどうしたんだ。
「じゃあね」って言ったら。「はい・・」って頷く。
今度再会した時は。またいっぱい苛めてやるぞって思いながら。
不思議な何かがいっぱい胸に込みあげてきた。
なんだろう。ああこれは。いったいなんだったろうって。いまも思っている。
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