ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2006年07月23日(日) うなぎ物語

今日もどんよりの空模様。気温が少し低めなのか幾分過ごしやすく思った。
洗濯物は除湿機でよく乾く。びっくりするほどタンクに水がいっぱいになる。
ほんとうに不思議なモノだ。こんなの発明したひとはすごいなあって思うのだ。


午後はゴロ寝でまた本を読みふける。そして少しだけウトウトと眠りこける。
ゆったりと流れる時間。これが至福のひとときでなくてなんだろうと思うのだ。


けっきょく夕方までそうする。買い物に行かなくてもいいように昨日のうちに。
うなぎの白焼きを買っておいた。フライパンを使って照り焼き風にするのだ。
そしてぬくぬくご飯にのっけて『うな丼』の出来上がり。我ながら旨いんです。


お兄ちゃん好きだったよね・・って。なんかすごく過去の人みたいに言って。
かといってアパートまで届けてあげようともせずに。三人でガツガツ食べる。
実はチエさん。うなぎが苦手なのだそうだ。ならしょうがないねの結論となる。


四万十川といえば天然うなぎなんだけど。すごい高値でとても買えない。
子供の頃には素人でも手軽にそれが獲れたのだ。竹で編んだ筒のようなもの。
ここいらでは『ころばし』って言うんだけど。それを川底に沈めておくのだ。
うちの母親がそれを趣味でしていて。学校から帰ると炭火でうなぎを焼いていた。
丑の日じゃなくても。今日もうなぎかというくらいそれが食卓にのったのだった。

母はうなぎをさばくのも上手だった。にゅるにゅるしてるのをぎゅっと掴んで。
尖ったキリで頭のところをグサッとして。まな板のうえのうなぎをしゅしゅっと。
子供心にすごいなあって思ったものだ。さばかれてもうなぎはピクピクってする。
なんかちょっと残酷で可哀相な姿だったが。うなぎはやはり美味しいモノだった。


でね。これはつい先日のことだけど。その天然うなぎを一匹だけ貰ったのだ。
チエさんの友達が魚釣りに行ってたら。たまたまうなぎが釣れたのだそうだ。
貰ったけど困っちゃってと届けてくれたのだ。ありがとうって冷蔵庫に入れとく。

そして。おっしと料理することにしたのだった。うなぎはほぼ仮死状態であった。
子供の頃を思い出す。母がしていたようにやればいいんだと肝に命じて。いざ!

しかし間もなく。うなぎが暴れ出した。とても素手では掴めないありさまとなる。
まな板の上から流しへと逃げる。きゃあきゃあ叫びながら必死で捕まえようとする。
そして。俺に任されても困るもんねの夫君が助けに来てくれたが。いかんせよ。
この男というモノも頼りないものなのであった。刀みたいに庖丁で切りつけたが。

ついに。もういい。食べなくてもいいからなんとかしろよとか言い出す始末だった。
私だってそう思う。こんなにも生きようとしているものをどうするって言うのだ。


やっとやっとビニール袋の中へ追い込み。泣きそうな気持ちで外に駆け出した。
堤防の石段をはあはあ駆け上がる。そしてまっしぐらに川辺へと辿り着いた。

うなちゃんは首の付根に傷を負っていたのだが。その姿はまさに水を得た魚だった。

きもちよくからだをくねらせながら。すいっとすいっと川底へと消えていったのだ。


あの傷はもう癒えただろうか・・・今日はふと。あのうなちゃんを想った。



 < 過去  INDEX  未来 >


anzu10 [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加