少しだけ小雨が降って。あとはどんよりと曇り空だった。 ちいちいちいと小ツバメ達が一斉に口を開けているのが。 可愛くてたまらなくて。窓から巣を覗いて微笑むばかり。
実は最初の小ツバメ達は。ある日突然いなくなってしまったのだ。 何者かに巣を襲われたらしくて。とても惨く可哀相なことをしてしまった。
もう我が家はいけないかもしれないとすっかり諦めていたけれど。 すぐ明くる日だった。また二羽のツバメが来てくれるようになったのだ。
今度こそ。どうかどうか無事に巣立って欲しいと願わずにいられない。

休日。このところずっと土曜日の仕事を休ませてもらっている。 おかげですごく寛いでいられるのだけど。少しばかり後ろめたくて。 電話が鳴ったりするとはらはらする。何事もなく夕方になるとすごくほっとする。
今日は気になる近所の音も聞こえず。思う存分、本を読めてよかった。 読み終わってしばらく感慨に浸っていられる。なんだかすごく達成感があった。 作家さんはほんとうにすごいなって思う。書いてひたすら書き終えて。 その感動をぞのまま読者に届けてくれるのだ。それはまさに熱意だと思うのだ。
それからすこうしぼんやりと寝そべって天井を見つめていたが。 ふと思い立って。ある詩人さんの詩集を読み始めたのだった。
声を出して読む。朗読というのかもしれないけど。なんかそうじゃなくて。 ここで休んで。息を吸って。ここで想って。ここから流れて辿り着くような。 そういう読み方をする。そうするとその詩人さんの心がすごく伝わってくる。 ああ嬉しかったんだ。ああちょっと淋しかったんだ。ああいまほっとしたんだ。
書きたいなって思った。とつぜん言葉がいっぱい生まれて来る。 あたしじゃなくてね。それは僕なんだ。僕はねだからね僕だからとか。 あたしだけが知っている僕なんだよって。あたしが言って僕がふふって。 微笑んだんだけど。書けなかった。僕が走り出してとうとう見えなくなって。
行方不明になってしまったんだ・・・。
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