朝からずっと雨だった。燕さんもちょっとしょんぼりしているみたい。 なにもかもがずぶ濡れていて。せめて晴れようと心ばかりが焦るばかり。
どんな時もありましょうね。どんな時もありのままがいちばんなんです。 わかってはいるけれど。ちょっと無理をしてみたりするもんなんですよ。
ありがたいことに今日は寝の日。 ほんとうは家業の川仕事を頑張ろうと決めていたのだけど。 急遽ゆっくり休もうじゃないかということになった。
朝一で病院へ行っていた彼が。にこにこ顔を装って帰って来たのだ。 持病の診察日だったけど。特に変わりなかったのだなあと。そう見えたけれど。 「今日は絶対安静だぞ」って言うのでびっくりしてしまう。 どうやら単なる不整脈だけではなくて『心房細動』という病気らしい。 俺もよくわからないのでネットで調べてくれと言うので早速そうした。 脳梗塞になるかもしれないとか。不安になるような事がいっぱい書いてある。
でも彼はそれが不安なんだとは。少しも顔に出さずにへらへらとにこやか。 薬飲んでれば大丈夫だぞと言って。とにかく今日はごろごろ寝るそと言って。
しんどい日がきっといっぱいあったはずなのだ。 いつから彼はそれを言わなくなったのだろう。 どうして私はそれに気づいてあげられなかったのだろう。
彼の失業を機に家業を押し付けるように任せてしまった。 今年は豊作でほんとうに良かったのだ。 彼が頑張ってくれたおかげでどんなにか家計が助かったことか。
私はといえば。毎日まいにち。職場での愚痴をこぼしてばかり。 母の悪口だってどれほど聞かせたかわからない。 そうか、それはいかんなと言っていつもしっかり聞いてくれた彼だった。
あまりにも。自分のことばっかりだったんだ・・・。
ああ。ごめんね。ほんとうにごめんねケンちゃん。
そして。そして。こころからありがとうケンちゃん。
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