雪柳に雪がふる。見せてあげたかったのだ。ただただあのひとに。
「別れ岸ね・・」そう言ったかのひとの目に涙が浮かぶのを見た。 陽の光を浴びながら雪が。散る。それは一瞬の戸惑いの姿だった。
帰宅すると。郵便受けにいつもの少し分厚い白い封書が届いていた。 とある詩誌に関する読者からの感想などが。ありのままに記されてある。 無関心を装いながらも。ついついどこかに自分の名があるかもしれないと。 ほんの少し期待をしては。いつもがっくりとため息をつく。それであった。
コピー用紙6枚ほど。ぱらぱらと目を通す。そろそろ晩ご飯の支度しなくちゃ。 そう思いながら最後の一枚を見たとたん。その衝撃といったら。庖丁で指を切ったみたい。 あらあらというまに血が流れ出す。それはまさに痛さよりも血の紅さにはっとする。
よくもここまで私を斬れたものだと思った。けれども決して不愉快ではなかった。 むしろありがたい。私はすぱっと斬れるものらしい。なんと心地良い痛みなのだろう。
当たり前のことだけど私は植物ではないから。斬られたら多少なりとも血が出る。
たぶんこのひとは私を知らないのだろうと確信する。私を斬ればどうなるか。 私はその血で育つのだ。その血で生きることを学ぶのだということを・・・。
生きること。それは書くことです。
えらそうに。ああえらそうに。わたしはいったい何様だというのだろうう・・。
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