ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2006年03月12日(日) 白い鳥の瞳

くもり時々雨の予報だったが。雨はほんのつかの間。
冬の名残のような時雨だった。そして西風が強くなる。
いよいよ彼岸なのだなと思う。去年の今頃に雪が降ったことを思い出す。

季が裂ける。あちらがわとこちらがわがまざりあって。ついに別れるのだろう。
冬は痛いのだろうか。春は真っ直ぐに空に立っている。花は咲き香るばかりだった。



海が鳴る音をききながら。風に吹かれ。川の中で海苔を摘んでいる時。
すぐ近くに何かが落ちてきたような気配を感じ。ふと顔を上げて見ると。
一羽の白鷺が舞い下りて来たところだった。こんなに近くで見るのは初めて。
なんて美しい姿なのだろうとしばし手を休めて見入る。そしたらきょとんと。
その純白の鳥も私を見つめてくれたのだ。目が合った。とても優しい目をしていた。

ずっと見ていてねと声をかけて。また俯いてせっせと海苔を摘む。
気恥ずかしいような照れくささ。そしてちょっと得意顔の私がいた。

どのくらいそうしていたのか。今度ふっと顔を上げたら。もう見えなくて。
いつ飛び立ったのか気づかなかった。ただただ吹く風に小粒の雨が降るばかり。


そんなひと時のありがたさ。こころはそうしていつも温められていく。


お父ちゃん?なんだかその鳥が死んだお父ちゃんだったような気がした。


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