| 2006年03月05日(日) |
いまここにいるんだな |
立春を過ぎてからの寒さを『春寒』というそうな。 はるさむ。もしくはしゅんかん。そのしゅんかんというのが。 なんか好きだなって思った。はっとする寒さのようではっと。 冬のことを思い出すのだけど。実は春なんだなあって感じで。
日中はぐんぐん気温が上昇した。風もなく穏やかな陽気となる。 ひとり。今日はひとりで家業を頑張ることになった。 彼は消防団の仕事があり。無理するなよとか言ってくれてさんきゅ。
堤防の道から見る河口が。ついこの前までの白波が嘘だったかのように。 陽の光をいっぱいに映して。それはそれはきらきらと眩しい流れだった。 潮が引き始めていて。海と川がごっつんこしているのだけど。水とみず。 そのあわさりぐあいというか。とても言葉に出来ない。ああおおと思うばかり。
ひとり。もくもくと海苔を摘む。かんがえているいろんなことを。 とりとめもなく。あのひとだったり。いつかの春のことだったり。 あの時どうしてあんなことを言ってしまったんだろうと思いながら。 せっせせっせと手を動かしている。ちゃぽんちゃぽん川舟が通ると。 ちいさな波がやって来て。はっと我に返る。いまここにいるんだな。
帰り道。河川敷の牧草の緑のなかに。ぽつんぽつんと菜の花が咲いていた。 夏の嵐の日に上流から流されてきたのかな。ここで咲けてほんとうによかったね。
ああなんだか犬になりたいとふと思う。鎖から解き放されて走りまわりたい。 あの菜の花のまわりをぐるぐる駆け回ってみたい。吹っ切ってふっきれて。
いまここにいることを。もっともっと感じたいと思った。
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