| 2006年01月15日(日) |
切ってあげないといけない |
もしや春ではないかとおもうほど。暖かで穏やかな休日だった。
窓際で生い茂っていた『ブライダルベール』というな名の植物が。 その名のとうり、それはベールのように垂れ下がりながら伸びて。 小さなそれはほんとうに小さな白い花をひとつふたつ咲かせていたのだが。 根元の方から枯れ始めて。いくら水をあげても葉がぽろぽろ落ちるばかり。
とうとう今日は思い立ち。きれいさっぱりと散髪をしてしまった。 その葉の先は巻きつくように。ブラインドの隙間から手を伸ばすように。 光へと。どんなにか光が恋しかったのか。窓にへばりついているものもあった。
酷なことのように思い。謝りながら切る。手繰り寄せながら切る。 残してあげたいところも。根元はもう力尽きそうに弱り果てている。 切ってあげないといけない。なんだかとても苦しそうにもがいている。 何がいけなかったのか。どうしてこんな姿にさせてしまったのか。 ほんとうにすまない気持ちでいっぱいになったが。切るしかなかった。
そしてすっかり丸坊主になった。私のせいで死んでしまうかもしれない。 私は切れないひとだったから。いつもそう。切ることをためらいすぎた。 伸びたいだけ伸ばしてあげる。咲きたいだけ咲かせてあげるのが愛情だと。 思い込んでいたのかもしれない。ただ水をやる。ただ可愛がるためだけに。
それが。二時間くらいたった頃。私は信じられない光景を見た。 窓辺で西陽を浴びながら。その切った枝先がキラキラ光っているのを。 私が切ったすべての枝先に。ちっちゃな真珠みたいな水の玉が見える。
生きている。ああ生きているんだ。泣きたくても泣けなかったのだろう。 生い茂りすぎて。どうやって泣けばいいのか。わからなくなっていたのかも。
水の玉は夜になっても消えなかった。
よけいなもの。それをとりのぞいてあげたら。きっと生きる。
潔く。切ることが大切なのかもしれない。
植物も。ひとも。
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