穏やかで平和な休日だった。ありがたいことだと思う。
お昼。いつものお好み焼屋さんに電話をしておいて。焼けた頃取りに行く。 お店の入り口に張り紙がしてあり。そこには今年いっぱいで閉店とあった。 とても美味しくて評判のお店だったので。すごく残念でありショックに思う。 おばちゃんは年が明けたら68歳になるらしい。元気なうちに辞めたいと言う。 限界まで頑張ったとしても。ある日突然店を閉めるようなことになり兼ねない。 それよりも元気なうちに。ちゃんとご挨拶をしてけじめをつけたいのだそうだ。
おばちゃんは。私の母と同じ年だった。母を想い。少し複雑な気持ちになった。
午後。また例の化粧品店へ行く。約束したから。今日は口紅を買おうと。 よかった。この前よりもずっと元気そうで安心。79歳のべっぴんさん。 朝からずっと暇だったそうだ。なのに私が行くとすぐにお客さんが二人。 「みかさんって福の神ね」と言って喜んでくれた。ちょっと照れました。
そのお客さんのひとりは高校生だった。眉毛を整えてもらいに来たそうだ。 お祖母ちゃんがお孫さんの眉を。そんな感じがして。なんだか微笑ましい。
ひとに会った日は。すごくこころが温まる。こころの底から湯気がほかほか。
お好み焼屋のおばちゃんの。きりりっとした笑顔が好きだった。 化粧品店のおくさんの。やわらかで優しい笑顔が大好きだった。
そして夜。『義経』の最期を見届ける。 あまりにも悲運で。どうしてここまで実の兄に追い詰められねばいけないのかと。 嘆き痛ましく思うばかりだったが。見終わってから。なんとも言葉に出来ない。 ぬくもりのようなものを感じることが出来た。それは不思議な光のような。
頼朝は。そして。泣いたのだ・・・・。
情を殺して生きることほど。辛いことはないだろうと思った。
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