晴れのち曇り。みぃととお別れする日だった。
昨夜は最後の夜を。しばらく一緒に過ごしたのだったが。 遊びつかれて眠くなったのか。またつま先からよじ登ってきて。 私の膝の上ですっかりおとなしくなった。かと思えば何かを探している。 ふにゃふにゃしながら。むずがるようにして。私の腋の下に顔を突っ込む。 そして。吸い始めたのだ。お母さんね。みぃとはお母さんのおっぱいを。 まだまだもっと吸いながら眠りたいのだ。胸が熱くなる。涙が溢れてくる。
ほんとうに。こんなに愛しい命がほかにあるだろうかと思った。 だけど。もっともっと冷静になろうとして。心を鬼にしてみる。
わたしはみぃとをねどこへつれていく。めをさましたみぃとがなきだす。 またみぃとをねどこへおしこむ。いやがってすぐでてくる。またおしこむ。
とうとう私はみぃとを無視する。
お別れの朝。少しだけぎゅっと抱きしめて。仕事に出掛けた。 後ろ髪を引かれるような思いを。押し殺したような朝だった。
そして。もしかしたら間に合うかもしれないと思い。早目に帰宅する。 ほんの今行ったところだよとサチコが。淋しそうな声で呟いた・・・。
息子の部屋をさがす。サチコの部屋も。昨夜は遊びまわっていた私の部屋も。 どこかへ隠れていそうだった。嘘みたいだった。もういないなんて。
おろおろと。しばらく泣いた。
あの子は天使だったね。そう言うと。うん・・とサチコが頷く。
さよなら天使。ほんとにほんとにありがとう。
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