桜紅葉の頃も近いだろうというのに。 その葉の一部が新緑に変り。なんと桜の花が咲いているのだ。
いつもの峠道に差し掛かるまでに。ながいトンネルがあるのだけど。 そのトンネルを抜けるとすぐに。その桜の木がある。 きのう見つけた。今日も咲いていた。明日も咲いているのだろうな。
戸惑ってみたり。だけどどうしてこうなったかとか思い悩むこともせず。 あるがままの姿なのかもしれない。咲くということは。きっとそう。
秋桜と名付けられた薄紅色の花は。先月の台風でかなり弱っていたが。 健気にも愛らしく咲き始めている。ほっとする。私の大好きな花だった。 倒れて地面にへばりついてしまっても。咲く。微笑む姿がいじらしいほど。
芙蓉は。夏の花。もう枯芙蓉だとあきらめてはいけない。 一時はそうなる運命だったのだが。まだ蕾があったのだ。 だから咲く。薄紅色のはまるで南国のハイビスカスのようで。 白い芙蓉は。今日のような薄曇の空に溶けるように花を開く。
ひとは。わたしは。ときどき自信を失いそうになる。 わたしは。ときどきなにもかも投げ捨てたくなる。
すくっと。存在するということは。試練にほかならない。 だからこそ。咲くという意志を持ち続けたいものだ。
自転車で。郵便局へ行く。
ああこのにおい。心がたくさん息をしたがる。
金木犀の花が。もう咲いていたのか。
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