ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2005年09月27日(火) 落ちる

ああ蝉が死んでいる。そう思って手のひらにのせれば。
まだかすかに動いている。羽根をふるわせて飛ぼうとしては。

ぽとんと落ちた。決して哀しみではない。ただ夏がもういく。


夕陽を背に家路につく。落ちるものはいつもせつなくて愛しい。
染まるのは川面。さらさらと流れる紅の水もまたせつないものだ。
どこから?そのせつなさはどこからくるのだろう。とふと思った。


そんな思いをよそに。たんたんと夜が更けていく。
朗らかな談笑や。いつもと変わりない平穏なくうきや。
ほのかに酔い始めた自分自身や。ゆっくりと切り離されていく。
現実が。そこにある。なんだかちっとも不自然ではない場所で。

ぼんやりと静けさを受け入れていると。不思議と心が癒されてくる。

あのひとはどうしているのだろうっと。ふと思うことも許されて。

せつなくもながき夜を。流れにまかせて越えてみるのがいいだろう。


       ああ。たったいま。私が落ちた。


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