眠っているあいだに。少し雨が降っていたようだ。 でもそれは。焼け石に水のごとくで。陽が昇れば。 もわんとした湿っぽさで。とほほの真夏日がまた。 微熱のこころで。時を刻み始める。似つかわしき。 これがいまごろの夏もよう。
昼間。おかださんと話した。 無料でうちの会社のHPを作成するそうな。どうか登録をと。 とてもかわゆい声だったものだから。ついつい長話しをする。
あのね。もっとおっきな会社があるでしょ? うちはとてもそんな。明日潰れちゃうかもしれないですよ。 いえいえ。そんなことありませんよ。だいじょうぶですよ。
おかださんは。微笑んでいるらしくて。とても明るい声で言う。 社長様がお帰りになったら。一度お話しさせて頂きたいですぅ。
あのね。社長はもうずっと帰らないですよ。だから諦めて下さい。 え〜!そうなんですか。ああ・・でも。そんなことないですよぅ。
ちょっと焦ってるおかださん。それもまたかわゆくてよいよい。 とりあえずこちらにお電話を。大阪06・・なんとかなんとか。
あら!大阪なんですか?そっちも暑いでしょ?どう?今日は? ええ・・まわりはビルばかりなもんで。外はすごいんですよ。
うんうん。こっちも暑いけど。まわりは緑がいっぱいでいいですよ。 わぁ〜いいですね。遊びに行きたいなあ。ああ、ほんといいですね〜。
そうそう。今度遊びに来てね。仕事抜きで来るんですよ。 はい!ぜひそうしたいです。どうもありがとうございますぅ。
お仕事頑張って下さいね。はい!あなたもね。ほんとにご苦労さまね。 おかださんの声がすごく弾んでいる。私もにっこりとして受話器を置いた。
おかださんは。きっと一日中電話をかけているのだろう。 説明を聞いてももらえず。不機嫌に突き放されることもあることと思う。
それでもめげずに電話をかけ続けるのが。おかださんの仕事なのだ。
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