台風の影響なのか。ざわざわと風が鳴るばかりのいちにち。 こんな日は。なんとなく胸騒ぎがしたりもするものらしい。
悪い予感というか。ついに来る時が来たかと思うような事が。 ひとつあり。また午後になりふたつ目があった。とうとうと。 そういうふうになるように。なっているのだろうなとおもう。
たとえれば。それは沈みかけている船のようだ。 あっけらかんと空ばかり見ていた者も。おろおろと不安がる。 船底からどんどん水が溢れている。なすすべもないありさま。
船長は未だに船を守りたがっている。この場に及んでと私は思う。 みんなを助けてあげて。島まで泳いでいけるようにしてあげてと。 何度も頼み訴え続けて来た。それがやっと今日認めて貰えたのだ。
私はすごくほっとしている。 明日からは。その準備に追われるだろう。それこそが本望というもの。
私は最後まで船に残る。沈むのをこの目で見届けなくてはいけない。
船長と。そして母と一緒に。
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