「休もう 休もう」新聞の占いにそう書いてあって。 朝からふにゃふにゃっとした気分にしてもらった。
特にどうしてもと思うこともなく。くつろぐ時間のありがたさ。 それがぽっかりとそこにある。まるでくりぬかれたまるい場所。
庭に出て花を眺める。水をやりながら話し掛けてあげるのだ。 植物はきっと応えてくれる。か弱いほど念じれば育つのだと思う。
十二単(じゅうにひとえ)という名の花。 紫の衣を重ね着たように咲く花で。なんともいえない可憐さがある。 古の時代にも咲いていたのかもしれない。木陰にひっそりと佇むように。
初雪かずら。これは花ではないが。いままさに花の時のよう。 冬の間ずっと寒さに耐え忍んでいたのが。新しい芽がたくさん。 それは新緑ではなく。薄いピンクなのだ。そして白く色づいてくる。 初夏の初雪。誰が名づけたのであろうかと思わずにいられない。
そんなふうにしていると。ツバメのご亭主と目が合った。 首をかしげてじっと見られていたのかと。少し照れくさくなるような。 この庭も。彼らの庭なら。荒らすわけにはいかないと思う。 奥方は花どころではなくて。今日もひたすら卵を温めていた。
まるい時間が暮れていく。霞がかったままの空は夕焼け。 川風はほのかに水の匂い。ひたひたと暮れていく一日を見た。
|