夕暮れ時。窓の外があまりにも紅く。どきどきしながら窓を。
あけると。誰かが一途にどうしても描きたかった絵のような。
空が見えた。乱れることなく絵筆を西へと一心に祈るように。
描かれた空。その紅い筋が炎のように燃えている。尽きるのか。
消えるのか。いったいどんな想いで。描いたというのだろうか。
一刻をあらそうように外に出る。 堤の石段を駆け上がっていると。つくしの坊や達が不思議そうに。 「どうしたの?何があったの?」と首をかしげているのだった。
ああ・・そうね。どうしてこんなに急いでいるのだろう。 立ち止まり大きく息をする。そうしてゆっくりと川べりまで歩く。
やはり空が落ちていた。ひたひたと水になりいちめんの紅になり。 空はゆっくりと流れていた。とめられない。すでにそうであるものを。
うずくまるようにすわる。かたわらには菜の花と。繋がれた川船。 ゆらりゆらり。夕風は少し冷たく。そっと何かを鎮めるかのよう。
尽きるのか。いや・・またはじまる。
思いのままに描けるのだろう。私だって空を。
そうして時を知っては。落としてみせよう空を水に。
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