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■ 睡眠とか。
◆睡眠は死への不安と恐怖を紛らわす為の予行練習みたいなもの。 古い時代の誰かさんの言葉。誰だったかは、よく覚えていない。 眠りに落ちる刹那、意識が底なしの深海へと落ちるように脳の中で駆け巡っていたイメージの連続が消え去る瞬間が、気持ちがいい。では、死ぬ時もか。なんて下らないことを考えているのが、もっとも安眠の快楽の中に自分を陥れる方法かもしれない。
◆眠るのが怖いのは、幼い頃から。きっと、誰かの言葉を無自覚にも肌で感じ取ってしまうほど、生に対して希薄だったからか死に対して感受性が強かったかは分からない。けれど今でもなお、寝るという事に少し抵抗がある。ゆえに加速する不眠。疲れる。怠惰。落としていく単位と精度。悪循環。 それでも最近は、両手で抱えきれないほどの音楽が、睡眠の部屋へと運んでくれる。ドアをノックする音楽は「war&peace / 坂本龍一」で、ベッドを直してくれるのは「孤独の発明 / toe」、そして部屋をライトを優しく消してくれるのは「incessant rain / nido」。この三曲が幼い頃の苦痛を少しだけ和らげてくれる。睡眠薬など、必要ない。少しの冷静さと、少しのセンスの良い音楽があれば。
2006年07月02日(日)
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