トンデモ本の世界S トンデモ本の世界T

とうとう二分冊となった「トンデモ本の世界S」「トンデモ本の世界T」を読了。
"S"と"T"は「前作が"R"だったから」という理由らしいが,分かりにくくて困るよね。「書いた本人の意図とは異なり,読んで笑えてしまう本」を集めて解説しているのだけど,定番のオカルト系,疑似科学系,新興宗教系の他にも,エッセイやら短歌集やらと幅広い品揃えになっております。これはもう定期購読すべき本でしょう。
2004年06月21日(月)

ブラディ・リバー・ブルース

ジェフリー・デーヴァーの「ブラディ・リバー・ブルース」読了。映画のロケーションスカウト(映画監督の要望にそった場所を見つけ出してくる仕事)ジョン・ペラムシリーズの第二弾。これは旧作をリライトしたものと聞いた覚えがあるのだけど,どうなんだろう。
「青い虚空」あたりになると,もう反則技の嵐でものすごいどんでん返しの連続になるディーヴァーだが,ペラムシリーズではそのあたりがまだ抑えられていて,そのバランスがちょうどいい感じに思える。見てもいない証言をもとめられて警察やFBIから追われ,目撃者と勘違いされて殺し屋にも追われるというハマリ具合がなかなかいいですね。ただラストに向かってはちょっと破綻気味かなあ。映画監督が嫌なやつで笑える。
2004年06月10日(木)

クリムゾンの迷宮

「クリムゾンの迷宮」読了。なんかどっかで聞いたことがある題名だとずっと思っていたのだけど,これってずいぶん昔に角川文庫ででたやつじゃん! ノベルスにグレードアップして発売されたのを買って読んでしまった。"コレクターエディション"と書いてあるが,何か文庫版と違うのだろうか?

ある日目覚めるとまったく見覚えの無い土地にひとり置き去りにされていた主人公..ってあまりにベタな発端だけど,話は面白い。制限された状況の中に,複数の人間がいることが分かり,"ゲーム"に参加するか,"パーティ"を組むのかどうかといった選択を迫られることになる。状況の謎,"参加者"の謎,"主催者"の謎。さまざまな謎の中で,"ゲーム"は進行していく。

読んでいる間に色々と妄想が膨らんじゃって,エンディングに関してはちょっとかたすかしな気もしたけれど,ま,面白いからいいか。
2004年05月22日(土)

第六大陸(2)

「第六大陸」第二巻読了。土木エンジニアリングSFだけど,テーマは技術ではなくプロジェクト管理ですね。「アボロ13」といえば分かりやすいか。

企画,人材,技術上のトラブル,資金繰り,訴訟,反対運動,事故。あらゆる障害を乗り換えて,月面に「第六大陸」を建設するプロセスが描かれる。その中にも多くの人間ドラマが織り込まれていて,上下二巻じゃ足りないんじゃないか気もする。でもこの長さにしたおかげで,非常に読みやすかったのも事実なので,最近の海外SFみたいにやたら大作にしなかったのは正解なのか。ただキャラの作りこみはいまいちかなあ。
2004年05月15日(土)

第六大陸

土木エンジニアリングSF「第六大陸」の一巻を読了(ちなみに二巻で完結)。
月に大規模建設物を作るという目的に向かって奮闘するエンジニアの姿を描くSFですが,なかなか燃えるものがあります。発注したのが,ウルトラ大金持ちの天才美少女っていうのはドーヨと思ったが,読んでいるとあんまり違和感が無かった。そういう話に慣れちゃったかな。オレ。
関係ないけど,本のカバーに書いてある内容を紹介する文章(あれはなんて言うのだろう?)に「第一巻竣工!」とあって,思わず本屋で感動してしまったワタシ。
2004年05月10日(月)

蟲忍

「蟲忍」読了。いつもの古橋秀之です。
ちっと変わっているのは,イラストが多くて,このイラストの方が原案で,古橋秀之はノベライズ?担当ということだけど,古橋節は健在なので問題なし。でも通勤の往復で読み終わってしまう。悲しい。
2004年04月15日(木)

日本オタク大賞2004

 「日本オタク大賞2004」読了(ISBN:4594044182)。CSの番組をまとめて本にしているものらしい。去年もでました。

 岡田斗司夫,唐沢俊一といった「オタク第一世代」の面々がこの一年のオタク的事件/現象/イベントを語り尽くす。やたら綿密も脚注が笑える。オタク世代闘争みたいな話が出てくるのが興味深いのだけど,"第一世代"はとにかく話がうまい。逆に言えば,この世代がオタクを語りはじめたことによって,続く世代は逆に閉じこもってしまった感すらある。それによりさらに第一世代が語る場を得ているというスパイラルですね。

 ちなみに大賞は「ガンダムSEED」。個人的には,唐沢俊一が「バジリスク」(ISBN:4063461971)に賞を与えているのがうれしかったり。
2004年04月10日(土)

文学賞メッタ斬り!

 「文学賞メッタ斬り!」読了。あまりに素晴らしい表紙ですなあ。

 世の中に無数にある各文学賞について,賞と受賞作(と落選作)の価値を独断と偏見と妄想と地下情報とネタで語り尽くした対談です。対談しているのは大森望さんと豊崎由美さん。大森望さんのサイトはよく読んでいるのでなんとなくどんな作品を評価するかは予想が付きますが,豊崎由美さんはまさに暴走。ロクでもない作品を選んだり,いい作品を落としたりしている選考委員に対しては毒を吐きまくっています。舞城王太郎を「舞城くん」と呼ぶミーハーぶりも素晴らしいです。異様に情報量のある注釈と,巻末の各賞受賞作採点票もふくめて,あまりにオモシロすぎですが,今後の活動は大丈夫だろうか。工作員に注意してくだされ。
2004年04月02日(金)

トンデモ科学の見破り方

 「トンデモ科学の見破り方」っていうけど,アメリカの本じゃん。「トンデモ」なんて用語はないじゃろ。「トンデモ本の世界」を期待すると,かなり趣は異なるね。ここでいう「トンデモ」は,まったくの疑似科学や反証不能な妄想は含まれておらず,科学的とされる手続きを経て発表されてはいるものの,科学者一般の賛同は得られず,異端視されている説に対して使われている。そうした説をいくつかとりあげて,科学的な検証を行っている本なのであーる。

 読んで驚いたのは「日光浴は害よりも益の方が多い」とか「石油は生物起源ではない」など,マジ?な説も,真実かもしれない可能性がけっこう高いということ。石油の元になる炭化水素は地球の深部に大量にあって,そこから染みだしてくるという説があるらしいんだけど,これを肯定する証拠はけっこうあるらしい。ホントカヨ。つーことは日本でもがんばって掘れば石油が出るってことじゃん。世界のパワーバランスが変わっちゃうね。ちなみに否定されていたのは「エイズの原因はHIVじゃなくて,エイズ治療薬の副作用」ですた。
2004年03月20日(土)

おたくの精神史

大塚英志の「おたくの精神史」を読了。これは傑作。おたくの「内面」を1980年代という外的要因から解いていく本だけど,まるでミステリの謎解きのようにスリリングです。
2004年03月14日(日)

ま2の本日記 / ま2