無責任賛歌
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| 2002年12月13日(金) |
煙が目にも喉にもヘソにも染みる/『サイボーグ009 ―素顔の戦士たち―』 |
何度か日記にも書いてることだが、私はこの世の中でタバコが死ぬほど嫌いである。道端で煙草を吸いながらスカシたポーズを取ってるようなスットコドッコイを見かけたら、怒りのあまりケツに鉄棒ぶちこんでグリグリいわしたくなるのはしばしばだが、煙毒で脳軟化症起こしてるようなクズのために自分の一生を引き換えにしたくはないので、離れたところから石を投げて逃げるようにしている。 いやまあ、今のは冗談だけれど、福岡市の喫煙者のマナーの悪さは相当ひどいものだ。道端は煙草を捨てていいものだと思ってる連中がゾロゾロいるし、車の窓から灰を落として平気なスカタンもしょっちゅう見かける。何が腹が立つって、小学生の登下校路で平然と歩き煙草してるオトナね。そういう腐れたカス野郎は、ちょっと脇道に連れこんでシメてやってるのだが、ウンコにたかる蝿のようになかなか数が減らない。
なんとかならんもんかなあと思っていたら、自民党福岡市議団が、11日、歩きたばこ禁止に罰則を付けた「人に優しく安全で快適なまち福岡をつくる条例案」ってのを12月の定例市議会に提案した。罰則つきの禁止条例は、東京都千代田区に次いで全国2例目とのこと。 条例案は、市長が指定する「路上禁煙地区」で「歩行中または自転車に乗車中に喫煙してはならない」と定めており、違反者には2万円以下の過料を科すことになる。市内全域でも、罰則のない努力規定として歩きたばこをしないことや、屋外で喫煙する際は吸い殻入れを携帯するなど、喫煙者のマナー向上を促す規定も盛り込んでいる。その「禁止区域」では条例施行後、警察がパトロール、違反者を摘発してその場で罰金を徴収するらしい。
嫌煙者にとって朗報ではあるんで、私も基本的に喜んじゃいる。けどねえ、この程度の「常識」を守らせるのにだよ、いちいち「法」でもって規制しなきゃならなかったのかねえ、と思うと、いささか陰鬱な気分にもなるんである。マナーってのは本来、誰かに言われて守るようなものじゃなくて、本人の意識の問題でしょ? つまりは、いいトシしたオトナが、規制を受けるまで自分がノウタリンの唐変木の大馬鹿野郎だったってことに気づかなかったってことがそもそもの大間違いだったのである。全く、ちったあ恥を知れよって。
ン十年も昔のこと、私がまだイタイケな中学生だったころのことである(←ツッコミ禁止)。 生徒会にいた私は(そんなヤなやつだったのである)、校内の風紀の乱れに対処するために、「校内パトロール隊」を結成しないか、と提唱したことがある。もちろん、眉村卓の『ねらわれた学園』からの発想なのだが、もちろんこれは生徒会の全員から反対されて否決された。 でも、それが私の目論見だったのである。校内の諸問題への取り組み方がいささかダラケていた生徒会の様子を見て、誰かから規制されるのではなく、一人一人のマナーの意識を高めるのが大切なのだ、という気持ちをみんなに持ってほしいと思った私のチエであった。 私の計画が効を奏し、生徒会は意欲的に生徒の啓蒙活動に取り組むことになった……んだったら、感動的なんだけれどもねえ。そんなキレイゴトがうまくいくわけないじゃん(^_^;)。単に「パトロール」なんてめんどくさいことみんなしたくないだけだったから、我が校の風紀の乱れはいっこうに改まらないのでありました。 今、実際に「パトロール」してる学校もあるようだねえ。
現実に実害があるってのに、理想論を言ったってしかたがない。 規制はまあ、歴史の必然である(んな大袈裟な)。喫煙者はそのうち、自分ちの便所の中からも「壁に匂いが付いちゃうから吸わないで!」とかなんとか家族から怒鳴られて追い出され、どこにも居場所がなくなっちゃうんじゃないかって気もするが、これまでの悪行の報いだから、諦めてもらうより仕方がない。 なあに、そのうち煙草よりずっと気持ちがよくって疲れが取れて、いろんなイリュージョンを見て楽しめる草を吸わせてくれる人がアナタのそばに来てくれるから、遠慮なくそれにハマってください。
スタジオジブリの新作アニメの情報、どの記事も「宮崎駿監督の新作!」と大々的に報道している。 でもこの『ハウルの動く城』、もともと東映アニメーションからわざわざ細田守監督を招聘して製作する予定だったんだよね。2ちゃんねるあたりでは既に今年5月の時点で細田監督の降板は話題になってたみたいだが、私は全然気付かなかった。 降板の理由は、宮崎監督の「原作の世界観を表現するには、自分でやるのが最適」という判断によるものだそうだが、表向きの理由でこんな細田監督をバカにしたような発言をするとはいったいどういう了見か。実際の理由は細田監督が「ジブリと合わなかった」だけだと思うんだが、せめて「細田監督の体調不良」くらいの言い方で気遣ってやるだけの度量が宮崎監督にはなかったのだろうか。まあない人なんだけど。性格の歪んだ正直者って、一番始末に悪いよなあ。 ジブリの新陳代謝、世代交代を図るなら、今年の『猫の恩返し』に続いて、来年、細田監督作の『ハウル』を公開すべく、ジブリスタッフは協力すべきだったと思う。外部監督を呼ばなきゃならん、という判断がいったんは下されたってことは、つまりは現存スタッフがまだまだ監督の器じゃなかったってことでしょ? たとえ不満があろうと、細田監督の演出に従うことも必要だったと思うけどなあ……って、憶測だけでモノ言ってるので、あまり真剣に読まないようにね。
大友克洋の『スチームボーイ』、押井守の『イノセンス』(『攻殻機動隊2』!)も、それぞれ来年秋、04年春に封切られるそうな。でも実はこの二人にはそんなに期待してない。『スプリガン』見たあとの大友さんに何を期待するかってのがあるし(もっとも私は『アキラ』の時点で大友さんを見捨ててるが)、押井さんは押井さんで、どうせまた「ここはどこ、私は誰」モノを作るに決まってるし。 まあ、期待しないで見たらそれなりに楽しく見られるんじゃないかとは思うから、一応、見に行きはするでしょうけれどもね。
昨日、疲れた仕事をしてたら、早速、客の何人かから苦情があったそうな。 苦情には一応誠実に対処することにしてるんで、その客の意に沿うようにお仕事をさせて頂いたら、今度は別の客から「前のほうがよかった」と苦情。 そんな逆の注文を付けられても、っつーか、疲れた仕事してた方がいいんかい、私ゃ(^_^;)。 私の本職を知ってる人は、笑ってください。
『キネマ旬報』12月下旬号、橋本治の『嘘つき映画館 シネマ・ホラセット』が最終回を迎えた。 こんな映画が作られてたら面白い、という「ニセの映画紹介」なのだが、これ、以前筒井康隆が『不良少年の映画史』の中でやってたネタだし、橋本さんの発想もどうもズレてて、今一つ面白くなかった。 今回の最終回も、どこをどう面白がればいいのかよくわからない。タイトル見たら笑うよ。もちろん「面白いから」ではないんだけど。 っつーか、紹介するのも恥ずかしいんだけどね。
『七人の侍 エピソード2 野武士の復讐』。
……あー、監督はフランシス・フォード・コッポラで、まだ製作途中で、実は三部作になる予定だそうです。 『七人の侍 エピソード1 百姓の勝利』 『七人の侍 エピソード2 野武士の復讐』 『七人の侍 エピソード3 勘兵衛の凱歌』 ……ホントにこんな映画ができたら、見たいですか? いや、見たいことは見たいだろうけれど、もちろん「面白そうだから」という理由じゃないよね。 で、パート2のストーリーがどうなるかっていうと、野武士の残党(確かにいたなあ)・伴左衛門(サミュエル・J・ジャクソン)が、百姓に復讐するために、「悪の七人の侍」を結成する。新しい首領の源五右衛門はアル・パチーノ。七人の中には、新しい女房・志乃(アンヌ・パリロー)に逃げられた利吉(ジョン・マルコビッチ)もいる(なんでや)。 対して、再び百姓のために立ちあがる勘兵衛(ケヴィン・コスナー)、七郎次(ダン・エイクロイド)、勝四郎(ベン・アフレック)。 で、野武士が勝って、パート3に続くんだと。この三部作構想は黒澤監督の遺志によるものだってことだけど、いやあ、ウソつくにしても、もう少し考えようはないのかって言いたくならない? ポスターまでコラージュして、いかにもこんな映画が作られてるように仕立ててるけど、ちったあリアリティってものがないと、つまらないんだってば。 一応、ダン・エイクロイドの写真が載ってたのでしげに見せたら、「七郎次って誰?」と聞いてきた。『七人の侍』、見てるくせになあ(-_-;)。
夜、ヨナさんとこでチャット。 最近は週に一度くらいしか覗かなくなってるけれど、平日は体力が続かないので仕方がないのである。それにどうも○○○○○○○○○○○○○○○○○○ので、あまりアブナいことは喋れない。いや、ささやき機能を使えば問題はないんだけれど、あれって面倒臭いし。 少し考えるのは、私がホームページを開設したら、チャット室を設けるかどうか、ということだ。リアルタイムで会話できる、というのは確かに面白いのだけれど、定期的に部屋を覗くということが私の場合どうにも難しそうなのである。そうなると参加者の方にご迷惑をかけそうで、なかなか設置に踏みきれない。 もちろんそれ以前に、まずホームページを開設せねばならんのだが。
ちょっとフザケた宣伝メールが届いたのでご紹介。
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わはははは(^o^)。 これは是非、ほかにも▼「坊やだからさ」とバカにされないために。「ブ★ワー★ー」とか、▼「僕には帰れるところがある」とは限らない。「ぼったくりバー」とか、第2弾、第3弾を送って来てほしいものだね。 読者のみなさんも、別にガンダムでなくても、何かアニメや特撮を使ったコピーを思いつきませんか? 面白いネタを掲示板にでも書きこんでいただいたら……って、こういうのを山本弘さんとこに投稿すればいいんでしょうかね(^_^;)。
『サイボーグ009 ―素顔の戦士たち―』(角川書店・1680円)。 「完全公式ビジュアルガイド」と言ってるわりには資料的にちょっとボリュームに欠けている。 カラーイラストは多いものの、設定資料が少なすぎるのだ。00ナンバーサイボーグ以外のキャラ紹介が、スカール、バン・ボグート、0010、0012、0013、メリー&真一&勝、クビクロ、ママドゥ、アポロン、アルテミス、イシュキック&カブラカンと、これだけである。ヘレンも紹介されてねーんだぞ、オイ! さすがに各話紹介はあるものの、それもスタッフ・キャストの記述が数人だけ。これじゃあ、ネットでファンクラブの記載を調べたほうがよっぽど詳しい。 「完結編・序章」の続きがどうなるのか、少しは情報があるかと思ったけれど、キャストのメッセージは全てアニメシリーズは「終わったもの」として語られている。やっぱりアレだけひどい製作体制だと、もうスポンサーがつかないのかもなあ。とほほ。
2001年12月13日(木) 寝寝寝寝寝/DVD『エイリアン9』vol.3ほか 2000年12月13日(水) 小山田いくの模写もできます/『まんがサイエンス7』(あさりよしとお)
| 2002年12月12日(木) |
悪いことさせまショ/『臘筆小新』(臼井儀人)/『ブギーポップは笑わない』2巻(完結/上遠野浩平・緒方剛志) |
和歌山毒入りカレー事件の林真須美被告に、死刑判決が下される。 あの事件も1998年の出来事なのか。もう4年でようやく一審判決って、やっぱり日本の審理って遅過ぎないかなあ? 弁護側は即日控訴したそうだが、当然これは最高裁まで行くだろう。刑が確定するのはどう早く見積もってもあと4、5年はかかりそうだ。そこで仮に死刑が確定したとして、刑の執行はさらに何年後になるのか? ヘタすりゃ60、70で死刑ってことにもなりかねないよな。 物事を勝ち負けで判断したくはないのだが、これって結局、真須美被告の勝ちってことにならないか? 犯罪が凶悪的であればあるほど審理に時間がかかって、十年、二十年と延命できるのである。オウムの麻原彰光も然りだ。だったら、どうせ死刑になるならたくさん殺した方が勝ちって考えてもおかしくないではないか。毒をくらわば皿までで凶悪犯罪が増えるのも当たり前だよねえ。 更に言えば、黙秘を徹底的に続けたことによって、動機は未だに解明されないままなのである。ヘタすりゃ証拠不充分で逆転無罪……?
宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』が、アカデミー賞に正式にエントリーされる。今んとこ17作品のうちの1本に選定されただけで、最終選考で最大5作品まで絞り込んで、来年2月11日にノミネート作を正式決定するそうだけれど、既にいくつもの賞を取ってるんだし、ノミネート自体は固いだろう。 ただそれで受賞するかどうか、という点になるとそれは意外と難しいんじゃないか、という気がする。そもそもアカデミー会員の投票によって賞が左右されるアカデミー賞は、「どうしてこれが受賞?」と首を捻る結果になることが往々にしてあるのだ。単純な話、アカデミー会員が『千と千尋』を見てなきゃ、受賞はムリだよね(^o^)。仮に見ていたとしても、人間の心理として、既にあちこちで受賞している作品だと、「もうオレ一人が投票しなくてもいいや」と考えて、別の作品に入れる、なんて現象も起こる。金熊賞取ってるのがプラスに作用するとは限らないのだ。 あとはライバル作の出来がどうか、ということになるのだけれど、候補に挙がっているのがドリームワークスの『スピリット』やディズニーの『トレジャー・プラネット』『リロ&スティッチ』、20世紀フォックスの『アイス・エイジ』などらしい。一本も見てないから、これ、どれが強いんだか全然分らん(^_^;)。予告編で見る限りでは『リロ&スティッチ』と『アイス・エイジ』は箸にも棒にも引っかからないような印象だったけど。 さて、で『千と千尋』が受賞してほしいかどうか、ということで言うと、これはしてほしいなあ、とは思うんである。母校の先輩が作ってるんだからそりゃ当然で、作品の出来に関する感想・批評とは関係がない。少なくとも受賞を逸して「それ見たことか」と鬼の首を取ったかのように扱き下ろす批評が出るのを見るよりは、脳天気な宮崎駿礼賛のムーブメントが起きてくれたほうが、アニメ界の活性化につながる(かもしれない)分、ナンボかマシじゃないかと思う。
仕事がすげえキツイ。 どれくらいキツイかと言うと、処理スピードが当社比の50%を切るくらい。わからん例えだ(^_^;)。 疲れてたので、しげが迎えに来てたら車の中で寝かせてもらおうと思ってたんだが、駐車場に行くと、車がない。またしげ、寝過ごしである。電話をすると「すげえキツイ」。そりゃオレもだよ、と言いたかったが詮無いことなので諦めてタクシーで帰る。 しげ、今日も具合が悪いということで仕事を休む。
先日、職場の同僚が台湾旅行をして来て、土産に『クレヨンしんちゃん』の台湾版単行本34巻を買って来ていた。ナカミを見せてもらったけれど、「しんちゃんずエンジェル」のあたりだね。 タイトルはまんま『臘筆小新』なんだけれども、これで「のはらしんのすけ」は漢字で書くと、「野原新之助」であることが判明。『戦国大合戦』でもそうなってたかな? あと、判る限りキゃラクターの名前を調べてみる。 ひまわり=小葵(かわいいぞ) みさえ=美冴(おお、美人っぽい) よしなが先生=吉永老師(若くても老師) ネネちゃん=女尼女尼(女編に尼が二つ) マサオくん=正男(まんまや) ボーちゃん=阿呆(……) 怪獣シリマルダシ=露屁怪獣 ひろしや風間くんは、名前で呼ばれるシーンが見当たらなかったので漢字の特定ができず。でもこれ発音はみんな中国語読みなんだろうね。「シャオシン」とかそんなふう?
マンガ、上遠野浩平原作・緒方剛志作画『ブギーポップは笑わない』2巻(完結/メディアワークス・998円)。 1巻が出て、1年10ヶ月ぶりの2巻発売。連載が終わってからも随分間が空いてるがそこにどんな事情があったのかはよくわからない。描き足しでもしてたのかな? イラストレーターとしての緒方さんは好きなのだが、マンガ家としてどうかというと、ちょっとねえ、と言わざるを得ない。コマ割りとレイアウトがどうもギクシャクして読みづらいし、キャラデザインが一定していないのもつらい。霧間凪と百合原美奈子の描き分けが不充分なのはいくらなんでもマズイでしょう。 この小説版第一作の出来がよければ、『VSイマジネーター』のマンガ化もありかな、と思っていたけれど、ちょっと厳しそうな印象。 かと言って、ほかの人に、全く違ったキャラデザインでマンガ化されてもなあ。『負け犬たちのサーカス』の人に描いてもらうという手もありはするんだろうけれども。
2001年12月12日(水) 鶏は卵を音を立てて生む/『獣星記ギルステイン』2巻(酒井直幸・田巻久雄) 2000年12月12日(火) モロボシダンは不滅だ!/ドラマ『ウルトラセブン・果実の熟す日/約束の果て』
| 2002年12月11日(水) |
ミスキャストの楽しみ方/『耳のこり』(ナンシー関) |
ウチから遠いんでたまにしか出かけないんだけれど、百道にある福岡市総合図書館、ここって結構スゴイとこなんである。 今ここは、2万本を保存できる収蔵庫を設けて、アジア映画や日本映画などのフィルムの収集、保存事業を進めているのだけれど、そのことを知った俳優の高倉健が共感して、なんと自分の出演の記念として映画会社から買い取っていた43作品の16ミリフィルムを寄託したのだ。意外と知られてないけど、高倉健って福岡の出身なんだよ。網走じゃなくて(^o^)。 そのことを受けて、福岡市の山崎広太郎市長は、昨日の定例会見で、来年1月から3回にわたり、「高倉健映画祭」を開催すると発表。一俳優のみをクローズアップして、これほどの規模の映画祭を実施するってのも日本じゃ結構珍しいんじゃなかろうか。 実は私はこの映画祭にすっごーく期待しているのである。いや、高倉健のファンってわけじゃないよ。どっちかっつーと嫌いなくらいなんで(念のために言っておくが本人がではなくて、そのヘタクソな演技がである)。 じゃあ、何に期待してるかって言うと、上映予定の35本の中に、金田一耕助シリーズの『悪魔の手毬唄』が含まれてないか、ってことなのね。 昭和50年から始まった横溝正史ブーム、高林陽一監督・中尾彬主演の『本陣殺人事件』、市川崑監督・石坂浩二主演の『犬神家の一族』、野村芳太郎監督・渥美清主演の『八つ墓村』と、立て続けにその代表作が映画化されていったのだが、それ以前に横溝正史作品の映像化がなされなかったわけではない。 それまでは原作発表の直後に映画化されることが圧倒的に多く、東横(東映)で松田定次監督・片岡千恵蔵主演の『三本指の男(本陣)』『獄門島(前後編)』『八つ墓村』『犬神家の謎・悪魔は踊る』『悪魔が来りて笛を吹く』『三つ首塔』の七本が制作された。私はこのうちの『獄門島』と『三つ首塔』を見ているが、中見はまあ、探偵映画と言うよりは現代版遠山の金さんである。洋装の金田一は原作の金田一のイメージとは似ても似つかないと評されがちだが、さすがは名優片岡千恵蔵、キメの時代劇調ケレン味たっぷりの演技はともかくとして、普段は知的で落ちついた、探偵らしい演技を披露している。 その間、他社も岡譲司・河津清三郎・池部良らを金田一耕助に配して映像化していったのだが、本家本元、東映は片岡千恵蔵の老齢化に伴い、新金田一耕助の白羽の矢を誰に立てるかを模索していた。 で、東映金田一耕助シリーズ最終作の金田一に扮したのが当時はド新人の高倉健だったのである。今でも高倉健はホントに芝居がヘタなんだが、当時、今にも増してどれだけひどかったかは、その数年後に主演した『飢餓海峡』ですら、内田吐夢監督がそのへぼい演技に何度も激昂したというエピソードにも表れている。確かに『飢餓海峡』の高倉健はただのチンピラだ。刑事のムードがまるで出ていないが、私はギリギリ「本物の刑事ってチンピラっぽいのかも」と自分を騙して見ることにしている(^^)。 片岡千恵蔵版の金田一シリーズはたまにテレビに流れることもあるのだが、高倉健の『悪魔の手毬唄』は今まで一度も見る機会がなかった。もちろんビデオ化もされていない。聞けば、原作の連載途中で映画制作が決まったので、原作を使ったのは冒頭の部分のみ、ストーリーは全く別ものだという。千恵蔵のあとをうけて、プレッシャーから高倉健がどんなに右往左往しているかを確かめてみたいというイジワルな楽しみもあるが、何より、その「改変」がどんなものか見てみたいのである。 残念ながら、1月のラインナップに『手毬唄』は含まれていない。2月以降にも果たして上映されるかどうかは定かではない。『網走番外地』以前の主演作品については高倉健自身、記憶から消したいだろうから、寄贈作品の中に入ってないこと自体考えられるのだが、私ゃ今さら『幸福の黄色いハンカチ』なんかにゃ興味ないのよ。 黄金期の日本映画がゴミのような無数のプログラムピクチュアによって支えられていた事実を認識するためにも、名作(と言うほどのものって高倉健作品には少ないけど)偏重のラインナップじゃなくて、珍品を混ぜて上映してほしいんだけれど、難しいかなあ。 『手毬唄』以外にも『ギャング忠臣蔵』とか見たいんだけどね。
『新世紀エヴァンゲリオン』のDVDがリニューアルされることになったとか。ガイナックスのホームページによると、「最新のデジタル技術を使い、10ヶ月に及ぶリマスター作業により、 画質が飛躍的に向上、さらに音声も5.1chのサラウンドへ」ということであるから、特に新作製作、というわけではない模様。 未だに『エヴァ』で食わなきゃならんのかなあ、意外と新婚生活でモノイリが多くて困ってるのか庵野監督、と勝手に邪推しちゃってるが、『ラブ&ポップ』『式日』と、どんどんマイナーな方に進んで行ってる監督の、これは方向修正かもしれない。ガイナックス自体も久しく大ヒットってのがないし、次の企画のための資金集めとしてリニューアル版を庵野監督に依頼したって事情もあるのかもね。これも邪推。 もっとも、ファンの間に冷ややかな反応は多いんじゃないかと思う。テレビシリーズでマクガフィン(客の気を引くもの。ヒッチコックの造語だけれど、ハッタリやコケオドシと考えてもらってもいいかな)撒き散らしたあげくのシメが映画版ラストの「気持ち悪い」だったものなあ。あのとき怒り狂ったファンは今回のリニューアル版に関しても「ケッ」てな見方するんじゃないか。誰とは言わんが、「エヴァはもういい」と嘆息混じりに言ってた人も知ってるし。 でも、あのとき別に怒りもせず、かと言って絶対信奉者にもならず、ただフツーに一アニメ作品として『エヴァ』を楽しんでいた私から見れば、リニューアル版が出ることについて別に文句もない。『ヤマト』や『ガンダム』の続編を作るのとは意味合いが違うんだから。それともかつてのファンは、これが続編製作の伏線と考えて怒り出すのかな? 続はねえよ、インサイドストーリーの可能性ならなくもないが。アレの続編作ろうと思ったら、『バイオレンス・ジャック』方式しかないって(^_^;)。 ごく冷静に考えたら、『エヴァ』はセルアニメのデジタル化やCGアニメがフツーになる直前の、手描きアニメ最後のヒット作だったのである。それをリニューアルすることにどんな意味があるのか、それを確かめるためにもこのプロジェクト、期待して悪いことはない。未だに『エヴァ』と聞いただけで、まるでかつての古傷に触れられたかのように過剰反応してしまう方が恥ずかしくはないかな。 唐沢俊一さんも何かで語っていたが、あれは単純なマクガフィンで成り立ってたアニメなんで、謎解き遊びをあくまで「ごっこ」として楽しむのならばともかく、SFアニメのエポックのように過大評価するのは、鑑賞の仕方としては稚拙に過ぎるのである。あの騒動のおかげで、いいトシしたオタクの鑑賞眼もたいしたこたあない、それどころか、ロクにアニメも映画も見てないってことが露呈してしまった。確かに、クソつまらん美少女&ロボットアニメしか見てなきゃ、映画を見る目なんか育ちゃしないわな。 と同時に、「信者」作るのって簡単なんだなあ、とも思った。もちろん、そういう信者を作ることが庵野監督以下、ガイナックススタッフの本意でなかったことは明らかなので、ああいう客をすっ転ばすような最終回を作ったわけなんである。 だから、言っちゃ悪いけど、あのラストに腹を立てた人はただのマヌケなんである。マクガフィンにもともと「正解」なんてものはないんで、そこに深遠な何かを見出そうとしても、そりゃ、「ご苦労様」としか言いようがない。 私もあの騒動で気の狂った人に関わっちまったことはあるんで、ここでまたその手の人たちを刺激するようなことを書いちゃうのは避けた方がいいんだろうが、私も別の意味でバカだからさ(^o^)。未だに腹立ててる人見てると、いい加減、自分のバカ認めて、も少し映画見ろよ、でないとほかの作品に似たようなハマり方してまた「裏切られたあ!」とか叫ぶことになるぜ? と言いたいのである。あのとき腹を立てたってことはさ、自分が実は「ものにはたくさんの表現の仕方がある」っていうことを知らない、偏狭で自己中心的かつ差別的な価値観しか持ってなかったってことなんだから。周りにそんなのがウジャウジャいたら、わしゃ鬱陶しいんだよ。 あのさ、女に惚れたって、その女が自分を好いてくれるとは限らないんだよ? それが「世間知」ってものなんだから、アニメが自分の思い通りの展開になるなんて思わないこと、『エヴァ』を大傑作だなんて言うつもりはないけれど、少なくとも「失敗作」なんかじゃないよ。アンチエヴァのみなさん、リニューアルの機会に見返してみたらどうかな? ついでに言っとくが、あのとき、うちのしげも『エヴァ』はフツーに楽しんで別に狂ったりしなかったよ。だから、狂ったやつはうちのしげ以下(^o^)。
長いこと修理もせずに放置しておいた寝室の天井の壊れた電球、しげが「いい加減で修理頼もうよ」と言うので、仕事帰りに近所の「ベスト電機」へ。 ビデオデッキもついでに修繕に出そうかと思ったが、どうせだからDVDレコーダーに変えちゃおうと、品定め。実はすぐに買うつもりはなかったんだけれど、特価品があったので、ソニーのDVD−RWを購入。ソニー好きのしげに合わせれば、これしか買えない。HDD内蔵のやつ、パナソニックしか売ってなかったし、ちとばかし値段が高かった。これはまあ、来年買えばいいか。
博多駅に回って、バスセンター上の紀伊國屋で本とDVDを買う。 ついにというかやっとというか、収録映像にミスがあったと言うことで発売延期になっていた『黒澤明DVDボックス』1巻を買ったのである。これで『七人の侍』がいつでも見られるというのは嬉しいなあ。 あと、東京旅行に向けて、ホテルガイドや旅行案内本を買った。もっとも今回のスケジュール、結構タイトになりそうなので、そうそううろつけそうにないのだが。遊ぶにしても渋谷・原宿近辺に限定されそうな気配である。
紀伊國屋の上の食堂街、焼肉屋の「大韓苑」で食事。 もちろんしげが「焼肉食いたい」と言ったからである。久しぶりにこの店に入ったのだが、相変わらず照明が暗い。肉は美味いのだが、こう暗くちゃ、肉が焼けてるかどうか、私の視力では判別しにくいのである。比較的厚切りの肉を出してくるので、つい焼きすぎちゃうのだ。 肉を食いすぎたせいか、しげ、気分が悪いと言い出す。だから毎回三人前食ってるからだよ。結局電話連絡を入れて、今晩の仕事は休みを取ったが、「食いすぎで休み」って、いいのかそんなんで。
帰宅して、テレビドラマ『天才柳沢教授の生活』最終回を見る。 これもなんとなく今まだ見てなかったんだけど、やっぱり全然面白くないな。 松本幸四郎のどこがマズイかと言うと、原作の「線目」を表現できていないことである。んなムチャな、と思われる方もおられようが、別に私ゃ目を閉じて演技せえ、と言いたいわけではない。マンガの表現というのは一つのカリカチュアであるから、そこれが何を象徴しているものかを読み取った上で生身の演技に転換しなければならないのである。それをし損なったマンガの実写ドラマ化はことごとく失敗してしまうのだ。 柳沢教授は人に関わらない。いや、本人は関わっているつもりなのだけれど、その関わり方には常にズレがある。そのズレに、関わられた人たちはイキリ立ち、そこに騒動のタネが生まれる。しかし、何も見ていないように見える柳沢教授の目が、実は相手の気付かぬ真実の心を射抜いていることに、あとになって人々は気付くのである。コミュニケーションを拒否しているのに、なぜかそこに「絆」が生まれてしまう、あの「線目」はそういう目なのだ。 松本幸四郎、セリフはそれなりに気遣っているが、目線をどうするかまで意識して演技をいない。アレは生身でやるときには視線を相手と会わせちゃダメなんだよなあ。そこにはどうしてもコミュニケーションが生まれてしまうから、目線は常に「逸らし」ていなければならないのだ。 コミックの映像化にはそれくらい奇抜な演出を案出しなきゃいけないんだけど、そこまで考えてドラマ作ってるやつっていないんだよなあ。
山本弘さんところであまりに話題になっていたので、ついに『アルマゲドン』を見ようと「ツタヤ」に行く。レンタルにしようと思っていたが、生憎貸し出し中。けれど、決意してここまで来たのだから、手ぶらで帰るのは癪に障ると、ビデオテープを借りるのはなんだか「負けた」気がするので(なんでや)、もうめんどくさいやと、DVDを買ってしまう。2500円と安かったからだが、そのカネすら惜しいと思えるほどに悲惨な出来であるのか。 でもすぐに見るのは怖いので、今日はとりあえず買ったばかりのDVD『七人の侍』を途中まで見て寝る。こちらの感想は後日に。
ナンシー関『耳のこり』(朝日新聞社・1050円)。 『小耳にはさもう』シリーズ、2000年から2002年初頭にかけての分を収録。 すっかり疲れてるのか、消しゴム版画は殆ど誰も似ていない。この絵の荒れも死の予兆だったのかなあ。私の昔の日記を読み返してみると、晩年のナンシーさんについて「エッセイに元気がなくなってる」旨を記した箇所があって、ちょっと胸が苦しくなってしまう。 エッセイの方は絵ほど荒れてはいないが、やっぱり「疲れてはいるなあ」と思う文章が目立つ。 芸能ネタに関して語るときに、自ら封印していたという「くだらない」「視聴者をバカにするな」、この言葉を、ナンシーさんはあえて「松田聖子&郷ひろみ」のデュエット曲に対して使うのである。封印していた理由は簡単で、「芸能ネタはそもそも全て下らない」「誰でも言える考えなしの批判」ということだろうが、それ以外に何も言葉が思いつかないほど、ナンシーさんは脱力していたのだろう。これはもう「毒舌」ではない、ただの「愚痴」である。 悪口や毒舌はたとえ誰かの心を傷つけることがあるとしても、その対象に対して関わろうとする意志の表れである。「仕事だから仕方なく書いてる」感じのエッセイに惹かれることはない。そこまで落ちてはいないが、以前の溌剌とした文章を知っていると、ナンシーさんの文の疲れはやはり「凋落」と映る。 ヤワラちゃんの「最高で金、最低でも金」というフレーズにツッコミを入れて「オリンピック名言に認定だ。はやらないかなあ。『最高で板東英二、最低でも板東英二』とか」と書いてるけど、しげには異常に受けたこのセリフ、私には「切れのないツッコミ」としか映らない。 もうナンシーさん、突っ込んでるようでいて、一歩引いて苦笑いしてる感じなんだよね。「はやらないかなあ」というのは、「この人に突っ込むのはもう私ゃ諦めたよ、誰か代わりにやって」ってことだし。 視点が鈍くなってるわけではない。「野村沙知代タイホ」時に、街頭でされた「野村前阪神監督についてはどう思いますか」というインタビューの答えが一様に「女房の管理もできないのに、選手の管理ができるわけがない」と答えていたのを、ちゃんと「これ、正しい言いぐさなんでしょうか。間違ってると思うけど」と指摘しているのだ。ただ、その口調の「弱々しさ」にも気付いていただけると思う。 未だに寂しさを覚えずにナンシーさんのエッセイを読むことができない。そんな読まれ方、ナンシーさんはされたくはないだろうけれど。
2001年12月11日(火) 夢の宮崎で盆踊り/『伊賀の影丸/邪鬼秘帖の巻(下)』(横山光輝)ほか 2000年12月11日(月) デジタルビデオ、どれがいいか?/『藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版』5巻
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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