もっとちゃんと抱いててよ
夢もちゃんといだいてよ 私のことも抱いててよ
だけど何より 自分を もっと抱いてよ
誰が思うよりずっと
本当は本当に大事なこと
宝石の煌きより明るくて キャンディの甘さより
本当にずっと素敵なこと
本当に素敵なものなんて 一体どこにあんの
部屋中に散らばった自分の欠片と、毎日討論しまくってんの
要りそうで要らないもの 本当に大事なものなんて 一体どこにあんの
いいかげんで 適度な愛で この生きものを 完全な檻にって
どこまで どこまで
部屋中に散らばった自分の残骸と、毎日片付いていく沢山の死骸と
どこまで どこまで
何かを思うとき、私の胸には水が流れてて、
暴れたりせせらいだりしながら 少しずつ何かを流している。
だんだん排出されていく どこかに流れ込んでいるんだろうか。
外へ 中へ 何色でもない水が流れている 外へ 中へ 外へ 中へ
声を超えて届くものはなにひとつない
伝えるのに必要なのは 言葉
言葉に乗るのは気持ち
言葉に騙されるのも 気持ち
会社の寮でお風呂に入ったら、たまたまシャンプーが ヴィダルサスーンで
髪の毛を泡だらけにしながら、前の彼氏の匂いを思い出して
少し気持ちが止まってしまった
思い出すのは決まって夏の日だ。いつだったのかは覚えていない
ただ漠然とした形のないものだけが心の背後にそっと顔を出してて
ただ、それだけのことに、少しだけひっかかった 乾いてぱさぱさの髪に絡んだ 他人の髪のように
|