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天竜



 最終選考結果!

アフガン小説を送っていた文芸賞の最終選考結果がでました。結局、最終選考には5作品が残っていたのですが、大賞1作、準大賞1作、そして佳作が2作の計4作がそれぞれ選ばれ、アタイの作品はかすりもしない残り1作品でしたテヘ!

もう〜ね、残念といえば残念ですが、かなりすっきりしました(笑)ようやく緊張も解けましたしね〜。作品を投稿してから三ヶ月間、ある意味すごくドキドキしましたし、楽しかったですし、二次まで残ったという自信も頂きましたしね、もうね、大満足です。

また今後どんな作品を書いていくにしても、背伸びせず、足りないものを受け入れつつ、書いていけたらいいな〜と思います。
メールや掲示板でお声をかけてくださった皆様、本当に本当にありがとうございました!

お礼といってはあれですが、高井戸小説はアフガンものを書く前に8本ほど短編をかいておりまして、そのなかのひとつを貼り付けておきます。
これもノーマル小説なんですが、軽いヤクザものということで(笑)お時間があればどうぞご一読くださいませませ。

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冷たい唇 (高井戸シリーズ #4)

俺はその建物を見上げた。
どこにでもある六階建ての賃貸マンションだった。背広から煙草を取り出すと、すかさず尚也がジッポを擦る。俺は紫煙を吸い込み、ゆっくりと吐き出した。
「どうしましょう、俺が先に行って中の様子を見てきましょうか」尚也が言う。派手な黄色いアロハシャツにパンチパーマ、細く剃った眉、歳はまだ三十前だと思ったが、この世界に棲み付く男の匂いがその口調や仕種に染み付いている。暴力と、女と、金が生み出す腐臭だ。まあ、俺も似たようなもんだが。
「いいさ、ナオは事務所へ戻れ。必要があれば連絡する」
「そんな、駄目ですよ。危ないです。俺も一緒に行きます」
俺は目だけで笑って、吸い掛けの煙草を尚也の薄い唇に押し込んだ。
「別に討ち入りするわけじゃない。相手と世間話をするだけだ」
尚也は納得できないという顔をしていたが、俺が顎をしゃくると、不承不承に路肩に停めてあったベンツの方へと歩いて行った。未練がましく振り返る尚也の視線を背中に受けながら、俺はマンションの中に入る。エレベーターに乗り、五階のボタンを押した。
時間を確認する。
午後六時。
夜の街が緩慢な仕種で動き始める時間だ。

インターフォンを押してしばらく待つと、男が顔を出した。まばらな無精ひげが顎を覆い、襟口の伸びたTシャツを着ている。歳は三十前半といったところか。
「高井戸元気さんというのは、あんたか?」
男は俺の顔を遠慮もなくじろじろ眺めていたが、雰囲気から生業を察したのか、仕方ないといった表情で頷いた。
「残念ながら、私が高井戸です」
「少しお時間をいただけますか?」俺が訊くと、高井戸は短い髪をがりがりと掻いた。
「嫌だと言っても押し入るつもりでしょう。そういう傲慢な物言いは、刑事とやくざの特権ですね」
俺は喉の奥で笑う。おかしな奴だ。
「生憎と令状は持ってないんでね」
「俺はやくざとも仲良くする気はない」
「若い奴を寄越してもいいんだが、できれば穏便に話がしたい」
「勝手に来ておいて穏便も何もあるもんか」ぶつぶつと文句を言いながらも、高井戸は俺を部屋へとあげた。厄介事は、互いにごめんだ。
高井戸は俺をソファに促し、自分もテーブルを挟んで向かい合うようにして腰を下ろす。
「話というのはなんですか?」
高井戸は不機嫌な顔のまま訊いてくる。俺は背広から煙草を取り出し、高井戸に勧めた。高井戸は遠慮なくそれを受け取り、口に咥える。火はテーブルに置いてある自分のライターを使った。俺もジッポを擦る。
「角川早苗という女を知ってるな?」
単刀直入に訊ねた。すると高井戸は紫煙を吹き出しながら、子供のように口をヘの字に曲げた。
「あんたさ、一応名前くらい名乗ったらどうだ? やくざにだって礼儀はあるだろう」
堅気の人間にこれほど傲慢な態度を取られたことは久しぶりだった。だが、それも悪くない。腹は立たなかった。
「女の股で金を稼ぐような人間にまともな奴はいないと思ってたが、あんたは見掛けに寄らず常識人だな」
「誉め殺しはけっこう」つまらなそうな声で高井戸が言う。
「東流会系桜田組の貫井だ」
桜田組と言ったとき、高井戸の右眉が僅かに上がった。角川早苗という名前との関係に気付いたのだろう。
「貫井さんね。で、用件はなんですか」高井戸は何気ない顔で問い返す。
「その前に、角川早苗を知っているかどうかを確認したい」
俺が言うと、高井戸は素直に頷いた。
「知ってる。どうせ、それを承知で来たんだろう」
「彼女が、どういう女かってことは?」
「綺麗な人だったよ」
とぼけているのか、本気で言っているのか、その表情からは読み取れなかった。
角川早苗は、桜田組の若頭西尾達矢の愛人だ。もともと高校の美術講師をしていたのだが、弟が作った消費者金融からの借金がもとで、講師を続ける傍ら夜の商売に足を突っ込まざるを得なくなった。無口で愛想はなかったが、肌が綺麗だった。北海道の生まれで、白く透き通るような肌をしていた。
早苗の弟が借金したローン会社は東流会系のフロントで、彼女が斡旋されたのは桜田組が経営するソープだった。西尾は早苗を気に入った。強引に美術教師を辞めさせ、マンションを買い与え、自分の愛人にした。弟を自由にしてくれるのであればという約束で、早苗は西尾に飼われることを承諾した。すでにプライドも砕かれるほどオモチャにされた後だったのだろう。
俺も何度か西尾の指示で早苗を抱いた。西尾は糖尿で、自分のものが役に立たないときは、組の若い連中に早苗を犯させ、それを見て楽しむことも多かった。
早苗は声も上げず、人形のように揺さぶられるだけだった。
白い肌だけが、妙にひんやりとしていたのを覚えている。

「早苗は、あんたに裸を撮らせたんだろう」
その時の感触を手のひらに思い出しながら、俺は高井戸の顔を見つめる。
「ヌードはモデルの募集をかけるときの条件だからな」
そう、この男の肩書きは写真家だった。それもヌードを専門に撮るという噂の男だ。
「早苗はそのバイトに応募してきたのか?」俺が訊くと、高井戸は白い煙を吐き出しながら僅かに目を細めた。
「当然だ。あんた、俺がその辺の女を手当たりしだい裸に剥いて写真撮ってるとでも思ってるのか」
「違うのか?」俺が笑いながら言うと、高井戸は面倒臭そうに顎を掻いた。
「もういい。で、彼女が何だ?」
「逃げた」
果たして正直に話す理由があったのかどうか分からないが、自然と口は動いていた。高井戸は興味のなさそうな顔をしたまま、ソファに踏ん反り返る。
「女が逃げる理由はひとつ。男が甲斐性なしだからだ。あんたがちゃんと相手してやらなかったんじゃないのか」
「早苗は若頭の愛人だ」
「そんなの理由にならないね」高井戸は短くなった煙草を灰皿で揉み消した。「どちらにしろ、俺とは関係ない」
俺はゆっくりと足を組んだ。
「若がご立腹でね。早苗が最後に立ち寄ったのがここだと分かった以上、関係ないじゃあすまされん」
「俺が逃亡の手助けでもしたと思ってるのか?」
「少なくとも、早苗に金は渡しただろう」
「モデル代の三万円ならね」
「十分だ」
高井戸はあからさまに呆れた顔をした。
「言いがかりもいいところだ。善良な市民を脅すつもりなら警察呼ぶよ」
「痛くもない腹を探られるのはあんたの方じゃないのか」
「言っとくが、俺は売れてないってだけでちゃんとした写真家だ。カメラマンが女のヌード撮ろうが男のヌード撮ろうが、そんなもんは罪にならない。ついでに言えば、撮った写真をどっかのいかがわしい雑誌に流したこともないし、それを金儲けの道具にした覚えもない。あんたらにどうのこうの言われる筋合いはないね」
俺はフィルターまで焦げ付いた煙草をもう一口吸って灰皿に捨てた。
「まあいい。どちらにしろ、あらためて組の連中を寄越す。一応警告のつもりで来てやったんだが、あんたにはどうやら必要なさそうだ」
そう言ってソファから立ち上がると、高井戸は俺を見上げてなぜか困ったように笑った。
「貫井さん、あんたは何も分かっちゃいない」
俺は腕を伸ばし、高井戸の顎を鷲掴んだ。無精ひげは、見た目以上に柔らかかった。
「やくざを舐めるのもいい加減にしないと、カメラはおろか、自分の一物も握れなくなるぜ高井戸さん」
凄んで見せたが、高井戸は表情を変えず、昏い目をして俺を見つめた。こういう目をする男を、俺は何度か見たことがある。一度、地獄を見てきた人間だけが持ち得る、独特の眼差しだった。死ぬときも、あいつらは同じ目をしていた。
「早苗さんが逃げ出した理由、あんたは知ってるのか?」
高井戸は俺の手を振り払うこともなく訊いてくる。逃亡した理由は明らかだった。彼女が身代わりになって助けたはずの弟が、結局は桜田組の構成員になり、先月人を殴り殺して刑務所に入ったのだ。やくざ同士の喧嘩ということで四課が幅を利かせ、ろくな裁判も行われず七年の実刑を食らった。それを、早苗は新聞か何かで知ったのだろう。
弟のためを思ってしてきたことが、すべて無駄だったと分かった。
逃げ出したいという衝動に駆られても仕方がない。
だが、実際に逃げたことで、彼女の寿命は終わったようなものだ。女に逃げられたという不名誉な事実を払拭するために、西尾は何がなんでも早苗を連れ戻すつもりだ。その後、彼女が人として扱われることはないだろう。
「自業自得だ」俺が吐き捨てるように言うと、高井戸はようやく顎を引いて俺の手から逃れた。
「早苗さんは“待つ”女性だった。彼女は“待つ”ことで正気を保とうとしていた。貫井さん、あんたが一番それを良く分かっていたはずだ。だから組の手入れが入る前に、自らの独断でこの場所を訪れた。彼女を探し出すためにね」
「女を若頭の元へ連れ戻すのが、俺の仕事だからな」
「人間は、どこまでいっても嘘吐きだ。自分を守るためならば、どんな嘘も平気で吐く。だけど男なら、その嘘を貫き通さなくちゃいけないときもあるんじゃないのか貫井さん。彼女はここに来たとき怯えてなどいなかった。警戒もしていなかった。ただ、金が欲しいから写真を撮ってくれと頼みにきたんだ。俺はその望み通り、彼女をモデルにして写真を撮った。そしてバイト代を払った」
高井戸は一度ソファから立ち上がり、背後のデスクの引き出しから茶封筒を取り出してこちらに滑らせる。中を開けると、そこに角川早苗がいた。仄暗い背景をバッグに、蝋のように白い肌を惜しげもなく晒している。写真は全部で二十枚ほどあったが、早苗はほとんど表情を変えることなくカメラに向かって佇んでいるだけだった。
「普通なら、いくら逃走のための費用が必要だからといって、自分がそこにいたという証拠を残すようなモデルの仕事をわざわざ選ぶわけがない。だけど、早苗さんは俺のところへ来た。それがどういうことか、あんたには分かるか? 命を惜しいと思う人間が、こんな写真を残すと思うのか?」
俺は、写真の中の早苗に見つめられていた。
まるで腐った死体に寄生する蛆虫のように、生気のない肉体の中で、彼女の二つの瞳だけが何かを訴えるかのようにゆらゆらと揺れている。
――わたし、不幸な女なんかじゃないわ。
いつだったろうか。彼女が俺の耳もとに囁いた。あの時も、俺は西尾に言われるまま早苗を組み伏し、乱暴に彼女を犯した後だったと思う。西尾がシャワーを浴びに行く一瞬を見計らって、彼女は俺に縋りついた。
「わたしはもう、もとの生活に戻りたいとは思ってないの。だけど、夢だけは見させて欲しい。いつか、好きな人と結婚して、その人のために料理をしたり、洗濯をしたりして、つまらない女になって愛する人の帰りを待つの。待ちたいの。そうやって、誰かを待って生きていきたい。それが、わたしのたったひとつの夢なの。やくざの愛人が何言ってるんだって……あなたは笑うのかしら」
俺は、その時何と答えただろう。
西尾の目を盗んで、彼女に何と囁いただろう。

「早苗さんはもう、待ちきれなくなったんだ。待つことに疲れたんじゃない。自分の中で、感情が押さえきれなくなったんだ。俺には、そう見えたよ」
早苗の顔を思い出す。白くて、綺麗な肌をした女だった。この写真に映る残像よりももっと柔らかく、そして優しかった。
自分を陵辱する男を前にしても、彼女の吐く息は甘く切なかった。
 ――そうだ。
俺は思い出していた。
俺は彼女に言ったはずだ。
冗談めかして、だけど視線を合わせて、早苗に言った。

「じゃあ、俺と逃げるか。俺が、待つだけの女にしてやろうか」

早苗は笑っただけだった。
何も言わなかった。
俺はそんな彼女の顔を引き寄せ、冷たい唇に噛み付いた。
ただ、それだけのことだった。

「彼女はきっと、今でも“待つ”ことをやめられない。それが彼女の生き方だからな。あんたらの目の届かない場所で、きっと待ち続けてる。ひとりで、淡い夢を抱いてね。その手助けをしたことで俺がやくざに追われるのなら、仕方ないと諦めるよ。東京湾でも日本海でも好きに沈めりゃいいさ。どうせ、泣くやつはいない」
高井戸はそう言って、新しい煙草を咥えた。俺は腕を伸ばし、自分のジッポを擦ってやる。高井戸は少し驚いた顔をしたが、そのまま煙草を吸いつけた。
「早苗は、俺がここに来ることを知ってたのか」
「さあてね、人の恋路には興味がない」さっきまでの饒舌が嘘のように、高井戸は素っ気なく言った。俺は苦笑しながら、早苗の写真をすべて封筒に戻し、高井戸に返した。
「早苗があんたに裸を撮らせた理由が、何となくわかったよ」
「待つ女がいる以上、あんたもそう簡単には死ねないな」
「賭けてみるか? 海に沈むのが、俺が先かあんたが先か」
そう言うと、高井戸は小さく肩を竦めた。「売れない写真家からこれ以上金を毟り取る気か。やくざってのはだから、ろくでなしなんだ」
俺は笑って、高井戸の頬を軽く叩いてやった。
「その写真は、処分しておいてくれ」
「悪いが、これは俺のコレクションだ。そう簡単には捨てられない。だけど約束する。あんた以外の奴にこの写真を見せることは絶対にしない。それが多分、早苗さんの意思だろうからね。モデルを守るのも写真家の仕事だ」
「分かった。信じよう」
俺は高井戸のマンションを出た。
エントランスを出ると、結局事務所に戻らずベンツの中で待ち伏せていた尚也が運転席から駆け出していくる。
「貫井さん、大丈夫でしたか?」よほど待ち遠しかったのか、興奮して耳が真っ赤だ。俺は笑いながら、そんな尚也を待ち受ける。
「そんなに信用ないのか、俺は」
尚也は大袈裟なくらい大きく首を振った。「まさか、そんなことないですよ。ただ、最近はシロウトでも危ねえ野郎が多いから」
「あいつは薬でいかれたスケベ野郎だ。女の股にしか興味がない。早苗のことも、覚えちゃいないみたいだ」
「そうですか、無駄足でしたね」尚也が残念そうに言う。

人間はしょせん嘘つきだから。
高井戸は、きっとそう言って笑うだろう。
「行くぞ」俺が声を掛けると、尚也は急いで運転席に滑り込んだ。
車がゆっくりと動き出す。俺はシートに深く沈み込みながら、消えた女のことを考えた。ヌードモデルで稼いだ三万を、早苗は何に使うつもりなのだろう。
俺はふと、ハンドルを握る尚也の横顔を見つめた。
「なあ、ナオ」
「何ですか?」
「お前、もし手元に十万あったとして、自分のこと以外に使うとしたら何に使う?」
尚也は一度俺の顔を振り返り、それから細い眉を困ったように下げた。
「自分のこと以外でですか? そうだなあ、何ですかね」
しばらくぶつぶつと考え込んでいた尚也だったが、やがて何かに気付いたように小さく声を洩らした。
「ああ、実はですね。来月、うちの姉貴がガキ産むんですよ。結婚してねえのにデキちまって。親はカンカンなんですけどね。もし十万あるなら、姉貴に渡します。出産費用とか、ガキのおしめとか、そういうのっていろいろ金掛かるでしょう? だから、たまには姉貴孝行ってやつです。なんか、そういうのってダサいですかね」
照れ臭そうに尚也は笑う。
俺は尚也の話を聞きながら、早苗が何のためにヌードモデルなんかをしてはした金を稼いだのか、少しずつ解かりかけていた。
早苗は、愛人として西尾から貰う金ではなく、どんな形にせよ自分で稼いだ金を手に入れたかったのだと思う。何のために。それは、純粋に誰かのために使いたかったからだ。やくざの金ではない、ちゃんと自分が働いて手にしたお金を、大切な人のために使いたかった。

俺は煙草を咥えた。
今ごろ、刑務所に入った早苗の弟のもとに、何か差し入れが持ち込まれているかもしれない。早苗とは、そういう女なのだ。
窓の外では、怠惰な夜がネオンに彩られた肢体をけだるげに動かしていた。この夜のどこかに、あの女はいる。そして、待っている。つまらない、平凡な女になる自分を夢見て、甲斐性のない男を待ち侘びている。
それは決して、悪い気分ではなかった。
女に惚れるとはきっと――そういうことなのだろう。


2005年03月31日(木)



 冷や汗もん

いや〜、バーレーン戦勝ちましたね〜。もう〜ね、ひやひやしましたよ。この勝ち点3は大きいですよね〜。

それにしても、日本の守備は上手かった!イラン戦がウソのよう。あのくらい集中してればマドリー相手でも大丈夫よ。バルサは厳しいかもしれませんけど。

ドイツ、もうすぐドイツですね。コリアジャパンから早四年ですよ。ほんとに早いな〜。サッカー熱も冷めないしな〜。
この調子でW杯本選ストレートインして欲しいところですね。

2005年03月30日(水)



 二次選考結果

えっとですね、今日会社から戻るとアフガン小説を投稿した文芸賞二次選考の結果通知が届いてました。

なんとビックリ!二次選考通過しましたイエー!

先五年分くらいのラッキーを使い果たした気がしますイエー!最終選考は三月末日だそうなので、結果はまたご連絡しますね〜。

エロエロエッサイム天竜、すでに感無量です(泣)

2005年03月26日(土)



 ふりかえれば三十路

兄弟小説、書けば書くほど不安が募っていくようなビミョウな作品に仕上がりつつあります。気分がモヤモヤしっぱなし。

主役は三十路男なんですけど、同年代ということもあって書いているとどうしてもいろんな部分で感情移入というか、なんていうんだろうな、その年齢における判断とか、世間の見方とか、全く自分と正反対の感覚を持たせる場合も多いのですが、今回はそういった意味では背伸びせず、自分に近い感覚の三十歳を書いているので余計に強く思うのですが、三十歳なんてね、まあ若い子にはあれなんですけど、本当にいたって普通ですよね。普通に来ますよね。三十歳という年齢。

精神的に成長してないというわけではないんですけど、やっぱり実際文字にして書きおこしてみると、意外とちっせぇな〜と思うわけですよ。社会に出ても、給料もらっても、酒呑んでも、エロイ話しても、やっぱりね、大して変わらん。私だけなんですかね〜。みんなもっと成長してるのかな〜。

なーんて、そんなふうにちょっぴり不安になってみたりしました。これからは頑張ってもっとエロエロエッサイムになります。

2005年03月25日(金)



 マジョルカのアランゴ

痛い痛い一日から数日しか経っていないというのに、またしても痛いというか、ほとんど恐怖にも似た痛い話。

またしてもサッカーなんですが、昨夜録画してあった我が(枕詞)セビージャとマジョルカの試合を観たのですが、ドリブルしていたマジョルカ選手アランゴの顔面に相手選手の肘が激突して、アランゴが卒倒。顔を血だらけにして、ゴム人形のように倒れ込んだアランゴの様子がただごとではなく、周囲の選手が異常を感じ集まり出したときには意識のないアランゴの全身がひどい痙攣を起こし始め、一瞬スタジアム全体が騒然というより、血の気を引いたように静まり返り、試合が中断。アランゴのもとにドクターが駆けより応急処置をほどこしている様子を他の選手が口に手を当てて見守っている姿は、生命の危険さえ感じさせる状態でした。

で、すぐに病院に運ばれ、しばらく昏睡状態が続いたらしいのですが、どうにか意識を取り戻し、脳にダメージもなかったという報告が入りようやく一安心。頬骨骨折という外傷だけですみそうだということでした。よかったねアランゴ〜(泣)

サッカーの試合では流血や激しい衝突というのは日常茶飯事なのですが、今回ばかりは本当に心臓が凍りつきそうになるくらいショッキングな映像でした。
一日も早くアランゴが無事ピッチに戻ってきてくれることを願っています。がんばれアランゴー!

2005年03月24日(木)



 イオリン

兄弟小説はどうにか2/3ほど書き終わり、もう一息どっこいしょです。

さてさて、いろいろな皆さんにオススメ頂いている藤原伊織さんの小説を三冊ほど読み終えました。もーーっね!皆さん、私の萌えツボを心得ていらっしゃる!ヨッ、大統領!
面白いですね〜、いや〜ほんとに面白いですよ。パラソルのヤクザ浅井は、あれです、室井ラブラブ国分組長の次にくるくらい、島村スキスキーでしたものね。
そして、ひまわりの原田!原田!!原田!!!!<うっさい!
こんなね、フェロモンモンの原田を襲わん秋山はひとでなしですよ。ろくでなしですよ。ドーナツばかり食ってる場合じゃないですよ、ったくもう。
しっかし参りましたね。しばらく私の中で原田熱が続きそうです。

ってここで書きすぎると読書記録が空白になってしまうのであれなんですが、そうそう、藤原先生がねー、黒田博行先生と仲がいいらしく、短編集の解説を黒田先生が書いていらっしゃるのですが、藤原先生のことをイオリンって呼んでるんですよ。イオリンイオリンと可愛く呼ばれる藤原先生も藤原先生だが、普通にそう呼んでる黒田先生も黒田先生です。五十男が二人して。ほほえましいったらないです。

さてそんなわけで、日々の活力はハードボイルドから。また皆様、オススメ本がありましたらこそっと耳打ちしてやってくだいませねー。

2005年03月22日(火)



 福岡県西方沖地震

九州での地震驚きましたね。福岡を中心に地域の方、大丈夫でしたでしょうか。新潟、スマトラ島と大きな災害が続くなかでの今回の地震、否が応にもそれらの天災が決してひとごとではなくなってきている昨今、だからこそ一刻も早く政府から復興への手が差し伸べられ、それが一時的なものではなくすべての復旧を見届けるまで継続性を持って行われることを願いたいものですね。被災地の皆様には一日でも早く被災前の不安のない生活を取り戻せるよう心から祈るばかりです。

2005年03月21日(月)



 痛い痛い一日

ホワイトデーにチョコばかり貰って血糖値上昇中の天竜さんですこんにちは。

映画話の続きで申し訳ないんですが、メル監督作「パッション」も観ました。もーーーね、痛いです。壮絶に痛かったです。日本人にはあまり「鞭打ち」というものに対して恐怖感というのはないじゃないですか。よく外国映画で先生が悪いことをした生徒に鞭を打つシーンや、軍隊でヘマした人間が教官から鞭打たれるシーンを頻繁に目にしていて、日本人の体罰に比べたら大したことないんじゃないかとすごくぼんやりとしたイメージを持っていたのですが、聖書に書かれている「鞭打ち」が映像化され、これほど残酷なんだと知った今は、キリスト教国で鞭打ちをバツとして用いている理由も分かるし、痛みもさることながら、背後から背中や尻を鞭打たれるという精神的なダメージの大きさにおいて、行いを正すという意味合いも強いんだろうなということが察せられましたね。

さてそんな感じで「痛い!痛い!」とわめきながらパッションを見終わったあと、気分転換にサッカーを観たのですが、試合中にですね、スライディングをした選手のスパイクの裏がボールを持っていた選手の太股にクリーンヒットし(大ファールだ!)、肉がね、肉がね、抉れたんですよ。またしても痛い!痛いよ〜!
泣きたかったです。選手はもっと泣きたかったでしょうけれど。腱まで達していなければいいんですけどね。

そんなわけで天竜さんの痛い痛い一日でした。

2005年03月16日(水)



 アフガン零年

映画「アフガン零年」を観ました。この作品は私が書いたアフガン小説とちょうど同じくタリバンが国を制圧していた時期を舞台にした作品で、監督もアフガン人、俳優は監督がアフガンでスカウトした一般市民ということで、映像がすごくリアルでしたね。本で得た知識だけでは解かりえないような部分もたくさんあって、当時の市民がタリバンにどれほどの恐怖心を抱いていたのかとか、手酷い女性差別の現状とか、そのなかでデモ行進する女性たちの強さとか、あらためて知ることができました。
映画としても完成度は高かったと思います。主役の女の子は監督が配役を決めるためにアフガン国内の施設や学校を見て回っていたときに、物乞いをしてきたストリートチルドレンだったそうなのですが、演技するのは初めてとは思えないくらいの好演でした。実際、9.11以前のアフガンを生き抜いてきた彼女にとって、例え映画といえども、実体験の再現でしかなかったのかもしれません。映画撮影時にもよく当時のことを思い出して泣いていたと監督も仰ってましたからね。

DVDの監督インタビューの中にもありますが、同時多発テロ以降再び世界から忘却の国になりつつあるアフガニスタンが歩んできた歴史的悲劇は(タリバン支配だけでなくそれ以前の大国によるパワーゲームや、いまだテロが続き、民主化が行き詰まる現在など)こうして映像にすること、何かに残すことで、今後の戒めにしていくべきなのでしょうね。
皆さんも機会があればぜひ。

2005年03月15日(火)



 ごはんの国の人だもの

昨日は鰻を食べて元気ハツラツの天竜さんですこんにちは。

ボケーとしている間にもう三月ですね。面白い小ネタひとつ思い浮かびません。なにかあったかな〜、本当になんにもないのですが、そうそう、私もともと「パン派」か「ご飯派」かと訊かれれば、間違いなく「パン派」だったのですよ。それがね〜、最近また拍車が掛かってしまい、気が付くと朝、昼、晩とパンを食べてるんですよ。一週間のうち白米を食べたのが一回きりだとか、普通にあるんですよ。

これはマズイですよね〜。なんたって太るさ〜。
気をつけなくてはいけませんね。
さてそんな、皆さんにとっては脛毛一本程度の興味もないだろう天竜さんの食生活をご披露してみました。
次はもっとまともな話題を探してきます…。

2005年03月10日(木)



 ローレライ

観てきましたよ映画ローレライ!
もうね、初っ端浅倉が出てきた時点でヤバかったね涙腺が。あれなんですよ、映画も確かに良かったんですが、原作を読んでると例えば浅倉なら浅倉がああいった行動を犯すまでの経緯がはっきり解かるじゃないですか。だからそれを思い出して泣けてくる。パウラが出てくれば、収容所で起こった出来事や、フリッツのことを思い出してまた泣けてくる。それの繰り返しでした。
映画はですね、そういった意味で映像のインパクトは圧巻でしたし、俳優さんたちの配役も良かったですし、想像以上の出来だったと思います。
ただね〜、残念なのが上手い具合にごまかされてしまったラスト。すごく綺麗に終わってしまって、彼らが最期で見せる戦争の悲惨さや、彼らの命を犠牲にして成り立つ現代という流れがね〜、希薄になってしまって個人的にはちょっぴり残念かなと。でももちろん、映画は映画ですごく解かりやすいストーリーになっていて良かったんですけどね。

それほど期待していなかったローレライがこの出来だと、亡国のイージスが本当に楽しみ。原作への思い入れも強い作品なので、あの読了後に味わったなんともいえない清々しい感じをぜひとも再現して欲しいところですね〜。楽しみです。

2005年03月07日(月)



 読書記録更新

更新しました。今回はなんといっても沢崎シリーズでしょう!お時間のある方はどうぞ偏りまくった読書記録、読んでやってくださいませね〜。

2005年03月06日(日)



 モヒカンでしたよモヒカンでしたね

いきなりですが私信です〜。
こんにちわんこそばで私の横隔膜を刺激したナタデココさん、メールの返事が戻ってきてしまうので、もしお時間があればご一報くださいませ〜。

2005年03月05日(土)



 迷信は迷信だけれどもさ

今日はひな祭りですね。雛あられ食べましたか?雛壇を3月3日過ぎても出しっぱなしにしていると嫁に行きそびれるという話がありますが、大丈夫です、3月3日までにきっちりかっちりすっきり仕舞い終っても、いきそびれる人間はいきそびれますから。

さて、小説更新うんぬんの話は取り敢えず置いといて。今日、めざましに福井さんが出ていらっしゃいましたね〜。映画ローレライのインタビューで。なんか丸っこくなってて可愛かったです。あれなんですって、「終戦のローレライ」のハードカバーのデザインは、「世界の中心で〜」の雰囲気をパクったらしい(笑)あやかれるもんやあやかっとけ!と表紙をデザインした監督が言ってました。その潔さが好きです。映画、週末観にいきますとも!

さて、福井さんといえば伊坂さんです。<関係ない。
私の知らないうちに(つっても2003年の話ですが)、伊坂さん、ミスターギター(例のバンドの)のラジオにゲスト出演されたことがあったんですね〜。くそー、聴きたかったなー。「小説は持続力」という話をされていました。物書きには空想を持続させる根性が必要なのだと。
ちなみに、ミスターギターは私よりもたくさん小説を読むんじゃないかと思うくらいの読書家なんですが、伊坂さんのほかに、垣根さんの本とかも読んでますね。ルースター読み終えたって話をしてましたから。あれですよ、多分アキとカオルのいちゃいちゃも読んでますよ。垣根さんの「サウダージ」も読んだのかな〜。妙な因果か、単なる偶然か。面白いもんですね。
そう、ここ最近続けて垣根さんの本を読んだんですが、もうね、「尻の穴」とセックス擬音の「ぺしょんぺしょん」のイメージが頭にこびり付いて離れんのですよ。一歩間違えればお下品官能小説。際どいよ先生!いろんな意味で!

さてそんなわけで、最後はきちんと下ネタでしめてみました。
さあ皆さん、帰ってから急いで雛壇片付けましょう。

2005年03月03日(木)



 ジレンマ

兄弟小説、短く区切れば10話分くらいたまっているんですが、どうしようかなと、ちょっと悩んでます。
ええっとですね、今までネット中心で小説を書いてきて、ネットありき、茶房ありき、ここのご来訪頂ける皆さまありきの天竜なのではありますが、その中で、まあ書いた小説もちょろちょろとボーイズ雑誌などへ投稿したりしていたわけですよ。結果は全滅もいいところで、遠まわしに「もう送ってくるな」と言われたこともありましたしね。もうそんときのショックは悲しいというより笑っちゃう感じでしたね。もう無理だと思った。BLは無理だと思った。必要とされているような作品を書けない以上、競うことさえ、同じスタートラインに立つことさえできんわけです。
考えてみれば当然なんですよね。まず、私自身がBL小説をほとんど読まない。そんな人間がBL小説を書いたところで認められるわけがないんですよ。自分の浅はかさが、のんきさが、最近になってようやく自覚できた気がします。BLにはBL的な小説を書くうえでの「技」が必要で、経験が必要で、プロフェッショナルにそれを遂行していく精神と、BL小説をこよなく愛する心が必要。私には持ち得ないものばかりです。

んーで、どうしたのかというと、ご存知のように一度BL小説という舞台から下り、ノーマルなアフガン小説を書くことで、取り敢えず自分の「小説」という大きな分野での実力を下手なら下手なりにも、正確に知っておこうと思った。夢ばかり見ても始まらないし、卑下ばかりしていても始まらない。
で、BLを離れたらすべてが暗中模索で手を伸ばす場所も分からないから、とりあえず小さな出版社のコンテストみたいなものに投稿してみたんですよ。
大賞に選ばれたら文庫として出版してくれるっていう感じのところなんですが、つい先日一次選考がありまして16作品が選ばれ、どうにかそのひとつに引っ掛かることができました。まだ二次、三次と続いていくのでぬか喜びに過ぎない状況ですが、今までBL雑誌で誰にも相手にされなかった自分の小説が始めて認められたということは、何度も泣きを見てきた身としては素直に嬉しい。本当に嬉しかった。
例えニ次で落選しても、とにかく「ゼロ」ではないということが解かってすごくほっとした。今まで書き続けてきたことも無駄じゃなかったんだな〜と。

やっぱり夢は見たいものです。
欲は生まれるものです。
泣くも笑うも三月末には結果がでるのですが、今書いている兄弟小説は次の投稿に持っていきたいという気持ちがあります。男女だろうと、男同士だろうと、一定のルールに則れば一般的な作品として投稿も可能だと思っています。

ということになると、サイトでの公開はしばらく控えたいと思うし、JUNE作品として堂々とサイトに掲載できるようなものでもなくなってくる。
誰よりも読んでもらいたいのはここにきてくださる皆さんですが、チャンスに賭けたいという希望もあります。まさにジレンマです。

もうーーね、こんなことうだうだ言っている自分にも嫌気がさすのですが、ほんと、どうしていいかわからんのです。迷っています。
今、単に作品が一次通過しテンションが上がってこんなことを口走っているだけなのか、ボーイズ小説をかけない自分への言い訳をしているだけのか、逃げ場を求めているだけなのか…。

ほんとすいません。そんなわけでですね、更新はもうちょい考えさせてください。
ほんとにほんとにすいません。二ヶ月以上も更新していないのなんて休止宣言したとき以来なのでお腹くだしそうです。キャベジン飲んで考えます。

2005年03月02日(水)
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