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2007年06月07日(木) |
コミュニティ心理学ハンドブック |
標題のとおり、『コミュニティ心理学ハンドブック』がもうすぐ出版されます。 東京大学出版会から。
東大出版のページ
出版社のページには
「日本コミュニティ心理学会が,その30年以上の研究と活動の成果を一書にまとめたハンドブック.コミュニティ心理学の基本概念と方法論を整理し,各領域における活動のポイントを提示する.全ての領域の心理学的実践の手引きであり,また,さまざまな領域の活動を統合するコラボレーションの起点となる一書」
とあります。心理学はともすれば「個人のこころ」の存在を自明視したところから議論をはじめがちであり、例えば、学校、地域などでの援助に際しても、個人を援助の対象としてとらえがちである(った)と思います。もちろん、このような視点をもつこと自体は、心理学のひとつの力であると思います。
しかし、近年のスクールカウンセリング、あるいは災害緊急支援などの実践をみれば、こうした前提に基づく援助が機能しないことが多くみられ、コミュニティやシステムの有用性への認識が深まっているというのが現在の状況ではないだろうかと思います。
私は、本書では愛知学院大学の田畑治先生とともに「質的研究」のセクションを執筆しています。質的研究も、従来の実験室、教室をとびだして、日常場面での人々のふるまいを記述しようとする流れのなかで、注目されはじめたというところがあります。その意味で、コミュニティへの注目が集まっている状況にあって、質的研究が注目されるというのもうなづけます。
長い編集期間をへて満を持しての出版です。12000円するので、おいそれと買う訳にはいかないという方もいらっしゃいますが、図書館などにおいてあったら是非みてみてください。おすすめです。
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hideaki
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