徒然ハトニッキ
(映画編)

はとの不定期映画鑑賞日記。

2004年04月02日(金) 花とアリス

監督/脚本 岩井俊二
出演 鈴木杏 蒼井優 郭智博

シネプレックス10幕張にて

この作品が公開される以前にキットカットのCMとしてこの『花とアリス』放映されていて、web上でも本編とは少し違う形で公開されていた。
キットカットのおまけとしてアウトテイク集のDVDが3巻発売されている。
webとDVDでずっと『花とアリス』を追いかけてきてのまちに待った映画公開。楽しみにしていたところへ友人"あやちゃん"からの久々のメール。

『花とアリス』観てきたよ。とても良かった。ハトも好きだと思う。

との旨。

これは絶対に観にいかなければ!

中学、高校時代の私とあやちゃんは、まんま"花とアリス"だったと思う。
いっつも一緒にいた。
夏休みも毎日毎日あやちゃんの家に通ってた。
そして映画の冒頭のロケ地は私の生まれ育った土地のすぐ近くだ。
駅の風景、電車、車窓からの眺め、乾いた寒い空気、霜のおりた土の地面
全てが私が"花とアリス"時代に見ていた景色とまるきり同じでとっても懐かしかった。
(高校に入学してからはいかにも神奈川ロケって感じになっちゃったけど)
それだけで何だかもう私にとっては特別な作品になってしまった。
観ながらホームシックになってしまったよ。
ホームシックというか"あの頃に戻りたい"という気分に。
いや、なんか私もあんなふうにキラキラ可愛らしかったのかしら、きっと輝いていたわーなんていう錯覚ってやつですか。

CMとweb編ではどちらかというと花の恋に焦点が当てられていて主役は花って感じだったのが映画ではアリスの生活がクローズアップされてて、そこがまた凄くこの作品の印象を鮮烈なものにしていた。
蒼井優ちゃんの瑞々しい清らかな美しさが素晴らしかった。

(以下ネタばれ)

ラストのダンスシーンは本当に本当にきれいで、それはある種類の少女しか持ちえない美しさで、そのアリスのダンスの場面に、かつてそういう種類の少女に属していた広末涼子が演じるいくつかの恋も経験してそれなりに社会に揉まれている"おねえさん"のいやらしい芝居が挿入されていて(そうすることでよりアリスの美しさが強調されている)岩井俊二って意地悪だなぁって思った。

美しさっていうのはそでぞれの主観で変わって見えるものだけれども
この映画の中ではゴージャスな叶美香やらオーディション慣れしたギャルよりも
花とアリス、そしてフーコちゃんやバレエ教室の少女たち、アリスの母親などという非世間的な存在の方が圧倒的に美しくみえる。

錯覚だろうけれども
顔や体の造作はともかく、自分も確かにあのきれいな世界の住人だったような気がする・・・と思い出の美化。


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