徒然ハトニッキ
(映画編)

はとの不定期映画鑑賞日記。

2001年07月15日(日) 点子ちゃんとアントン


監督 カロリーヌ・リンク
出演 エレア・ガイスラー(点子)、マックス・フェルダー(アントン)

以前にも書いたけど、私は子供が主人公の映画にはあまり触手が伸びない。
子供は嫌いというよりむしろ好き。
絶対泣かされるに決まってる。
映画自体の良し悪しがどこかへ飛んで行ってしまうから。
全てが子供に食われちゃうし、その辺を狙った作り手のあざとさを感じることも多いので。

では何故「点子ちゃんとアントン」なのかというと
私の幼少時代の愛読書だったから。そんだけ。
どうやら私の母親がケストナー好きだったらしく
「点子ちゃんとアントン」の他にも「飛ぶ教室」も買い与えてくれた。
「飛ぶ教室」の方は岩波の高橋健二訳のケストナー全集の立派な装訂のものなので
今でも引っ越す度にちゃんと持ってきている。

「点子ちゃんとアントン」の本はもう持っていない。
岩波のものよりも子供っぽいもので訳者も高橋健二ではなかったと思う。

この2作品を知らない人でも「二人のロッテ」は存知でしょう。
アニメでやってたので。

子供っていうのは「自分の知っているものが世界の全て」というところがあるので
自分たちのことを大人とあまり変わらない存在であると認識している。
だから子供と会話する時は対等に話さなければならない。
「あら〜ん、そうなのぉ〜、すごいわねぇ〜ボクゥ〜」
なんて舐めた口のききかたする大人は嫌われる。
子供は子供なりの大人感覚を持っているのだ。
ケストナーはその「子供の大人感覚」の表現が凄くうまい。
ま、そんなことは最近になって気付いたことなんだけど。

実際、子供時代の私が何故「点子ちゃんとアントン」が大好きだったかというと
「食べ物」よ。
母子家庭のアントンが点子に確かじゃがいもかなんかを茹でてくれるんだよな。(うろ覚え)
「ドイツ人はうまそうな茹でじゃがいも食ってるなー」とか思ってた気がする。
今思うと大した料理じゃなかったはずなんだが、あの場面は大好きだった。

で、その場面を期待していたのだがアントンの料理シーンは出てきませんでした。がっかり。
でもそれ以外はよく出来てて子供の心に戻って楽しめたよ。
原作には登場しない家庭教師のロランスやアイス屋のイタリア人達が凄く良かった。
点子ちゃんとアントンもすんげかわいいー!
嬉しかったのは家政婦のベルタがイメージ通り。
まんまとラストは泣かされたさ・・・。

点子のラスト近くでのあのセリフ。
(書いたらネタバレだなー、書き留めておきたいんだが)
私にも言える日がくるのかしらね?



2001年07月10日(火) カラビニエ


監督 ジャン=リュック・ゴダール
出演 マリーノ・マゼ、アルベール・ジュロス、ジュヌヴィエーヴ・ガレア、カトリーヌ・リベイロ

シネ・アミューズにて

何故にゴダールのリバイバル上映はレイトショーなんだよ。
普通に昼間観ても眠くなるっちゅーの!
(んなら観に行くなよー!というツッコミはやめて下さい)

レイトだし、モノクロだし、戦争物だし、そしてゴダールだし・・・
今回は間違いなく寝ちまうであろう・・・と覚悟していたのだが
イェーイ!寝ませんでしたっ!!
(でもガム4枚噛んだけどね)

いや結構面白かったのよ。
はと的には今まで観たゴダール作品の中では2番目くらいに面白かったよ。
ちなみに一番は「気狂いピエロ」(あくまで『はと的に』よ)
観てる途中で笑ったゴダール作品ってこれぐらいのもんだろ、多分。

無知な人間は笑えるよな。愚かしい。
主要人物がみんなオバカ。

歴史的に戦争を振り返った時に人は
「何故こんな愚かな出来事が行われてきたのか?
 二度とこのようなことはおこしてはならない」とか考えるけどさ
昔は(今もか?)戦争に参加する一般庶民レベルでいうと
まぁ戦争に参加する動機なんてもんは
ユリシーズとミケランジェロの二人と変わらないようなものだったんだろうね。
だって「戦争」が何であるかなんてわかんないんだもん。

大義名分をとっぱらった戦争映画としてとても面白かった。
唯一シリアスな気持ちになったのは美少女兵士が銃殺される場面。

でもモノクロって怖いよね。
死体がいっぱい出てくるけど色がないからあんまり気持ち悪くないのね。

ちょっとゴダール作品としては異質なんだけど
お約束なのは「アンナ・カリーナ的美少女」出演。
ゴダールって女の趣味がわかりやすいよねぇー。
今回は妹ヴィーナス役のジュヌヴィエーヴ・ガレア。かわいい。ブーツなんて履いちゃって。
エマニュエル・ベアールのお母さんだって!
言われてみれば似てるカモ。タイプは違うけどね。

ミケランジェロ役のアルベール・ジュロスは誰かに似てる気がする。誰だ?
しかもコイツ本業は数学者だと。いい演技してるじゃねえか。


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