徒然ハトニッキ
(映画編)

はとの不定期映画鑑賞日記。

2001年04月29日(日) どつかれてアンダルシア(仮)


監督 アレックス・デ・ラ・イグレシア
出演 ニノ=サンティアゴ・セグラ
   ブルーノ=エル・グラン・ワイオミング

シネ・アミューズにて

スペイン版「フォレスト・ガンプ」だってさ。
スペインってさ結構、謎の国じゃない?
パエリアとガウディくらいしかよく知らないじゃん。
私個人的にはスペイン出身の画家って好きなんだけど。
ダリ、ミロ、ピカソ、エル・グレコ・・・みんな濃ゆい・・・。
映画もさ濃い感じだよね。ペドロ・アルモドバルとかさ。
俳優も濃いよね。
私はスペイン映画を観たのは初めてだったんで
スペインの文化的背景を知って驚いたさ。

TVが一般に普及したのが70年代。
で、しかも当時国営局が2局しかなかったんだってよ!!
日本がバブルで浮かれてた80年代まで民主化で国内はもめてたらしいし。
意外じゃない?
他のヨーロッパ先進諸国と同じだと思い込んでいたよ。
無知とは恐ろしい。

で、物語は独裁政治化にあった時代から民主化の波、
そして内乱、オリンピックを背景に
どつき漫才コンビの誕生から終焉(?)までが描かれているわけです。
その辺がスペイン版「フォレスト・ガンプ」といわれる所以なわけですな。
観てる時はそんなスペインの知識は皆無だったから
後でプログラム読んで意外な奥深さに感心してしまったさ。
監督さんは結構この作品にメッセージを盛り込んでるんではなかろーかね?

ま、難しい話はさておき
スペイン人の笑いと日本人の笑いって通じるものがあるんじゃないかね?
この映画観て私は黄金期の「俺たちひょうきん族」を思い出した。
上方のコッテリと東京のシュールの絶妙なブレンド具合が同じじゃない?

ニノ&ブルーノがただのどつきどつかれ漫才ならば
ただの関西演芸で「いーかげんにしなさいっ」のオチで終わりなんだけど
二人が向かっていくオチはすんごい「ひょうきん族」的な気がするんだよね。
例えばさ、狂言回しのプロデューサーフリアンなんて山田邦子的だし、
ティノはなんか島田伸介的だし。
あー、なんか自分でそう書いてるウチに本当に同じコントを
「ひょうきん」で観た気になってきた。ね?そう思わないー?

でさ、終盤近くになって結構ダレてくるんだけどさ
オチが凄すぎるんで全部許せちゃうんだわ。

レイトショーで観たんだけど会場にお客さん10人いるかいないかぐらいでさ
遠慮なく爆笑できてよかったわー!
シネ・クイントあたりでやってたら大ヒットしてたと思うんだけどなー。
あー、面白かった。





2001年04月28日(土) バトル・ロワイアル(特別編)



渋谷 東映

私は戦争論者ではないけれど常々思っていることがある。
人間にとって「争う」ということはとっても自然な行為なのではないか?
確かに「戦争」は無駄に人が死んだりして辛くて悲しいこと。
だけど、そうすることによって人間社会は発達してきた。
今この日本はもしかして不健全な世の中なのではなかろーか?

だからといって戦争が起こっても困るけどね。

観る前・・・というか映画中盤までは
子供版「仁義なき戦い」なのかと思いきや、やはりそこには仁義が存在していたのであります。
あー、こんなに糖衣されたお話だったのね。
とガッカリしてみたら糖衣部分は「特別編」におけるサービスだったのだぁ。
蛇足じゃないのか?
あー、特別編を観るんじゃなかったぜ・・・。

生徒役のほとんどが児童劇団演劇なもんで全然リアルじゃないので
人がバカバカ死んでも「わー、すげー殺され方っ」って思うくらい。
あれ、もちっとリアルな演技だったら吐き気もよおしたと思うけど。
てゆーかさ、なんか国会議員はあれ観てマジで文句言ってたのか?
買収されて宣伝パフォーマンスしてたんじゃないのかぁ?

深作欣司はそーとーな曲者なんじゃなかろか?

今、原作読んでるんだけど教師役はやっぱ武田鉄也がよかったなぁ。
そしたらきっとこんなに映画ヒットしてなかったろうな。



2001年04月01日(日) 「都会のアリス」「グロリア」「アルファビル」

テアトル銀座にてオールナイト上映の3本。
オールナイトということで眠気に勝てずに「都会のアリス」「アルファビル」は寝てしまいました。昼間観ても寝ちゃいそうな作品だよな・・・。後でコンディションを整えて最チャレンジしたい2作品です。
簡単に紹介。

「都会のアリス」
監督 ヴィム・ヴェンダース
青年と少女のロードムービー。
ヴェンダースその後の方向性を決定付けることになった初のロードムービー。
私が観たのは冒頭とラストだけ。
かなり前半から中盤は退屈らしいが終盤は素晴らしいらしい。
じゃあ私はいいとこだけ観たのか・・・。
少女は「かわいい」というよりいつも険しい顔したキレイな子で生意気な感じ。
最後の列車の俯瞰から広がる場面は印象的。

「アルファビル」
監督 ジャン・リュック・ゴダール
ゴダール流近未来SF。
最初は一生懸命観てたんだけど難解すぎて挫折。
アンナ・カリーナは美しい。
でも難解。なんか気持ち悪いし。
短編の「未来展望」に似てるかな。
あのオールナイトで寝ないで観れた人はいるのか?
いたら尊敬する。

唯一、今回のラインナップで観れたのは「グロリア」のみ。
この作品だけカラー作品だったからかも。
ストーリーもわかりやすかったし・・・(私、馬鹿丸出しか?)

「グロリア」
監督 ジョン・カサヴェテス
主演 ジーナ・ローランズ

かの有名な「グロリア」です。最近もシャロン・ストーンでリメイクされたやつ。
良かったです。スタイリッシュで冒頭から引き込まれた。
最初に出てくる母親がえらく美人。色っぽい。でも父親がハゲたおじさん。
あの「レオン」の元ネタなのね。これって。
グロリアがウンガロの衣装着てバンバン撃ちまくり。
格好良い・・・。
クールでエレガント。こんなババァに私もなりたい。
窮地に立たされても少しも慌てずにシャワーを浴びる。

でももう一人の主人公のスパニッシュの坊やだけは気に入らぬ。
うるせー、生意気、わがまま、声がキモイ。
最初にグロリアも母親に少年を託された時に
「あんたの子供はイヤ!」って言ってた。確かにイヤ。
私なら途中で捨てる、あんなガキ。
「ラストにはこんなクソガキでもかわいく見れるのかしらん?」と
思ってたけど最後までクソガキはクソガキだった。
でもクソガキじゃないと話が成り立たないからしょうがないか。

タクシーとバスがいっぱい出てくる。
おじさん運転手なのにぬいぐるみ並べたタクシーが気になった。

でも思ったんだけど結局何も解決されてないラストじゃないか?
ま、いーや。ジーナ・ローランズが素敵だから。
旦那にこんな風に撮ってもらえるなんて素敵すぎる。


 BACK  INDEX  NEXT


はと [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加