P×6S:そして夜。見に行ったらダンボール箱を解体してネコにナナメにかけてあった。ハンカチにくるんだホッカイロを置いてきたけど、熱いかな。。。。とにかくまだ生きてる! 箱のけてみたらシャアアアアアアアと言った。
P×5S:少年が指を切って血出してた、ということに改めて思い至り、絆創膏とイソジン消毒薬とティッシューを持って行く。消毒して、絆創膏をあげた。ネコは動かない。少年は寡黙で、ありがとうございます、しか言わない。野良猫と少年は似てる。
とか言いながら、どうしよう、少年が今、野良猫介抱記録とかtwitterで随時更新してて、スターになってたら。。。それ目的とか。。。
なんてことはあり得ない、純朴そうな小学生だ。涙が出る。
PPPPS:こんなに汚くして。。。これだからネコ好きの人は困るのよね
と言われたらいやだから、ウンコまみれになったネコの居場所のグチャグチャを片付けた。新聞で包みながらゴミ袋に入れて。でもウンコはそのままだけど。。。すまん。こびりついてる。
少年はまだいた。「動かなくなっちゃった?」と聞いたら、「ううん、寝てるだけだよ」って。
子どもは状況をただ見るだけで判断する。その素直さがすばらしい。
湯たんぽでネコが温まってくれたようだ。良かった。。。でもそれ以上に少年に見守られてる安心感だろう。
このままネコは死ぬだろうが、最後のときに安心したんだ。
PPPS:また行ってみたら、なんと、隣のアパートの小学生の少年がネコを脇の50センチほどの通路に寝かせ、ホッカイロで温めながら見守っていた。。。。まだ死んでいない。だからウンコまみれ袋から湯たんぽを取り出して、また湯を入れ替えて、帽子に包んで少年に渡した。少年はネコにシャアアアアアアアアされて、指から血を出してるのに、ウンコまみれネコのお腹に手を入れて、湯たんぽを入れてあげた。なのにまたシャアアアアアアア。でも暖かさに気がついたらネコは少年を見つめていた。
少年とネコ。
この2人の純粋な愛に比べたら、大人の私はなんて中途半端で、そして ウンコにもシャアアにも手出しできなくて。意気地なしだ。
そして風邪ひいちゃった。。。
PPS:また行ってみたら、なぜか道の反対側にいた。昨日のバスタオルを誰かがかけてくれてある。でももう死にそうだ。虫の息。おばあさんが通りかかって「死んでるの?」と聞いた。何もできない自分。消えていく命。祈るしかできない自分は中途半端だ。
PS:その後、ネコはどこかに移動しようと、少しずつどこかに向かって移動している。しかし近づいてももはや目も開けない。でもまた見に行くと移動している。最後の力でどこに向かおうとしてるのか。。。
汚れた物は夜中にこっそり片付けようか。。。
昨日、相撲友達と朝さまについて話した。白鵬が子どものように泣きじゃくったのが朝さまがどういう人かをよく表していると話した。
そして帰ってきて、家の目の前まで来たら、道の脇に黒白で長毛のネコがいた。ありゃ?と声をかけると、シャアアアアアとはむかう。でもなんか変。動けない様子だ。どうしたんだ?と聞いたが、シャアアアアと答えるのみ。牙むいて、爪を出す。だから小さな持っていた手ぬぐいをかけたが、さらにシャアアアと怒る。
どうしよう?と思って、とりあえず家に入って。。。。。あのままだと凍死するかも?と思って、家を探すと。。。。小さな湯たんぽが出てきた。これだ!と思って、それに湯を入れて、そして捨てる予定の汚いバスタオルを見つけた。それも持った。
急いでネコんとこに戻る。相変わらずシャアアアアアアアアアアアアアア。ものすごい形相で怒る。正直、怖い。萎える。。。
箱も持って行って、入れてあげようとか思ったのだが、それは諦めた。パッと湯たんぽを腹の横に置き、パッと上から無理やりタオルをかけた。
シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア。
ものすごい怒る。箱を横に置こうとするが、シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア。逃げようとする。
分かった、分かったよ、とにかくタオルと湯たんぽから離れるな!とだけ言って、逃げてきた。
シャアアアアアアアアアアアアアに負けた。
でもそれからずっと気になって。。。。シモマンに連絡する。折り返しかかってきて。。。。とりあえずネコは寒さに意外と強いから、箱だけ置いてきてあげれば、自分から入るかも?と言われて、そうすることにする。
また外へ。と、ネコの横に見知らぬお兄さんがいる。「なんか見ちゃったから気になって。この子、いつもこのあたりにいる野良猫ですよね。車にひかれたのかな。。。」と言う。そうなんだ、知らなかった。シモマンと、そのマンションから落ちたのかも?とか言ってたんだけど。。。
とりあえず箱に入れられるといいと思い、お兄さんにタオルでつかんでくれないか?頼む。お兄さん、トライ。が。シャアアアアアアアアアアアアアアアアアア。そしてズルズル動かない足で逃げる。逃げる。逃げる。あ。。。冷たい金属のドブ板の上に。。。ダメだよ、そこ、冷たいって。。。と焦るオレとお兄さん。
さらに迫ると、壁際に行った。さらに逃げようとする。分かった。分かった。そこにいろ!と箱を横に置き、湯たんぽも。。。大分冷めちゃったけど、置いた。タオルも上からかけた。
「これが限界だね」お兄さんはそう言う。私もそうだ。これ以上やってあげられることはない。飼ってあげられるわけじゃないし。病院に連れて行く金もない。ごめんなさい。お前を見捨てるんだ。ごめんなさい。
それからやりきれない思いが沸き起こり、シモマンに何度もメールする。。。。
シモマンから、最後のときに親切にしてもらえば幸せだと言われて、そうかも、と思う。ネコは淡々と死んでいくと言われて、そうかも、と思う。
ネコ。どうにもできない。
ふと思った。私は戦場にいたら発狂するなと。誰も助けられない無力感に、死にそうになるな、と。いや、災害地もそうだな。そういうのに耐えられないなとか。無力さに本当にイヤになる。
そして朝になった。
グウグウ寝たオレ。そんなものだ。。。
思いついて、水筒に湯を入れて、プラスチックトレイにお湯とジャコを入れて、行ってみた。。。死んでるか。。。生きてるか。。。。
いたっ!
生きてる!
が。。。。誰かがさらにかけてあげたのだろう、お兄さんかもしれない。。。。Tシャツなんかがあって。。。。でも。。。。それらすべてがウンコまみれになっていた!!
湯たんぽにもウンコが。。。。
そして本人はハアハア虫の息だ。。。すごい苦しそう。なのに私を見ると、またシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア。
分かった分かったよ、と湯たんぽのウンコのついてないところを持って、中を取り出し、水を捨てて、湯にとりかえる。そしてまたネコの横に。シャアアアアアアアアアアアアア。一瞬怒ったが、その暖かさに気がついたのか。スッとだまった。そのまま横にジャコ入りのお水をおいた。何も言わない。
こっちを見るネコ。
もうお別れかもね。ネコ。。。さようなら。
このウンコまみれ具合からして、相当悪いし、それにこのマンションの人が黙ってないだろう。。。。
何せ入り口のすぐ横だ。。。。
最後のときを、湯たんぽで温まって欲しい。
誰かがおまを気にしたことを感じて死んでほしい。って、分からんだろうが。。。でも1人じゃなかったんだから!
私ができるのはここまでだ。さようなら、野良猫。オレは無力だ。お前と同じくらいに。
オレもいつもシャアアアアアアと牙むいて生きてきた。同じだ。
シャアアアアアアアアアアアアアアアアア!