ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判〈2〉

「ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判〈2〉」読了。あー笑う。とにかく笑える映画についての毒舌対談集。私は本としてのエンターテインメント性にだけ興味があるの,批判が正しいかどうかはあまり興味が無い(見ている映画はほんの一部だし)。重要なのは「ぐはは。そうだよなー」と思わずいわせてしまうような芸である。

で,この本にはそういう芸がたくさん。
2004年09月30日(木)

真空ダイアグラム

ジーリー・クロニクル「プランク・ゼロ」の続編「真空ダイアグラム」読了。宇宙誕生の頃から存在しながらも他の知的種族と接触しない謎の超種族「ジーリー」。そのジーリーと人間の関わりを描くジーリー・クロニクルの短編集(メインは長編で数冊ある)の後半です。

ここで明らかになるジーリーの真の意図。そして人間の行き着く末はどこか。いかにもSFらしい全編と比べて,ここではSF的センスオブワンダーというより,なんだろう,冒険小説的なノリというか,「意志」の物語になってますね。あとがきにもあったけど,ヴェルヌの「タイムマシン」の最後の方を思い出したりします。

さあ,短編集を読むと今度は長編の方が読みたくなるんだけど,今は入手困難とか。うーむ。
2004年09月25日(土)

プランク・ゼロ

スティーブン・バクスターのハードSF短編集「プランク・ゼロ」読了。いやー,ずっと「面白いSFが読みたい病」だったんだけど,やっと満足しました。実にSFらしいSF。これは「ジーリー・クロニクル」という,バクスターの未来史シリーズの一部となる短編集です。長編には「天の筏」「時間的無限大」などがある模様(読んでない)。
ジーリー・クロニクルは,宇宙の創世記から存在する超絶的な種族「ジーリー」をめぐる物語なんだけど,この短編集では,その未来史を短編で縦断するかたちになっているので,長編を読まなくてもだいたいの流れが把握できる。おとく。異常に進んだテクノロジーを持ちながら,銀河系内の知的生物とはコンタクトをとらない謎の種族ジーリー。かれらの目的は何か。ジーリー以外にも異星人,異星生物てんこ盛りで楽しいです。ジーリーの発明品も(宇宙に廃棄されているジーリーの技術を,いろんな種族が争って探している)スケールが大きくてイイネ。
ちなみに,短編集は二分冊で「真空ダイアグラム」に続きます。
2004年09月20日(月)

とり・みきの映画吹替王

「とり・みきの映画吹替王」読了。洋画を中心に吹替えをしていた声優インタビュー集。なので新しい声優はいません。山寺宏一が最若手。

テレビのなんちゃら洋画劇場で映画に親しんだ世代だと楽しい本ですね。なんとなくそれぞれの声も思い出せるし。待遇改善のストを契機としたけっこう根深い問題とか,吹替え初期にいた舞台系とそれ以外の人たちの対立とか,シリアスな話も出てきます。アニメ声優じゃこういう本にはならんよな。
2004年09月07日(火)

凹村戦争

「凹村戦争」読了。ハヤカワJコレクションの一冊だけど,小説ではなくてコミックス。凹村(おうそん)の凹中に通う三人の学生(みんな苗字に凹がついている)の話だが,ストーリー的には要約不能。凹村上空を飛び交う流れ星を見て,主人公は何かが迫ってきているんじゃないかと思う。他の村人は村の外のことには一切関心がない。主人公の友人の凹伴は秀才で,何かを知っているようなのだが,主人公の「村の外へ」という衝動に冷たい視線を向けている。
こんな中で淡々と妙なことがおきる。独特の可愛らしい絵とあいまって,不思議な魅力があるよね。でもあまりに飄々としすぎて,金返せっていう人もいるかも。
2004年09月01日(水)

ま2の本日記 / ま2