きみの嘘がぼくにとってもう少し優しいものであったならと今となってはもうどうでもいいことをいつまでも ちくりと思い出す
下ばかり見て歩くのを小さい頃に怒られて下ばかり見て歩く友達に自分を重ねて手を引いたきみはもう前へ前へ進んでしまって後姿も 遠く道はどこまでも続いていて北にも南にも、きっとどこへでも行けるけどどこにも進みたくないときはどうすればいいのだろうね風が吹き荒れて勝手に背中を押して季節はめぐって世界はわたしを置いてそれでもどこかへ進んでいくこの道でいいのか分からないままもう一歩も、進みたくはないのにどこかへ続いているどこかへ
汽車は雲と雨を乗せて遠い地へとがたんごとん誰かの声も連れてった冷たい空気と薄い空芽吹く命と色づく世界移り変わる 多分いまごろきみの記憶が始まって次の季節にゆくごとに少しずつ 薄れていって大切なものぽろぽろ落として悲しいことも嬉しかったこともぽろぽろ落として汽車は雲と雨を乗せて遠い地へとがたんごとんぼくの思いも連れてった