長い帰り道 - 2002年09月09日(月) それは割り込みから始まった。 バイト先からの帰り道、地下鉄の駅でプリペイドカードを買おうと、カード販売機の前に立ち、財布から千円札を半分取り出したところに、脇からスッと手が伸びて、千円札を突っ込む若い女性・・・あきらかに割り込みである。 加えて、無理な角度でねじ込んだために、彼女の千円札はにゅる〜んと戻ってきてしまった。 割り込んだ上に、3回も入れ直すとは失礼千万である。 その結果、私は1本電車を逃がしてしまった。 ここで10分待ち。 次にJRに乗換えるのだが、何故か普段この時間にはあり得ない途中のA駅止まりの電車に当たってしまう。 でも、A駅では快速にも乗換えられるので、目先の空席(車内は空いていた)につられて乗ってしまった。 しかし、後でこの選択がかなりのロスにつながる。 A駅に到着、長い階段を降りて登って快速のホームへ移動する。 ほとんどの階段にエスカレーターがついているのに、たまたま最寄りの階段にはそれがなかったのだ。 それが仇となって、あと8段というところで発車のベルが鳴った。 でも、2本も乗り入れている路線だからすぐに次が来るだろうと思ったので、敢えて駆け上がろうとはせずに見送った。 またまた誤算。 次の電車まで20分待ち! わざわざ移動せずに次の各駅停車に乗れば、最寄り駅まで到着できる時間である。 しかし、私がえっちらおっちら移動している間に、次の各駅停車はすでにホームに入ってきており、これからダッシュで戻っても間に合わない。 何より、元いたホームに戻ること自体悔しいので、意地でも快速に乗ってやろうという気分になる。 これがまたミスチョイス。 20分の待ち時間に、まず水上温泉行きの急行列車が「いいだろう!」と言わんばかりに目の前に停車する。 もちろん私の降りる次の停車駅まででも500円の急行券が必要なので乗るわけにはいかない。 うう、温泉行きてぇ〜っ! 恨めしい気持ちで急行を見送ると、次は「特急が通過しま〜す♪」のアナウンス。 目の前を寝台特急「北斗星」が通過していく。 食堂車にはシャンデリアが輝き、談笑する旅行客の姿が・・・。 ううう、北海道行きてぇ〜〜〜っ! ますます恨めしい気持ちで「北斗星」の青い後ろ姿を見送ると、次は「臨時列車が通過しま〜す♪」のアナウンス。 目の前を特別仕様のラウンジ風列車が通過していく。 車内は、いままさに宴会がはじまろうという気配である。 うううう、どこでもいいから行きてぇ〜〜〜っ! というわけで、目の前を食べられないご馳走がこれでもかと通過した後に、やっと通常の快速電車がやってきた。 しかし、20分も間隔があったのでホームには人が溜まり、乗り込んだ電車の社内はいつも以上に混雑していた。 なんだかズッシリ疲労が上乗せされた感じで最寄り駅に降り立ち、バスの時刻を見ると、私の乗る路線のバスは今しがた出たばかりだった。 またまた10分待ち。 この時点で、すでに時刻表を蹴り倒したいぐらい腹が立っていた。 最初の割り込みお嬢ちゃんを除いて、誰も私に悪意を持ってしたことではないだけに、憤懣やるかたない。 これはいけない、ストレスには甘い物が必要だと思い、娘へのお土産を口実に駅前のミスドでドーナツを買った。 予算外の出費である。 ようやく最後の乗り物のバスの座席に腰を落ち着け、発車したところで、また小さなミスに気付いた。 しまった! 私は駅前でドーナツではなく、煙草を買うつもりだったのだ。 しかたがない、自販機のある一つ前の停留所で降りよう。 もう一歩も歩きたくないが、煙草なしで夜を過ごすのはもっと辛い。 こんなことなら早くに禁煙しておくんだった、とまで思った。 ショッポのびーちも地に落ちる情けなさである。 とぼとぼと歩いて煙草を買い、自販機から取り出そうとかがんだ首筋に、ポツリ・・・。 雨だー。 ずーっと降ってなかったのに、家まであと250mなのに、何でここで降るかなぁ。 ・・・・・・・ 結局、通常なら1時間弱で着くところを、1時間40分かけてたどり着いた長い長い帰り道だったのである。 まぁ、こんな日もあるさ。 ... お告げ - 2002年09月02日(月) 覚醒まぎわの夢によく出てくる博士とその研究所にて。 今日は何かのケースというかカヴァーというか、研究中のブツのフォルムについてディスカッションが行われていた。 こう・・・角のところが重なっているように見えて 実は強固に一体化した形状と、ヌメリのある質感が、だな 微妙ですね 君ねぇ、その微妙っていうのは止めたまえ はぁ 不思議だの微妙だので済めば議論する必要はないのだよ はっ、おっしゃる通りです、博士 で、君にはどう見えているのかね えー、そうですね、あえて言うならば イカ・・・そう、イカのえらじゃなくって あれは頭っていうんでしょうか、三角の・・・ 8本! え? 8本って、それは足? 8本! 8本! だから、それは足・・・じゃなくってそれはタコ・・ ハッポン! ハッポン! だ・か・らぁ! それは・・・ ぱっぽー♪ ぱっぽー♪ ぱっぽー♪ ・・・・・・・ ん? 8時か。 頭上では律儀に時を告げた鳩が、時計の中へと戻って行った。 ずいぶん長い間一緒に暮らしている鳩時計。 その音にもすっかり馴染んでいて、枕元の壁に掛っていても時報に気付かないことの方が多かったりする。 でもごくたまに、目覚めるまぎわに「お告げ」風のリフレインに聞こえることがあって可笑しいのだ。 ...
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