いつもの日記

2004年01月25日(日) MYSTIC RIVER

「今年、アカデミー賞のもっとも近くにいる映画」
らしい

秋の夕暮れの日差しと見下げるカメラがリアルに状況を写す。
デイブ(ティムロビンス)の妻セレステが涙ぐみながら、
少年野球チームのパレードの中にいる自分の子供のマイケルを、
「マイケル、マイケル」
と呼ぶラストシーンはとても悲しい。

  ●そのラストシーンがどう悲しいか

それは誰かが悪いくじを引かなくてはならないという人生の不条理さ。
そのくじは悲観的に生きていればいる者ほど引き易いと感じさせされることである。

デイブの子供の頃に最初に引いた忌まわしい記憶が、再度引かせることになるのだ。

ジミーを演じるショーン・ペン と ショーンを演じるケビンベーコンが、
「あの時もしも俺が乗っていたらと思うと・・・」
と語るシーンが何度も出てくるあるが、これはデイブだから引いたのだと思う。

またもし、ジミーやショーンがも引いたとしても糧にできたのではないかと思う。
が、ディブはそれを忌まわしい過去として閉じ込めておくことしかできなかった。
彼が引いたのは不条理ともいうべき人生の運命に感じる。


  ●そのラストシーンの何に対して悲しいか

この悲しさをディブに感じたのではなく、セレステに感じる。

忌まわしい過去事件のことも知らずにディブの妻となってしまたこと。
これからディブのいない生活をおくらなければならないこと。
夫が犯人だと間違った判断をしたこと。

彼女はこの先どうやっていきていけばいいのか。マイケルはどうなるのか。
全く検討もつかない。好材料が何も無い。
でも、日は暮れて明日が始まってしまう。それが悲しい。


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