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過去のトラウマ日記
なぎさ



 日曜日の公園

前回、日記を書いてから、又症状が重くなりました。
自分で自分の首を絞めるようですが、書いた後何度も読み返してしまうのです。
自分の過去をみつめる為に、この行為は必要だと思うので仕方がないのですが
そのため長い間日記を書く事が出来ませんでした。

これから書く事は、両親から受けた虐待ではありませんが
私の大きな心の傷であり、父からの暴力がひどくなった原因のひとつです。

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6才の頃私は団地に住んでいました。
マンションと団地の違いは分かりませんが
『団地』に住んでいたのは間違いありません。
5階建てのエレベーターのついていないタイプです。
開発途中の新しい町で、都心までの交通手段がバスしかない閉鎖的な町でした。

若い世帯が多く共働きの家庭ばかりで、私を含め友達もみな「鍵っ子」です。
だから休みになると、家族揃って都心にお出かけ・・という家が多いので
団地内はひっそりとしてしまいます。
私の両親は、休みは子ども抜きでゆっくりとしたかったようで
母の決めた帰宅時間までは、雨が降ろうが雪が降ろうが家の中に入るのを
許してはくれませんでした。
弟は家の中にいても怒られませんでした。
又、彼は同じ棟のお兄さんにかわいがられていたので、
そのお宅に行く事もあったようですが、
私はと言うと、いつも公園で時間を潰していました。

そしてあの日も又、公園のベンチで、ぼーっとしていました。
Hちゃんのお宅に行って「遊ぼ」と声をかけたのですが
『習字があるから(遊べない)』と断られました。
習字は日曜にはありません。
たぶん、遊べない言い訳を一生懸命考えてくれたのでしょう。
彼女は、私が遊びに連れていってもらえない事を知っていて
(他の子のように)遊びに行った事や買ってもらった物の自慢は
決してしない優しい女の子だったから・・・。

知らぬ間に、隣におじさんが座っていました。
見かけないおじさんです。
そして、のけ反って座っていた私に見えるように
雑誌を高々とあげ、猥褻なページを見せたのです。
何ページも見せました。

毎週のように父が見ているドラマを思い出しました。
その頃は週末に、レイプシーンをわざと盛り込んだドラマが
放映されていました。
子どもの前で平気で見る父、時には卑猥な冗談も言ってました。
今思い出しても、へどが出ます。
そんな時、私は黙っていました。
恥ずかしがったり、逃げたりすると、父がおもしろがるからです。
平然としていました。それが一番無難だったのです。
そのおじさんにも同じような態度を取り続けました。
逃げると追いかけてくるかも知れない。
ドラマのレイプシーンでは、女は必ず捕まってひどい目に合ってます。
相手を怒らせないように・・・そんなことを考えていました。

その後、おじさんはもっと卑猥な「トランプ」を見せてきました。
トランプの1枚、1枚に、男女が全裸で絡んでいる写真が載っているのです。
ぼかしもなく、汚いものが鮮明に写っている写真です。
それは今思い出せるくらいとても衝撃的なものでした。
おじさんはその写真を1枚1枚説明していきました。
性器の特徴や、何をしているところかという説明です。
私は黙って聞いていました。
そのうち、いつのまにか太腿を触られ下着の中にも手を入れられ
執拗に触られていました。
頭の中は真っ白でした。
逃げ出す事さえ忘れていました。
触られている事より、誰かに見られていないか・・・・
それの方が心配だったように思います。

そして、おじさんは私の手をひき、40号棟の方に連れて行きました。
Hちゃんの住んでいる棟です。
階段を登った所にある踊り場で、私に聞きました。
『パンツおろしていい?』
かろうじて首を振ると、脱がされはしませんでした。
『じゃ、あっち向いてて』と言われ、素直に向くと、後ろ手に何かを握らされ
おじさんの言う通りにさせられました。

おじさんが黙り始めたので、恐る恐る後ろを向きました。
おじさんはもう、にこやかな顔ではなく、苦痛に満ちた顔をしていました。
目もこっちを向いていません。
今しかないと思い、『ピアノの練習があるから帰る』と言って走って逃げました。
団地を出たところで、こけて、後ろを振り向きましたが
追いかけてきてませんでした。
レイプシーンでは、こけると必ず男に捕まっていたので
こけた時は恐怖でした。

家に帰ると、母は私の顔を見るなり、まだ帰宅時間じゃないと言いました。
私は「チカンがいるから嫌」と言ったのですが
『嘘をつくな』と怒られました。
その後、別の公園で2時間程時間を潰してやっと家に入れてもらえました。
その後は、日曜日に外に出るのを嫌がるようになった私は
父にいっそう殴られる事が多くなった事はいうまでもありません。


2001年03月11日(日)
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