詩寄。『カンガイ』...lassie

 

 

決別 - 2001年07月29日(日)

そのうち必ず訪れることは分かっていた
その時が早くくればいいなんて
強がりだった
恐れていることは
いつも前触れもなく
突然襲ってくるから
あたしを混乱させる

すでにあたしの方を向いてない目は
今何を写しているんだろう

あなたはいつも
答えるかわりに
うつむいて
口を閉じていた

何度も
何度も
何度も

さよならと
言うはずの場面を
見過ごしてきた

これは


逃れられない
罪の呪縛に
立ち向かう

それが
あたしの
最後の償い

さようなら


...

沈黙 - 2001年07月28日(土)

不安で不安で眠れない夜に
言うことの聞かない私の指は
失った時間を否定して
はずされたはずのストラップを握る
くり返される
コールは手元から聞こえてくるのが常
あなたの声に
我に返る
強欲な私
本当に言いたいことは言ってはいけないことばかりだから
なんて
幼すぎますか?
切実にあなたを思うことが
子供だという理由で片づくなら
子供のままで
いさせてください
二人が
子供だったなら
愛を否定するのが大人なのですか?
もどかしさの残る
深夜1時5分の
携帯電話が
再び
沈黙



...

哀願 - 2001年07月27日(金)

夢を見続ける
それはとても悲しい夢ばかりで
目覚めると激しい喪失感に襲われた

夢の中のそこは
理想的に明るく
涙をそそる

決して手に入らない
何よりも稀少で壊れやすいもの
触れることもできないもの
二度と
見ることができないもの

非現実で
手に入れた
あたしの
過失


...

湿気 - 2001年07月21日(土)

静かに笑うあなたの顔を見て思った
その時何度も見せてきた私の涙を
今すべて蒸発させることができるのなら

あなたが今日も着ているTシャツを
いつだったか湿らせた複数の過去がある


洗い流してキレイに

絶えずマットにただ微笑んで

見つめてずっと遠くの方だけ

乾かして

見えなくなるまで


...

雪 - 2001年07月19日(木)

真夏の太陽の下に降る雪を知ってる

冬よりも冷たく
とても強かに
音もなく
しとしとと
この胸に積もる


この雪は昇華する
いや
そのように見えるだけ

跡形もなく
消えたように思えても
確かにそこに残ったままだ


それから雪は降り続ける

冬になるまで
また夏が来るまで?





...

回路 - 2001年07月17日(火)

君の笑顔を遠くから見ていた
とても楽しそうで
とても明るい顔をしていた

遠くからしか
見ることのない
君の顔


突然の雨が
背中にぶつかる

隠していた
ゆがんだ背骨の
ごつごつしたラインが
砕ける


飾り立てて
見てみない振り

言いたいこともいえないで

怯えてた自分に
今更気づき
胸に誤魔化して隠した
本音が
バクハツ・・・

循環の罠に引き込まれる今



...

事実 - 2001年07月13日(金)

君の体温と鼓動を同時に耳で感じていました
夢だといわれても
事実といわれても
疑うことさえできないほど
時は加速し通り過ぎていきました

手のひらで受け止めた君の背中ににじむ汗は
私の知らなかったサラサラとした感触を残して
蒸発していきました

狭い音もない空間で
実際それはあったのです


...

警告 - 2001年07月08日(日)

君のその
とんでもないカンチガイのせいで
のどがカラカラに乾いてるよ

未だに
巨大なミステリーだね
君の世界


あたしには
とても暴けない


あたしより早くあたしを忘れたいだなんて
どこで覚えたジョークかしらね

強がる君には
勝てないよずっと

ある晴れた午後に
確信したけれど


愛してるよ今でも


だから早く
忘れてしまいなさい

許してあげるから



...

自由 - 2001年07月03日(火)

灯りの見えない恐怖
一瞬だけ蘇る恍惚
時間と共存する世界

全て同義であれば僕達は身動きがとれなくなってしまう


明日見るはずの夢
過去で泣いた現存の記憶
今抱え持つ秩序

いつかなくしてしまうことを知っているから今僕は居る


自由という脅威の中で
見て見ぬ振りをくり返したまま
誰だって仕方なく笑ってみせる


僕達はみんな
悲しみの中で生きているね





...




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