昨日・今日・明日
壱カ月昨日明日


2004年03月31日(水) 不満

 3月最後の日。
 今は仕事も落ち着いていて、午後から神戸で打ち合わせがひとつ入っているだけで他には急ぎの案件もないし、外は穏やかないい天気だし、今日こそ神戸の帰りに会社をさぼって野球でも見に行こうではないか、とひとり盛り上がっていたのだが、その打ち合わせが鬼門であった。悄然として会社に帰り、黙々と書類をこしらえる。人生はままならぬ。

 残業してとぼとぼ帰る。ちょっと喫茶店に寄り道して「女であること」を読了した。とうとう最後まで登場人物の誰にも感情移入できなかった。どこをどう楽しんでいいのかわからん。まあこんなこともあるか。

 夜、友人より電話あり。絶対断ってほしくない頼みがある、と言う。何だそれ。聞けばある飲み会に来てほしいらしい。何か合コンみたいなものみたい。イヤだ。とてもイヤだ。断りたい。が、私は気が弱いので情に流されて承諾してしまった。義理にしばられているという感じがする。その後、ここにはとても書けない放送禁止話を30分くらいして電話を切る。
 また頭痛の種が増えた。

 電話の後、ひとりでビールを飲みながら、音声を消したままサッカーを見た。…。
 陰陰滅滅とした気分で、本も読まずに布団をかぶって寝る。

・購入物:なし

・朝食:昨夜の夕食と全く同じもの3品、梅干、ご飯
 昼食:ベーコンチーズパン、グリーンサラダ、ゆで卵、珈琲
 夕食:鶏の唐揚げ、キャベツとシソのサラダ、豆腐と長ネギの味噌汁、ムカゴご飯


2004年03月30日(火) 陶器

 Nさんに本日厚生年金会館で行われる「ディボース・ショウ」の試写会招待状をもらっていたのだが、18時半に四ツ橋、というのはちょっと無理だなあ、と思っていたら、やっぱり仕事がおして行けなかった。残念。
 
 そのかわりというわけでもないけど、セール中の器屋さんで砥部焼の小鉢と伊万里の皿、それと蕎麦猪口を買った。洋服や靴やバッグはいつも即断即決で買うのだが、食器の類を選ぶ時は絵柄がどうの、形がどうの、使い勝手がどうの、ととても悩んでしまう。結局1時間近くかかってしまった。
 午後遅くから雨が本降りになってきた。器の入ったずっしり重い紙袋を抱えてバスで帰る。車内では川端康成の「女であること」を読む。あんまり面白くないぞ。登場人物がどことなく鬱陶しい。バス酔いしてきたので途中で読むのを止め、少し眠る。

 夜はTが買ってきた「en-taxi」の最新号を読んだ。
 Tは、4月からは職場が変わるので(今までは書店員だった)、もう一割引の恩恵も受けられなくなるし、店頭発売前に本や雑誌を買ってきてもらえなくなる。それらのことはごく些細なことなのだが、こうしていろんなことが少しづつ変わっていくのだと思うと、ちょっと感じ入るところがあるというかなんというか。きっとすぐ慣れてしまって、当たり前になってしまうことだとわかっているんだけど。
 まあ何にしても、割引がきかなくなるのは憂うべきことだ。

 寝る前に久しぶりに「ルグランジャズ」を聴いた。ミシェル・ルグランはセンスが良くて、アレンジが上手くて、それに何より男前なところ(但し若い時)が好きだ。

・購入物:伊万里の皿2枚、砥部焼の小鉢、蕎麦猪口それぞれ2つと大鉢
     買いすぎか?

・朝食:はちみつトースト、ブルーベリーヨーグルト、珈琲
 昼食:梅おにぎり、ほうれん草の味噌汁、バナナ
 夕食:鶏肉と玉ねぎの煮込み、いんげんのゴマ和え、冷奴、ご飯


2004年03月29日(月) 春宵

 パンダと温泉に入っている夢を見て目覚める。詳細は忘れたが、実にシュールな夢だったなあ、もう一度見てみたい。
 時刻は午前4時半。いくらなんでも早起きすぎるが二度寝するとろくなことにならないのでそのまま起きる。日記を書いて、また「天才バカボン」を読んでしまった。赤塚不二夫万歳。しかしこれを読むと、働くのがバカバカしくなってくるのが難点ではある。

 午後から、このところ月曜日の恒例行事になっている、Kさんと打ち合わせ。ことごとく会話がかみ合わぬ。疲労困憊。でも仕事でもなけりゃ絶対交流しない人であることは間違いないし、これも貴重な経験だ。
 Kさんを見ていると、この人はたぶん、人生は退屈だなあ、などと思ったことはないだろうと思う。

 少しだけ残業してまっすぐ帰る。日が沈んでもナマあたたかくて、もうすっかり春だ。帰宅途中の大川沿いにも、夜桜見物の人がちらほらいた。みんな桜が好きだな。桜にかこつけて飲んだり食べたり騒いだりするのが好きなのかな。

 夜は戸川秋骨の「人物肖像集」を最後まで読む。戸川秋骨の随筆を読んでからというもの漱石の小説を読み返したくてたまらず、本棚の明治文学コーナーを探したのだが数冊しか見つからない。母親に貸していることを思い出し返却の督促電話しようとしたが、ハイテンションの長電話になるのが恐ろしく断念した。「彼岸過迄」読みたいよう。

・購入物:なし

・朝食:トースト、ヨーグルト、バナナ、珈琲
 昼食:わかめうどん
 夕食:豚肉と春キャベツのウスターソース炒め目玉焼き付、ニラのおひたし、トマトサラダ、ご飯


2004年03月28日(日) 情趣

 図書館からの電話で起こされる。予約されている「森有正先生のこと」が届いているので取りに来て下さい、とのこと。そんな本予約してたっけかなあ、と思いつつ、はあい、と返事をしておく。時計を見たら午前10時。寝過ぎだ。

 午後からはとろとろと阪急電車に乗って、御影の香雪美術館へ「小倉遊亀展」を観に行った。香雪美術館は初めて行ったが、小さいながらも落ち着いた佇まいで、鳥がピチピチ鳴いている林に囲まれた手入れの行き届いたお庭もいい感じで、とても居心地がよかった。
 小倉遊亀の人物画は、子どもにしても女性にしても、品があって凛としていて、それに加えて気が強そうなところが何とも好きだ。顔や体の線はいたってシンプルに描いてあるのに、着物の柄やコップやテーブルクロス、ラジオなど小物はかなり精密に描きこんであって、観ていて飽きない。
 展示数は少ないけれども、一点一点じっくり観ていたのでけっこう長居してしまった。
 場内は圧倒的にご年輩の女性が多い。「これ百歳の時に描きはったんやて、えらいもんやなあ。あやかりたい、あやかりたい」と言って絵に向かって手を合わせているおばあちゃんもいて、絵は人それぞれ、どんな風に観たっていいんだなあ、と思った。

 清々しい絵を見た後は、三分咲きくらいの桜を眺めながら駅まで歩き、大阪まで戻る。御影とはうってかわってごちゃごちゃと汚い街だなあ。でもこの猥雑さもすごく好きなのだが。
 元・東映パラス前で、久しぶりにビッグイシューを買った。表紙のダイドって一体誰だ?ダメだ、ついていってないなあ。
 珈琲館でエスプレッソを飲みながら戸川秋骨などを読み、ひと休みしてから帰る。快晴の日曜日、なかなか良い一日だったような。

・購入物:ビッグイシュー第6号

・朝食:トースト、スクランブルエッグ、珈琲、バナナ
 昼食:外食、みやこ(牛とじ丼、味噌汁)
 夕食:鯖の味噌煮、冷や奴、油揚げの網焼き(しょうが醤油かけ)、海苔の佃煮、ご飯、麦酒


2004年03月27日(土) 地味

 午前10時起床。よく寝たなあ。天気は晴れ、風はほとんどない。ベランダから子ども達がキャッチボールをしているのをしばらく眺める。
 
 洗濯機をまわしている間に、お惣菜を2品作る。これで冷蔵庫の野菜室はほぼ空っぽになった。料理中はずっと落語を聴いていた。枝雀の「代書」と「いらちの愛宕参り」と「鴻池の犬」。基本に立ち返ってるなあ。
 玄関周辺の拭き掃除をしていたらマンションのセールスみたいなのが来た。新築分譲マンションが二千万円とか三千万円とか、チラシを見せながら一生懸命説明してくれるので、興味関心皆無のくせにフンフンと聞く。二千円だったら考えないでもないけどなあ。「万」がついてたんでは手も足も出ませんわ。お引き取りいただく。

 ザッと掃除機をかけて日記を書いてから、手当たり次第読書。木山捷平と島村利正の短編いくつかと、なぜか「吾輩は猫である」を100ページくらいまでと、「天才バカボン」の10巻から14巻まで読んだら、とっぷり日が暮れてしまった。時間を失った、という感じがする。
 食料の買い出しに行ったついでに、近所の本屋さんで「図書」の4月号をもらってくる。PR誌大好きだ。堀江敏幸と小池昌代の文章を熟読した。

 夜は「旅芸人の記録」のdisc1をまた冒頭から観た。これではいつまでたっても話が前に進まないんだけど、吸い寄せられるように同じシーンばかりくり返して観てしまう。どこを切り取っても、すべてが一枚の絵画のようだ。アンゲロプロスは本当にすごい。

・購入物:なし

・朝、昼食:人参と牛蒡のキンピラ、ひじきと大豆の煮物、卵焼き、ご飯
 夕食:きのこ(しめじ、エリンギ、まいたけ、エノキ、椎茸)の和風パスタ、サツマイモの味噌汁、麦酒


2004年03月26日(金) 憂鬱

 夜更かししたため寝坊。時計を見たら8時を過ぎており、思わず我が目を疑った。寝不足のためか終日頭の中がボヤボヤしていた。まあ、それはいつものことだけど。

 仕事はヒマだし、みんな外出してしまっていて部屋には私一人だし、外はポカポカいい天気だし、ああこのまま寝てしまいそう、と思っていたらMさんがやって来たのでしばし雑談する。
 Mさんは週末にテニスやサッカーやゴルフをやったり、人を集めてバーベキューやキャンプをしたりと何かと活動的な人で、いろんな計画を練っては誘ってくれるんだけど、私は団体行動が苦手なのでいつも逃げてばかりいる。来週も、花見とカラオケとボーリングという死んでも行きたくないプログラムの会が行われるらしく、「おいでよ、ストレス解消になるよ」とさかんに誘われたのだが、ストレスなんてたまってないのでいいです、と言って断った。悪いと思うし、わかってもらいにくいと思うんだけど、みんなで楽しくワイワイやる、という方が私にとってはずっとずっとストレスの原因になるのだ。世間の人が楽しいと感じることを、私はほとんど受け入れられない。
 Mさんが帰った後、何となく落ち込む。

 帰りに堂島のジュンク堂へ寄って、「ちくま」と「波」をもらう。それから岩野泡鳴についての文章が収録されていたので読みたくなって戸川秋骨の随筆選集を買った。私は岩野泡鳴ファンなんだろうか、もしかして。信じたくないけどどうもそうみたいだなあ。

 Tが、誕生日プレゼントとして「エルミタージュ幻想」のDVDを買ってくれたので、夜中に焼酎をちびちび飲みながら観た。恍惚のため息。 

・購入物:坪内祐三編「戸川秋骨人物肖像集」(みすず書房)

・朝食:バナナ、珈琲
 昼食:チーズカレーパン、ポテトサラダ、ミルクティ
 夕食:茄子とトマトのパスタ、ベビーリーフのサラダ、ガーリックトースト、麦酒


2004年03月25日(木) 祝賀

 特に差し迫った案件があるというわけではないのだが、何となく会社にいるのが嫌になったので、打ち合わせと称して午後から神戸までとろとろと外出した。
 
 阪神電車で大阪まで帰って来る時、甲子園で途中下車して野球を見ようかな、とふと考える。私はひとりでボーッと外野席で野球を見るのがとても好きで、そして野球を見ながら本を読むのも好きで、しかも学校や会社をサボって見るというのがさらに好きなのだ。でも雨が降りそうな空模様だったので、今日のところは諦める。
 梅田に着いたら、やっぱりポツポツ降ってきた。

 夜は、友人に誘われて飲みに行った。そういえば今日は私の誕生日なんだった。ということは、島村利正の誕生日でもあるんだなあ、まあ関係ないけどさ。
 お祝いということで、麦酒一杯奢ってもらった。お互い風邪をひいていて万全な体調でなかったせいか今日は飲むペースがさほど上がらず。よかったよかった。より良い人間関係を築くのはホントに難しいなあ、というような話や、相当矛盾してるのに自分だけは正しいと思ってる人って多いよなあ、というような話をベラベラと午前0時まで喋り、終電で帰る。雨はまだ降っていた。

 アンリ・トロワイヤの「石、紙、鋏」がなかなか面白かったので、こういう心理小説がもっと読みたいなあと思って本棚を探索していると、グレアム・グリーンの「情事の終わり」が奥から出てきて、ペラペラと読み始めたらやめられなくなって、あっという間に午前4時くらいになっていた。電気を消して就寝。

・購入物:なし

・朝食:トースト、ツナサラダ、ゆで卵、珈琲
 昼食:サツマイモとゴマのパン、ヨーグルト、ミルクティ
 夕食:居酒屋で(枝豆、中華サラダ、揚げだし豆腐、ソーセージ、するめの天ぷら、えのきポン酢、麦酒中ジョッキ6杯か7杯)


2004年03月24日(水) 呆然

 雨。のろのろと起きる。午前6時。
 パスタが食べたくなって、食料庫を探してみるも買い置きが見つからず。ないとわかるといよいよ食べたい。いったんせり上がってきたパスタへの欲望は消えず、7時に開店するスーパーに、傘をさしていそいそと買いに行った。この熱心さが他のところに発揮されたら、私ももう少しましな人間になるのだが。

 地下鉄で出勤。車内ではアンリ・トロワイヤを読む。
 梅田に着いて阪急百貨店の前を歩いていたら、髪が腰の辺りまである満艦飾のセーターを着た女の人に、ここから天王寺までは歩いて行けますか、と呼び止められた。歩いて行けないこともないけど時間が少々かかりますよ、と言うと、どのくらいかかりますか、と聞くので、早足で歩いても1時間以上はかかるでしょうね(それに多分とても疲れるでしょうね、と思ったがそれは言わなかった)と答えたところ、それはアナタ歩けるとは言わないわよっ、とえらく怒られてびっくりした。わたくし何か間違ったこと言ったんでしょうか。
 御堂筋線の場所を教えたら、髪の毛を振り乱して走って行ってしまった。世の中にはいろんな人がいるなあ。

 夜は、昨日に引き続き「旅芸人の記録」を、また冒頭から観る。何度観ても素晴らしい。disc1だけ観て、今日の上映は終了。
 頼んで送ってもらったこのプレステは貰っておいてもいいそうなので、これからどんどんDVDを買おう、まずタルコフスキーと桂枝雀のディスクは絶対買おう、と夢は膨らむ。これでまた大散財への道をひた走ることになるだろうけれども、その分せっせと働くのでまあいいか。布団にくるまりヌクヌクと眠る。

・購入物:なし

・朝食:ブロッコリーとベーコンのパスタ、カリフラワーとジャガイモの温サラダ、レーズンパン、珈琲
 昼食:お弁当(朝食の残りのサラダ、ゆで卵、ほうれん草のおひたし、ちりめん山椒、ご飯)
 夕食:豚肉とコンニャクと九条ネギの煮込み、ワカメの味噌汁、春菊のゴマ和え、ご飯、麦酒


2004年03月23日(火) 待望

 午前6時起床。今日は晴れるみたいなので、思い切ってシーツを洗濯し、外に干して出かける。にわか雨など降らないことを祈るのみ。

 午後1時半から夕方の5時まで会議。疲れた。さして重要な事でもないのに、何でこんなに時間をかけるんだろう。会議が長い会社は潰れるぞ、と私は思う。
 雑用を片付け、取引先に寄ってそのまま帰る。久しぶりに茶屋町付近を通りかかったので、ふらりと「かっぱ」の萬字屋書店をのぞいてみた。ここの文庫の棚はけっこう動きが激しいので、ちょこちょこ見ておかなくてはならないのだ。今日は(いつもだけど)持ち金不足のため、一冊のみ購入。あとは涙をのんで我慢する。後ろ髪をひかれる思いだけど、人間あきらめが肝心だ。
 自転車で南森町までまわって、これまた久しぶりに中村屋でコロッケを買った。相変わらず列が出来ていて、商売繁盛のご様子、誠にうらやましい。コロッケだけのつもりだったのに、前に並んでいたオジサンが揚げてもらっているのが何とも美味しそうで、つい口が滑ってミンチカツまで頼んでしまった。反省。

 晩ご飯を食べていたら宅急便でプレステが届いたので、後片付けもそこそこに早速テレビに接続した。待つこと数日、やっとアンゲロプロスの映画を観ることができ、これぞ感激の極みというやつである。
 「旅芸人の記録」の冒頭から、アガメムノンが1922年の希土戦争での体験について汽車の中で長い独白をするところまで観た。胸がつまってくるけれど、このシーン好きだなあ。
 「1936年の日々」も少しだけ観た。幻のように思っていたこの映画を、こうして家で観られるようになるなんて、全くすごいことだと思う。

・購入物:長谷川四郎「ベルリン1960」(講談社文芸文庫)古書

・朝食:お粥、梅干、大根の漬物
 昼食:ミルクフランス、カマンベールチーズ、ミルクティ
 夕食:コロッケ、ミンチカツ、ほうれん草のおひたし、長いものサラダ、ご飯、麦酒


2004年03月22日(月) 忍耐

 一日中、シトシトと雨が降る。おまけに風も強くて冷たいので、歩くのが辛い。先日よりずっと風邪をひいているので(書くの忘れてた)、寒いのはけっこう体にこたえる。

 午後からKさんと打ち合わせ。Kさんは神経質で細かくキッチリキチキチした人で、話をすると非常に疲れる。でもKさんのほうでも出来れば私とは仕事をしたくないと思っているはずで、それが態度言動の端々に如実に表れるのが見ていて面白い。
 今日も打ち合わせの最後に、フクダさんももう少し慎重さがあればいいんだけれど、とため息をつかれてしまった。Kさんからすれば、私は「軽率」と「大雑把」が服着て歩いているように見えるんだろうなあ、まあその通りなんだけど、アハハ。もう少しの我慢なので、そう嫌がらずに付き合ってほしいと思う。

 バスで帰る。雨のせいか車内はひどく混んでいて、最寄のバス停に着くまでとうとう座れなかった。吊革につかまって木山捷平の「角帯兵児帯」を読む。楽し。

 山之口獏の詩集を読んでいたら急に聴きたくなって、本日の料理のBGMは高田渡。朴訥さがいいなあ。木山捷平にもどこか通じるところがあるような。
 
 夜は、昨日できなかった本棚の整理をする。片付けても片付けても本があふれ出てきて、もうほとんど賽の河原状態だ。どのように収めてよいかわからなくなり、途中で投げ出して寝てしまった。午前0時すぎ就寝。

・購入物:なし

・朝食:トースト、目玉焼き、リンゴジャム、珈琲
 昼食:お弁当(ミートボール、いんげんのゴマ和え、梅干、ちりめん山椒、ご飯)
 夕食:豚ニラのニンニク炒め、カブと油揚げの味噌汁、トマトサラダ、ご飯、麦酒


2004年03月21日(日) 春眠

 昨夜は妙に眠くて22時頃就寝。そのせいか今朝は5時前に目が覚める。おお、今日は一日が長いかも。

 日記を書きながら、サツマイモを蒸し器でふかす。朝刊を読みながら朝ご飯。いかりや長介が亡くなったとは、大ショック。こないだやってたドラマに出演されていたのをチラッと観たけど、声が出てなくてしんどそうだったので心配してたのだ。残念。
 気分はブルーのまま、洗濯と台所の掃除。シンクの隅をゴキブリの子どもみたいなのがコソコソと歩いていたのを見たような気がするけど、あれは何だったんだろう。とりあえず、見なかったことにしよう。
 洗濯を干して、書斎(即ち押入)にこもって読書。山之口貘の随筆と十返肇の『「文壇」崩壊論』、それからアンゲロプロスのブックレットなどを読んでいたら再び眠気に襲われて昼すぎまでコンコンと眠る。押入の中は熟睡できるなあ。

 午後は京橋と天満橋まで外出。京橋の洋食屋さんで昼食を食べてから、テクテクと松坂屋まで歩く。ジュンクで「草思」を読んで気になっていたアンリ・トロワイヤの作品集の中から一冊購入。面白かったらあと二冊も買おう。
 地下で豆腐と、アンデルセンで食パンを買って帰宅。

 久々にサザエさんなど見ながら、得体の知れないお好み焼きのようなものをこしらえる。夕食の後は日曜美術館を見ながらウトウト居眠り。番組が終わる頃また復活し、アンリ・トロワイヤを読み始めた。でももう限界、おやすみなさい。(なんだかんだで、寝たり起きたりの一日だったような) 

・購入物:アンリ・トロワイヤ「石、紙、鋏」(草思社)

・朝食:ふかしサツマイモ、珈琲
 昼食:外食、かめや(ハンバーグ、サラダ、ご飯)
 夕食:ネギと長芋と卵と小麦粉とだし汁を適量混ぜて焼いたもの(これに醤油をぬってカツオをかけて食べる。余りものの野菜で作ったものの、何という料理名をつけてよいかわからない。あ、「ネギ焼き」でいいのかな)、冷や奴、麦酒


2004年03月20日(土) 墓参

 早起きして、実家へ帰る。今日は天気も悪そうでけっこう寒いし、桜にもまだ早いのに、京都行きの電車はパンパンのギュウギュウに混んでいた。
 
 母とともにお墓参りに行く。オレの車禁煙やからな、絶対吸うなよ、と5回くらい言い聞かされて、弟の車を借りる。相変わらずいちいちうるさい男だ。
 昨日「ヴァイブレータ」を観て、久しぶりに私も車を運転したいなあ、と思ったことが、まあ早々に実現したわけだけど、隣に乗ってるのがこのオバチャンではなあ。
 母は助手席で何やかやと賑やかに喋り通し。私にしては珍しく、おしゃれなジャケット着てるやん、と褒めてみたところ、こんなもの何十年前のもんだ、そうそう思い出したこれはアンタが高校を停学になった時学校に謝りに行くのにちゃんとした服がないから買ったという苦い思い出のジャケットなんだった、そもそもあの停学は云々と、ギャアスカとまくし立てられて、要らぬお世辞を言ったもんだと後悔した。

 お墓参りの途中から雨が降ってきた。気温も下がってきたようでかなり寒い。急いで車に乗って宇治まで戻り、駅前で回転寿司を食べて、茶団子を買って帰った。

 実家で少しのんびりしてから、大阪へ。さすがに少々不便を感じるようになってきたので、梅田の携帯電話屋へ行って電話を調達する。
 その後、ふらりふらりとヨドバシカメラに入っていき、ふらりふらりとカードを使ってテオ・アンゲロプロスのDVDを買ってしまった。「旅芸人の記録」「1936年の日々」「狩人」の現代史三部作。う、嬉しい。
 買ったはいいが、家にはDVDプレーヤーがないので、ブックレットとリーフレットを読むことと、しげしげと外観を眺めることしかできない。このままでははっきり言ってバカなので、Tの実家に電話して、使っていないプレステを送ってもらうことにする。早く観たいよう。

・購入物:テオ・アンゲロプロス全集1(紀伊国屋書店)

・朝食:牛蒡のきんぴら、長ネギの味噌汁、漬物、ご飯
 昼食:外食、函館市場(回転寿司5皿)
 夕食:豚ヒレ肉の梅焼き、キャベツのスープ、ほうれん草のおひたし、ご飯


2004年03月19日(金) 財布

 今週は仕事も一段落し、総体的にヒマな一週間であった。今日も夕方になって特にやることもやる気もなくなったので、とっとと会社を出る。

 まずナビオに行って6階(5階だったかな)のアンティークショップで、先日映画を観る前に目をつけておいたイギリス製のカップとソーサーを買った。店のお姉さんの、限定品なのでお値打ちものですよ、人気があるからすぐ売れてしまうんです、という言葉が、ウソくさいとは思ってはいても財布のヒモをゆるめさせてしまう。寄り切って店員さんの勝ち。

 その後御堂筋線で動物園前まで行き、シネフェスタで「ヴァイブレータ」を観た。
 お伽噺。ファンタジーは苦手だけど、この手の撮り方には弱くて、地味ながらも佳品だと思った。映画の後女の子たちが、あんな優しい男が実際にいるわけないよなあ、と言っていたけど、そうでもない、人を見る目さえあればめぐり会うこともあるかもしれない、と思った。多分それは奇跡みたいなもんだけど、人との出会いはみんな奇跡だし、奇跡は自らがおこすもんだからなあ。
 寺島しのぶは「赤目」よりこの役のほうがはまっている。

 映画館の外は荒涼としたフェスティバルゲート。2,3人しか乗っていないジェットコースターが走っている。寂れた遊園地は大抵郷愁をそそるもんだけど、ここにはそれが全くない。

 梅田に戻り自転車に乗って、天神橋筋商店街でうどんを食べて帰る。
 夜は、「ミュゼ」を熟読、テオ・アンゲロプロスのDVDを買う甲斐性があるかどうか、財布の中身と相談し、途方に暮れる。

・購入物:カップとソーサー2客

・朝食:ツナチーズトースト、珈琲、バナナ
 昼食:お弁当(牛蒡とコンニャクの炊き合わせなど昨夜の残り、ご飯)
 夕食:外食、めん家(かけうどん、野菜かきあげ、ちくわ天) 


2004年03月18日(木) 減退

 喉の痛みはとれたものの、今度は食欲がなくなった。朝食のために焼いた、ルビアンの天然酵母食パンがうまく喉を通ってくれない。パンは半分であきらめて、ヨーグルトでごまかす。こんなことでは人生の楽しみ半減ではないか。

 お昼になっても食欲は回復せず、会社の冷蔵庫に残っていたトマトジュース1本飲んだだけ。Iちゃんに、トマトダイエットはじめたんですか、と言われる。ダイエットなど生まれてこのかたやったことがないし興味もないので知らないが、「トマトダイエット」なんて本当にあるのだろうか。

 帰りにふらっとジュンク堂に寄って、本を3冊購入。本を選んでいるとだんだんお腹が空いてきてふらふらしてきたので、バスに乗って早々に帰る。
 バスの中で「追憶の作家たち」の日野啓三の章を読んだ。日野啓三が「ストーカー」や「ノスタルジア」についての文章を書いていなかったら、ここまでタルコフスキーにはまらなかっただろうなあ、とぼんやり考えた。日野啓三がいなくなってしまったことが、今になってまた寂しくなってきたような気がする。

 サッカー見ながら夕食の支度。もし今日までも包丁で指を切るようなことがあったら私は真正馬鹿だが、まあ何とか無事であった。試合の結果を見届け満足して、平静な気持ちでご飯を食べた。
 晩ご飯はいつものごとく地味な献立ながら、お腹が空いていたのでしみじみ美味しかった。やっぱり空腹は一番のごちそうだなあ。
 
・購入物:宮田毬栄「追憶の作家たち」(文春新書)
     ホグベン「洞窟壁画から連載漫画へ」(岩波文庫)
     千葉俊二・坪内祐三編「日本近代文学評論選・昭和編」(岩波文庫)

・朝食:トースト、珈琲、バナナヨーグルト
 昼食:トマトジュース
 夕食:甘塩サンマ焼き、牛蒡とコンニャクのたき合わせ、人参とえのきの味噌汁、九条ネギとイカの酢味噌和え、ご飯


2004年03月17日(水) 不調

 起きたら喉が痛くなっていた。原因不明。アルミホイルを丸めたみたいなギザギザしたものが喉のあたりに詰っている感じがして、とても不快である。とにかくうがいをしておく。

 なんだか自転車をこぐ気持ちになれず地下鉄で出勤。車内で「草思」の4月号を隅から隅まで読んでしまった。数あるPR紙の中でも「草思」は1,2を争う面白さだと思う。

 定時に仕事を切り上げて、ナビオの8階で「ドッグヴィル」を観た。7時から10時過ぎまで、くだらん予告編を入れて3時間半弱の間、映画館にこもる。館内はひどく乾燥していて、喉の痛みが悪化した。
 「ドッグヴィル」は予想に反して何やら拍子抜けな映画だった。3時間ズルズルと引っ張って二コール・キッドマンをあれやこれやと悲惨な目に遭わせておきながら、事の発端はギャングの親子喧嘩なんかいな。ちょっとヒネリが足らんのじゃないかなあ。(あ、これはもしかして「ネタバレ」というやつかも知れません。ごめんね。)
 ラース・フォン・トリアーが映画の可能性について日夜考え続けているということはよくわかった。少なくとも前作よりは登場人物それぞれの存在に共振できたし、人間というものの描き方についても共感するところが多々あるので、これからも見守っていこうとは思う。

 帰宅後、再びうがいをして焼酎を一杯のんで、早々に寝る。

・購入物:なし

・朝食:カレーライス(昨夜の残り)
 昼食:サツマイモと胡麻のパン、メロンパン、ミルクティ
 夕食:外食、ナビオの古たんで(しょうゆラーメン、海老天)


2004年03月16日(火) 無念

 打ち合わせのため神戸へ行った。
 
 うららかな春の昼下がりに電車にゆられてウトウトするのはとろけるくらいいい気持ちで、このまま姫路まで行ってしまいたい、いや姫路までではあきたりない、岡山や広島やそのもっともっと先まで行ってしまいたいよう、と思うのだけど、結局は三宮で電車を降りるのだった。
 帰りは、わざと各駅停車に乗って大阪まで帰る。暇だなあ。車内では古山高麗雄「二十三の戦争短編小説」を読む。これを読んでいると、悲しみや怒り、驚きや可笑しさ、また虚しさややるせなさなど、自分でも持て余すほどのいろんな感情がこみ上げてきて、なかなか気持ちの整理がつかない。

 帰宅後、ガチャガチャとうるさい音声を消してサッカーを見ながら、晩ご飯の支度をする。スポーツを見ながら料理をすると怪我することが度々あるから気をつけなきゃなあ、と思ったその直後に、包丁で左手人差し指を切った。ホラミロ。生傷のたえない毎日だ。
 楽しい楽しいカレー作り。のはずだったんだけど、ペースト状のブイヨンにガラムマサラにブラックペッパーにチャツネ、にんにくとしょうがとりんごのすりおろしやトマトケチャップ、ウスターソースなど、思いつくまま放り込んだせいか何とも形容し難い味になってしまった。原因はさだかでないが、多分ガラムマサラの入れすぎだと思われる。無念である。

 「草思」4月号を熟読。山田宏一の連載「何が映画を走らせるのか?」は『丹下左膳余話・百萬両の壺』のことについてだった。この度発見されたという「幻の17秒」を見るためにも、いよいよDVDレコーダーを買わねばならぬと決心する。

・購入物:なし

・朝食:トースト、蒸しキャベツのサラダ、りんごジャム、デコポン、珈琲
 昼食:お弁当(ほうれん草のおひたし、塩鮭、コンニャクのピリカラいため、ちりめん山椒、ご飯)
 夕食:ビーフと野菜のカレー、トマトサラダ、麦酒
 


 
 


2004年03月15日(月) 翻弄

 お仕事に行く。あーあ。
 
 旅行から無事帰還したNさんが今日から出社。先週は穏やかな一週間であったが、今日からまた隣でギャアギャア何かとやかましい。まあ賑やかでいいけど。アンタは甘いものを食べへんから何買うてきたらいいかわからんねん、と言って、ビーフジャーキーみたいなものをお土産にくれた。
 お昼休み、Nさんは先週分の読売新聞朝刊を抱えてきて、渡辺淳一の連載小説を熱心に通読した後、読めば読むほどアホな小説やなあ、と感嘆しきり。渡辺淳一って何考えてんの?、と私に問いかけてくるのだが、そんなことはこっちが聞きたいわい。

 無印良品に寄って靴下とキャミソールを買って帰宅。スカタライツを聴きながらセリを茹でていたら宅急便がきた。母親からの荷物で、中身はフライパン。どうやら誕生日プレゼントみたい。なんでも中国の北京料理か、四川料理か、広東料理のシェフが、考案か厳選か愛用かしているというフライパンらしい(結局何にもわかってない)。
 とりあえずお礼を、と思い実家に電話する。母が出てきてすぐ、「キューちゃんアカンかったねっ」と言うので一瞬何のことかわからなかった。それからは母の独壇場で、まあ喋ること喋ること、フライパンのことを言い出すまでに15分は一人で喋っていた。我が母親ながらこのテンションの高さにはどうもついて行き難いものがある。

 毎日新聞の書評に「おいてけぼり」載ってたなあ。海老原喜之助の「ポアソニエール」も載ってたなあ。カラーだったらもっと良かったんだけど、贅沢は言うまい。夜は心静かに、「気まぐれ美術館」をところどころ読み直す。

・購入物:無印良品でごちゃごちゃと

・朝食:トースト、ツナサラダ、りんごジャム、珈琲
 昼食:お弁当(牛肉の甘辛炒め、トマト、レタス、ちりめん山椒、ご飯)
 夕食:大根と人参の豚肉巻き、セリのゴマ和え、冷奴、ちりめん山椒、ご飯

 
 


2004年03月14日(日) 倦怠

 体調不良につき、ほとんど一日中家にこもる。ダルイ。
 空はすみからすみまですっきり晴れていて、いかにもお出かけ日和、という感じなのに、何をする気も起こらないのは一体どういうわけだろう。

 本日主におこなったこと。
 昨日に引き続き洗濯と布団干し。「ミツバチのささやき」と「猫と庄造とふたりの女」をビデオを観た。古山高麗雄の短編4編を読んだ。アジェの写真集をジッと眺めた(これはものすごく時間がかかった)、それから昼ご飯にたこ焼きを焼いてビールをグビグビ飲んで昼寝をした。それから5月に行われる桂吉朝独演会(楽しみだ!)のチケットを取った。

 昼寝から目を覚ましたらTがまた部屋の模様替えをやっていて、リビングのあちらこちらにビデオテープやCDが山と積まれているのと、テレビとビデオとレーザーディスクとコンポとレコードプレーヤーのコードが蛇のように絡まっているのを見て、頭がクラクラしてきた。手伝うのがイヤなので近所のスーパーに買物行くふりをして逃げる。
 何の用事があるのか知らないけれど(多分買物だろうけど)、スーパーは家族連れでいっぱいで、これもまた疲れた。パン屋さんで「全品100円均一!」と張り紙がしてあったので食パン一斤レジに持っていったら、これは250円です、と言われて頭にきた。それなら全品100円などと書くな。

 夜は少しだけサッカーを見た。がっくし。

・購入物:なし

・朝食:豚肉とコスレタスの炒め物、長ネギの味噌汁、ちりめん山椒、ご飯
 昼食:たこ焼き、麦酒
 夕食:細巻寿司(ネギトロ、マグロ、海老マヨネーズ、キュウリ、うなキュウ)、キャベツの塩やきそば、麦酒

 


2004年03月13日(土) 断髪

 午前9時起床。もっと早く起きるつもりだったのに無念なり。今週は朝のラジオを聞き損なった。
 これも昨夜「あの日この日」を読み出して、ついつい夢中になってしまいすっかり夜更かししたせいだ。山田稔の真似をして一日50ページづつ読んでいくつもりだったのに、あまりの面白さに引きずられて、気がついたら100ページ近くまで進んでしまっていた。

 すっきり晴れているので、洗濯をして布団を干す。それから部屋の掃除と本棚の整理。ヒマがあったら本棚の整理をしているような気がするなあ。だいたい片づけた後、ご飯を食べて、日記を書いて、布団を取り入れてから、髪を切りに行く。2ヶ月半ぶり。
 髪をのばすつもりである旨を美容師に伝えたところ、似合わないから止めたほうがいい、と言われ、そんなことない結構似合うよ、と反論してみたのだが、いいや絶対似合わない、と断言されて急に自信がなくなり、結局美容師のやりたいようにさせてしまった。別にいいけどさ。
 夏になったらはなちゃんみたいなベリーショートにしようよ、と美容師は明るく言うのだが、本当のところは私の頭を使って自分のカットの腕を試したいだけなんじゃないのか?もう何でも好きにしてくれ、と投げやりな気分でシャンプーを買って店を出た。

 せっかく出てきたついでに、とそのまま梅田まで行く。阪神百貨店のランコムでマスカラを買って、旭屋で「みすず」の3月号を購入。珈琲館にこもって山田稔の「シモーヌさん」を読み、激しく心をかき乱された。
 山田稔の文章を読む度、何一つ変わらないように思える繰り返しの日々だけど、やっぱり時間は流れてるんだなあといったような、至極当然な、でも普段は意識しないことにふと気付かされて、ちょっと泣きたくなる。

 ご飯を作るのが億劫になったので晩ご飯は外食。帰りに果物屋さんに寄ってイチゴを買った。春だなあ。

・購入物:「みすず3月号」(みすず書房)

・朝、昼食:トースト、ツナサラダ、りんごジャム、珈琲
 夕食:外食、ツボヤ(揚げワンタン)


2004年03月12日(金) 菓子

 朝、会社に行く前に図書館へ寄って本を返却する。まだ開館していないので返却ポストに入れるだけ。本が傷むといけないので袋にまとめてポストに滑り込ませる。まだ満足に読んでいない本もあるけれど、ひとまずさようなら。

 今日は映画を観に行くか、髪を切りに行きたいなあ、とぼんやり計画を練っていたのだが、会議が長引いて結局どちらにも行けず、トボトボと帰る。
 帰る前に、Tに頼まれていたお菓子を買うため、阪神百貨店に行った。何が嬉しくて私がホワイトデーのお返しなんか買わねばならんのだろう、なんでこんなはめになったのかようわからん。
 お菓子売場は老若男女がひしめき合っていて、歩きにくいこと甚だしい。よそ見をせずにさっさと歩け!、と心中で怒鳴ってみるが、ここはよそ見をしながらゆっくり歩く場所なんだから仕方ないか、と思い直す。選ぶのが面倒くさいので、アンテノールでクッキーの詰め合わせみたいなのを買う。
 それにしても、何故にチョコレート1個に対して280円とか320円とか、法外な値段がついているのか理解に苦しむ。チョコレート1個で古本が3冊買えるじゃないか、バカバカしい。

 夕食の後、昨日買った本をとっかえひっかえパラパラめくる。読みたいものがありすぎて、何を読んでいいかわからない。こんな時は織田作をと、もうところどころ暗誦できるくらいまでになっている「競馬」を一読。この小説を読むといつも、京都競馬場のことを思い出し、とても平静な気持ちではいられなくなる。
 その後一念発起して、尾崎一雄の「あの日この日」を読み始めた。

・購入物:なし

・朝食:焼きそばパン、トマト、珈琲
 昼食:お弁当(人参と牛蒡のキンピラ、トマト、卵焼き、いかなごのくぎ煮、ご飯)
 夕食:イワシと大根の生姜煮、ジャガイモとレタスのサラダ、キンピラの残り、水菜の漬物、ご飯

 


2004年03月11日(木) 感激

 昨日、自転車を会社に置いて帰ってきたので地下鉄で出勤。今にも雨が降り出しそうなので、傘も持っていく。電車では虫明亜呂無の続きを読む。

 午後から雨が降り始めて夜になってもまだ止まず、空気はナマ暖かくて、何だか気だるい一日だったけれど、今日は本を買う日と前々から決めていたので、終業後はウキウキ気分でジュンク堂へ行った。そして欲望のおもむくままにバカスカと買ってしまった。ちょっと反省。

 文芸文庫の棚のところで織田作の新刊をしみじみと眺める。「世相」も「競馬」も新潮文庫で読めるけど、こうしてあらためて一冊の本になってみると、感慨もまたひとしおだなあ。パラ、と読んでみた解説には宇野浩二の文章が引用してあって、それがまた素晴らしく、私が織田作について言いたい事はもうとっくのとっくの昔に宇野浩二が書いてくれてるんだ、とわかって涙が出るほど嬉しかった。

 というわけで、本を抱えて帰宅。家の留守電に図書館より、早く本を返却せよ、とのメッセージあり。ごめんなさい、と電話に向かって謝罪する。

・購入物:島尾伸三「東京〜奄美損なわれた時を求めて」(河出書房新社)
     山之口獏「山之口獏沖縄随想集」(平凡社ライブラリー)
     古山高麗男「二十三の戦争短編小説」(文春文庫)
     日夏耿之介「日夏耿之介文集」(ちくま学芸文庫)
     内田百けん「百鬼園俳句帖」(ちくま文庫)
     織田作之助「世相・競馬」(講談社文芸文庫)

・朝食:ブロッコリーと人参とジャガイモの温野菜サラダ、トマト、トースト、珈琲
 昼食:ミックスサンドイッチ、紅茶
 夕食:豚肉と大根の炒め煮、人参と牛蒡のキンピラ、いかなごのくぎ煮、水菜の漬物、ご飯


2004年03月10日(水) 接待

 昼休み、会社に友人より暗い声で電話があり、聞いてほしい話があると言うので、終業後近くの喫茶店で待ち合わせをした。
 
 7時頃店に行ったら友人はもう来ていて、世も末だというような顔をして珈琲をすすっていた。ある程度覚悟はしていたが、やっぱり話しながらシクシクと泣かれてしまい、女の涙に弱い私はどうしてよいかわからず。
 ご飯でも食べに行こう、と誘ってみたら、「お金ないの、しかも300円しかないの」と言われて、またまたどうしてよいかわからず。私がお金出すからさあ、と言いたいところだけれど(ホントは困るけど)、私も1500円くらいしか持ち合わせがなかった。哀しい2人。
 
 仕方がないので、私がご飯を作ってやるからウチの家においでよ、と言って自宅に連れ帰ることにした。何が食べたいのかと聞くと、ハンバーグと海老フライがいい、と言う。子どもか。しかも手間がかかるじゃないか。しかしこれも乗りかかった船だと思い、スーパーで買物をしてから早速取りかかる。ハンバーグを作るのは久しぶりで段取りがうまくつかめなかったことと、時間がなくて玉ねぎと人参とピーマンを炒めたものを充分に冷ませなかったのが反省事項ではあるが、味はおいしかった。
 友人はモリモリとご飯を2杯半も食べ、麦酒も飲んで、日付が変わる頃帰って行った。何が解決したというわけでもない数時間ではあったが、私にできることはこんなことくらいしかないのだ。

 何やら疲れたなあ。
 あ、昼間仕事で出かけた時、古本を買ったことを書くの忘れてた。こないだの色川孝子さんに続く、作家の妻シリーズ第二弾、芥川文「追想 芥川龍之介」を100円で。これを読んだらまた寂しい気持ちになるだろうなあ。 

・購入物:芥川文「追想 芥川龍之介」(中公文庫)古書

・朝食:ねぎそば、梅干、いかなごのくぎ煮、ご飯
 昼食:ポテトとチーズのピザ、メロンパン、ミルクティ
 夕食:ハンバーグ、海老フライ(スーパーの惣菜売り場で買ったもの)、キャベツサラダ、トマト、ご飯、麦酒


2004年03月09日(火) 小春

 ポカポカ陽気。風もさわやかで、これで仕事が休みだったら言うことないんだけど、まあ仕方ない。ここ数年は季節の移り変わりが極端で、買ったもののあんまり出番のなかったスプリングコートを引っ張り出して着る。

 今週からNさんが旅行に行ってお休みなので、無駄口をたたく相手もなく、ひたすら黙々と働く。珍しいことをすると肩が凝るな。疲れたので今日はさっさと定時に帰った。
 帰り際上司に呼び止められ、また何か怒られんのかしら、と身構えていたら、4月から給料が上がると聞いてびっくり仰天。私のこの懸命な仕事ぶりが評価されたのか?まあそれはないとしても下がるよりはいいので、すっかり気が大きくなってしまい、タワーでテオ・アンゲロプロスのDVDを予約してしまおうかな、と思ったが、今日のところはちょっと勇気がなくて止めておいた。

 映画の前売り券だけ買って帰宅。週末さぼった部屋の掃除をちょこっとだけして、カエターノ・ヴェローゾを聴きながら晩ご飯を作る。死ぬまでに一度でいいから、カエターノ・ヴェローゾのライブに行ってみたいもんだ。

 夜中に成瀬巳喜男の「乱れ雲」が放送されるのでビデオ予約しておく。加東大介も出てるし、楽しみ。
 それから虫明亜呂無「時さえ忘れて」の中から、競馬についての文章を読む。ジーン。いいなあ。いつまでも読んでいたいなあ。しかしこれは図書館の本であり、とっくの昔に返却期限が切れていると思われるので、もうそろそろお別れしなくてはならない。いつか古本屋さんで出会えるかな。

・購入物:なし

・朝食:ハムチーズトースト、ポテトサラダ、珈琲、蜜柑
 昼食:お弁当(牛肉のしぐれ煮、ポテトサラダ、レタス、いかなごの釘煮、玄米ご飯)
 夕食:にしんの唐揚げ、水餃子と人参とひらたけのスープ、ポテトサラダ(作りすぎ。なんぼなんでももう飽きた)、もずく、いかなごの釘煮、ご飯(玄米がなくなったので本日夕食より白ご飯)


2004年03月08日(月) 溜息

 午前7時30分起床。出勤まであと1時間と少ししかなくて、シャワーも浴びたいわたくしとしてはかなりヤバイ事態なんだけど、お腹が空いてどうにもたまらず、とりあえず朝ご飯をパクパクと食べる。
 それから大慌てで支度にかかる。服を取りに二階へ上がる時、階段で足を踏み外して右膝を擦りむいた。痛いよう。消毒などしているうちにどんどん時間がすぎて結局5分ほど遅刻してしまい、週明け早々やる気のなさを露呈することになった。怪我はするし、仕事には遅れるしで、もう踏んだり蹴ったりだ。

 残業して帰る。通りかかった東梅田駅のところで大学時代の男友達に会った。相変わらずパリッとしたスーツを着て、颯爽と歩いているから、遠くからでもすぐわかった。この人は昔からとにかくパリッとしていて、まあ所謂私の苦手なタイプなのだ。こういう陽の当たる大通りを両手をふって歩いているような人はちとしんどい。
 彼は、明日から東京出張なのだ、忙しくてかなわんなあ、というようなことを言って、ペラペラ自分の近況を喋り、2歳か3歳になる息子のことを話し、ウチの奴が退屈してるからまた遊びに来てやってくれヨ、と言って爽やかに去って行った。
 「ウチの奴」って誰のこと?なんで私が「ウチの奴」の退屈をまぎらわさねばならんのか全然わからん。またそのうちね、と言ってはみたが、多分アイツの家には行かないと思う。

 何となくまっすぐ帰りたくなくて、買い物のついでに近所の古本屋さんに寄った。100円均一ワゴンから「宿六・色川武大」を購入。午後4時頃焼きそばを食べ、午後7時に天ぷらとご飯を食べ、また午後12時に刺身とご飯、さらに真夜中にトマトシチューを食べるという、色川武大の大食漢ぶりを読んでいたら急にお腹が空いてきた。

 正座したら膝が痛い。つくづく自分はバカだと思う。

・購入物:色川孝子「宿六・色川武大」(文春文庫)古書

・朝食:トースト、ポテトサラダ、リンゴジャム、珈琲、蜜柑
 昼食:サツマイモのパン、グリーンサラダ、ミルクティ
 夕食:豚肉とニラと白ネギの炒めもの、ポテトサラダ、サニーレタスの和風サラダ、いかなごの釘煮、玄米ご飯


2004年03月07日(日) 充実

 どういうわけか、午前5時前に目が覚める。こんなに早起きできるとは、年をとった証拠かな。
 日記を書き終わった頃朝刊が届いたので珈琲をいれて新聞を読んでから、エリス・レジーナを聞きながらカレーとカブの煮物を作り、芽が出てしわくちゃになってきたジャガイモをなんとしても使い切らねばならぬため、大量のポテトサラダをこしらえた。
 ここまでやって午前9時。力尽きて昼前まで寝る。

 時折雪がちらつく寒さの中、午後からは所用のため江坂まで出かけた。
 せっかく江坂に来たからにはアソコへ行かねば、と北に向かってズンズン歩く。江坂でアソコと言えば天牛書店しかない。天牛書店の前に立つといつも、ここには私の探している本が必ずあるはず、と思って意気込んでしまう。フタを開けてみると、まあ特に何もなかった、という場合も多いのだけど、天牛の書棚を見ているとむくむくと期待がわいてくるのが不思議だ。
 1時間以上店内をめぐった後、欲しかった本が見つかったのでホクホクと嬉しい。「蝸牛庵訪問記」は380円で、今まで発見した中で最も安い。ああ、幸せ。
 坂を下って、クレヨンハウスで蜜柑と洗剤を買い、2階で紙芝居をチェックしてから、御堂筋線で難波へ行った。

 ジュンクの裏でうどんを食べて温もってから、難波のタワーでCDを物色するも目当てのものがなく、がっかり。どうも諦めきれず、心斎橋ならあるかもしれぬ、といそいそとアメ村まで移動する。ちらっと見た高島屋の前の温度計は2度を表示していた。どうりで寒いはずだよ。
 心斎橋のタワーで探していたパウリーニョ・ダ・ヴィラのサントラをめでたく発見。よかったよかった。閉店前のアンデルセンで食パンを買ってお家に帰った。
 なんだか充実の一日、だったような。

・購入物:吉田健一「シェイクスピア」(新潮文庫)
     小林勇「蝸牛庵訪問記」(岩波書店)
     映画パンフ「ディーバ」(CinemaRise)「エル・スール」(CineVivant) すべて古書
     Paulinho da viola「Meu Tempo e Hoje」

・朝、昼食:野菜カレーライス、かぶとひろうすの煮物、ポテトサラダ
 夕食:外食、田舎そば(煮込みうどん定食)


2004年03月06日(土) 春嵐

 昨夜はサッカーを見て満足して寝たのだが、明け方頃激しい雨風に起こされ、そのまま寝られなくなってしまった。風がビョーと吹く度、家全体がミシミシと音を立てる。何だか揺れているような気がして、このボロ家が今にもバラバラに壊れてしまうんじゃないかと不安になる。
 寝られないものは仕方がないので、日記を書いてから朝ご飯の支度。パンをかじりながら、そういや今日は仕事に行くんだったなあ、と思い出し(それまですっかり忘れていた)、途端にどんよりと泥のような気分になった。

 今日は得意先が催すイベントのお手伝い。部長のわけのわからん冗談にアハハと笑ったり、思ってもいないことを口走ったり、派手な着物を着た孔雀みたいなおばさまの相手をしたりして、朗らかに立ち働く。3ヶ月分くらいの愛想を今日一日で振りまいたような気がする。ひどく疲れた。

 体を引きずるようにして夕方頃帰宅。しばらく休んでから、録音しておいた「ウィークエンドサンシャイン」を聞きながら晩ご飯を作る。今日はブラジル音楽特集。また気になるCDがいっぱい出てきた。それにつけてもミルトン・ナシメントの「ミルトン」というアルバムはかっこいいなあ。

 夜は、本棚を眺めていてふと手に取ったシムノンの「メグレ激怒す」を読み始めたら引き込まれてしまって止められず、一気に読んでしまった。シムノンは上品でおしゃれで上手い。

・購入物:なし

・朝食:トースト、ジャガイモのホイル焼き、珈琲、バナナ
 昼食:仕出しお弁当(味の濃い筑前煮、脂っこいコロッケ、甘い卵焼、煮すぎた千切り大根の煮物、マヨネーズだらけのポテトサラダ、缶詰のみかん一個)
 夕食:天ぷら(たらの芽、マイタケ、玉ねぎと三つ葉、エビ、サツマイモ、カボチャ)、蓮根と大豆の煮物、もずく、水菜の漬物、玄米ご飯、麦酒
 


2004年03月05日(金) 演技

 午後からの会議で、先日私の考えた企画が通っちゃった。あらら。
 別に通らなくてもよかったのに、面倒くさ。自分で企画しておいてこんなこと言うのもナンだけど、そんなに良い案だとは思わないんだけどなあ。みんな一体何考えてんだろう。
 と心の中では思ったが表面上、ガンバリマース、というような態度をとっておく。ちゃんと張り切っているように見えたかな。まあ人がどう見ようと私の知ったこっちゃないけど。

 帰りにロフトで歯ブラシ、歯磨き粉、スポンジ、布巾数枚など日用品の買い物をした後、かっぱ横町の古本屋さんを何軒かのぞいて古本を数冊買った。古本を買うのは何でこんなに楽しいんだろう。
 喫茶店で本をひもときましょう、と思ってふらふら歩いているうち、急に映画が観たくなってきて、というか一人で暗闇の中に身を沈めたくなってきて、まわれ右してガーデンシネマへ行き、「25時」を観た。

 途中、少し冗長なところもあるけれど、ラストまでの30分くらいの展開はなかなかの迫力だ。特にフィリップ・シーモア・ホフマンがいい。この人はいつも上手い。
 ラストで、刑務所へ向かうエドワード・ノートンが夢想する、もしかしたらありえたかもしれない、でも多分ありえないもうひとつの人生のかたちは、自分の理想通りには生き方を選択できない人間の宿命を感じさせて切ない。

 帰宅してから、冷蔵庫にあるものででたらめな料理を作って、サッカーを観ながら食べた。 

・購入物:里見とん「桐畑」(岩波文庫)
     松原岩五郎「最暗黒の東京」(岩波文庫)
     サマセット・モーム「要約すると」(新潮文庫)
     堀江敏幸「雪沼とその周辺」(新潮社)   すべて古書

・朝食:きつねうどん
 昼食:お弁当(焼鮭、ほうれん草のおひたし、卵焼き、ちりめん山椒、玄米ご飯)
 夕食:豚キムチどんぶり、わけぎの酢味噌和え、水菜の漬物


2004年03月04日(木) 屈辱

 一日ぶりに会社に行ったら、また問題が起こっていた。仕事って、なかなかすんなりと進行してくれないもんだなあ。午前中はその対処に追われる。
 
 午後からはわりとヒマになったので、Nさんの仕事を手伝った。彼女の怒りはまだおさまっておらず、ストレスの塊のような顔をしている。私はアイツに頭を下げるんじゃない、金に頭を下げるのだ、と言って、机に突っ伏して悔しがっていた。屈辱に耐えるのも仕事のひとつなのか。

 今日はとても寒かった。3月になってまた季節が戻ったようだ。日差しはあっても風がとても冷たい。寒かったけれど何となく思い立って、お昼休みは公園でお弁当を食べた。横のベンチで鳩にエサをやっているおじさんに、美味しそうな弁当やなあ、とほめてもらって少しうれしい。
 鳩がパンをつついているのを眺めながら、人間があんなにたくさんの鳥を殺すようになるなんて人類はもうぼちぼち滅亡するだろうなと思った。

 晩ご飯を食べながら、「白い巨塔」を観る。
 法廷に入ってからの、手持ちカメラでの撮影は良かったな。それから、相当難しい役なのにそれをきっちり演じている佐々木蔵之介は、かなり演技が上手いと思う。

 夜は、多和田葉子「ヒナギクのお茶の場合」を読む。

・購入物:なし

・朝食:トースト、目玉焼き、ハム、珈琲
 昼食:お弁当(ちらし寿司、ほうれん草など昨夜の夕食の残り)
 夕食:豚肉とマイタケの炒め物、ジャガイモとブロッコリーのサラダ、ちりめん山椒、水菜の漬物、玄米ご飯
 


2004年03月03日(水) 代休

 今日は仕事を休む。今週は土曜日に出勤することになっているので、その代休。

 平日のお休みは久しぶりだから嬉しくて、あれこれ遊びの計画を練っていたのだが、朝起きてみると何やら全てが億劫でどうも出かける気になれず、部屋でダラダラ過ごしてしまった。
 
 本日主におこなったこと。
 洗濯、キッチンまわりの掃除、冷蔵庫と本棚の整理、ちらし寿司とほうれん草の辛子和えなどを作ってそれを食べることと、「多情多恨」の好きな部分を読み返すこと、それから日記を2日分書いて、文楽劇場に電話をして「義経千本桜」の席を予約した。

 「多情多恨」はびっくりするくらい素晴らしい小説で、森敦を信じて読んで良かった。たまには人を信じてみるもんだ。途中何度も何度も目がウルウルして、特に154ページから158ページまでの主人公と老女中の会話にはもう心の底から感動してしまって、尾崎紅葉を抱きしめたくなった。
 最愛の妻を亡くして嘆き悲しんでいた主人公が、それまでさんざん嫌っていた親友の妻に対し次第に心を開き、惹かれていくようになるまでの心理を描いているだけで、話らしい話は特にない。話はないけど、ゆるやかに流れる時間と人は変わることができるのだというささやかな希望が、この小説には確かにある。私にとってはそれだけで充分だ。
 だからといって次は「金色夜叉」を読む気には、うーん、ちょっとまだならないかな。

・購入物:なし

・朝、昼食:ポテトコロッケ、ふりかけ、ワカメの味噌汁(インスタント)、玄米ご飯
 夕食:ちらし寿司、ほうれん草の胡麻和え、セリのおひたし、豆腐の味噌汁
 
 


2004年03月02日(火) 趣味

 昨夜は久々に日付が変わらないうちに寝たので、今朝の目覚めはとてもさわやか。毎朝こうだといいんだけどな。リトルテンポをガンガン鳴らして、シャツにアイロンを当てる。

 午後からは来客の応対が立てこんだり、出口と答えのないクラーイ雰囲気の打ち合わせを行ったり、さらに夜は学生時代の友達が集まった女4人の飲み会まであったため、今日一日で実にたくさんの人に会い喋りまくった上、食べたり飲んだりして、なんだか疲れた。
 
 飲み会では、ゴルフを始めたとか、日本舞踊を舞い踊っているとか、週に5回はテニスサークルに通っているとか、彫金に凝っているとかいう、友人達の近況を聞く。こうして他人の活動的な日常生活の話を聞くと、自分にはこう、なんて言うか、人に話せるような趣味がないなあ、とつくづく思う。私の毎日なんて面白くもなんともないような気がする。
 私も何か始めてみようかなあ、と考えてみる。でもゴルフは嫌いだし(特にゴルフウェアがダサくて最悪)、日本舞踊は辛気くさいし、テニスサークルなんか死ぬほど面倒だし、彫金とかそういうのは手先が不器用だからダメだし、つらつら考えていくと、自分が何をしたいのか、何が出来るのか、何も出来ないのか、何だかよくわからなくなった。

 午前0時頃散会し、3人は終電で、私は自転車で帰る。今夜は地面の底からジンジン冷えていて自転車をこぐのが辛い。頭の中で、朝聴いていたリトルテンポのメロディーがグルグルとまわる。心が少し沈んでいるように思うけれど、気のせいかもしれない。
 帰ってお風呂に入った後、珈琲を飲みながら「多情多恨」を最後まで読んでしまった。午前4時前就寝。

・購入物:なし

・朝食:トースト、ツナサラダ、珈琲、バナナ
 昼食:お弁当(蓮根と牛蒡のキンピラ、ほうれん草のおひたし、卵焼き、カツオのふりかけ、玄米ご飯)
 夕食:梅田茶屋町の居酒屋(店名忘れた)で、豆腐と大根のサラダ、鶏ささみの胡麻サラダ、枝豆、スパイシーポテト、ししゃも、するめの天ぷら、麦酒中ジョッキ4杯


2004年03月01日(月) 一息

 寝坊した。身支度してゴミを出すだけで精一杯、満足に朝ご飯が食べられなんだ、不覚。

 今日は映画の日なのでスパイク・リーの「25時」を観に行きたいなあ、とお気楽に考えていたけれど、次から次へと仕事が押し寄せてきて、結局押し切られてしまい、終業時にはガーデンシネマまで歩いていく気力がなかった。くたびれた。でも何とか曲がりなりにも企画書を仕上げられたのでよかったかなあ。よかったと思うことにしよう。
 
 残業していたら、お得意先に行っていたNさんが烈火の如く怒って帰ってきた。「食用蛙みたいな顔しやがって、あのクソオヤジ!」とたいへんご立腹。これが馬ならニンジンでも与えてドウドウとなだめるところであるが、人間のバヤイにはどうしたらよいだろう。何もないので、先週おやつにもらって食べられなかった草餅をあげた。賞味期限が切れていたけど、それはまあ黙っておく。知らないほうが幸せなこともあるのだ。

 帰りに旭屋で「一冊の本」をもらう。最近、旭屋ではPR紙をもらうだけでほとんど買物しないので申し訳ないような気がして、少し店内をまわってみたが今日のところは何も買うものがなかった。
 
 夜は「多情多恨」の続きを読む。

・購入物:なし

・朝食:バナナ、珈琲
 昼食:きつねうどん、蜜柑
 夕食:鰯、蓮根と牛蒡のキンピラ、ニラとベビーリーフの和風サラダ、玄米ご飯


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