LOVE ME

2003年12月23日(火)  クリスマスプレゼント


これ以上ないくらいキレイに晴れた青空のもと
おたがいを探り合いながら歩くふたり。

歩きながら肩先が触れるたびに思う。
「手、つながないのかな?」

浅草を歩いて、その後、水上バスで隅田川をぐるっと周遊。
だんだんと夕闇に包まれていく下町の空気。
そこから一転、六本木ヒルズへ。
六本木へ向かう電車のなか、彼に寄りかかって眠ってしまった。

ヒルズでは人ごみにまぎれそうになってしまうわたし。
「ほら」とぶっきらぼうに手をさしのべてくれる彼。

東京タワーを正面に望むオープンエアのレストラン。
食事の途中、ふいにわたしのひざに投げ置かれた小さな紙袋。
そこには小さなベルのついた箱がひとつ。

生まれてはじめて、男の人からもらうクリスマスプレゼント。



2003年12月20日(土)  会わない決意


誘ってくれたイベントに行かないのには理由がある。

1.前回行ったときのイベントの年齢層が若かったから。
2.自分の居場所を見つけられなさそうだから。

そしてなによりも

3.今度会ったら本当に好きになっちゃいそうだから。

がむしゃらだったあの頃と変わらない
そのはにかんだような笑顔が忘れられない。

あなたのことが好きだった、あの頃。

いま会ってしまったら、
きっとわたしはあなたのことを好きになる。

あなたには会いたいけれど
会わないほうがいいんだよね。



2003年12月19日(金)  迷い


正直なところ、ときめきはあまりない。
けれど、出会ったときの予感が気にかかる。

「2人でいられればどこでもいいかも」

毎日届くメールに散りばめられる口説き文句。
どこまで本気なのかわからないけれど、くすぐったい。
男の人に想われることに慣れていないわたしは
どうしたらいいのかわからない。

あの人のことを好きかどうかなんてわからない。
引っかかるところはいくらでもある。
でも・・・。

イルミネーションが照らし出すのは街にあふれる恋人たち。
クリスマスという特別な季節が生み出す幻想。
その波にのってしまうのもアリかもしれない。

はじめてのデートまであと4日。



2003年12月14日(日)  最後の予感


ほんとはキスしてほしかった。
この前みたいにそっと抱きしめてほしかった。

あなたとこんなふうに会えるのは
今日が最後かもしれないのに。

見なれた白いワゴン
聞きなれた低い声
いつものタバコの煙
すべてが遠くなっていく。

わたしの名前を呼びすてにする
今となっては数少ない男の人。

さみしいのは、季節のせいだけじゃない。

前を向かなくちゃ。
立ち上がらなくちゃ。
・・・わかってはいるのだけれど。



2003年12月13日(土)  優しさの裏側


ふとしたときに感じる視線や
気づくと隣りにいてくれる頼もしい肩。
ちょっとうぬぼれてもいいのかな、なんて。

でも、あなたの視線の先には別の女の人がいた。
その結末をあのときのあなたは知っていたのだろうか。
知っていたから、わたしに優しくしたのだろうか。

わたしを呼ぶとき、まちがって呼んだ名前は
その人の名前だったんだね。

でも、そんなことは知らないふりをすればいい。
あなたの気持ちがわたしに向いてくれるなら
わたしは黙ってあなたの隣りにいればいい。

隣りにいてこんなにも落ち着いた気分でいさせてくれるのは
もうすぐ結婚してしまうあの人以来。

そう、あの人はもうすぐ遠いところにいってしまう。


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