LOVE ME

2001年03月31日(土)  臆病者の心


ひさびさに会う同期の仲間。
おたがいの不安を舐め合う時間。
思わず彼に電話をかける。

最近はメールを送っても返事をくれない。
着信を残しても電話をかけてきてくれない。

つい出てしまった言葉。
責めるようなことを言いたいわけじゃない。
私と彼はただの友達。

どうしたらいいのかわからなくて、
素直に気持ちを伝えることもできなくて、
強気な態度をとってしまう。
言いたいのはこんなことじゃないのに。

宇多田ヒカルのアルバムを聴きながら、
歌詞を追ってせつなくなる。
「リスクがあるからこそ信じることに意味がある・・・」

夜、「グリーンマイル」を見てひとり大泣き。



2001年03月30日(金)  贅沢な午後


髪の色をさらにダークに。
サロンに足を踏み入れて、まず探してしまうのは
いつもと変わらないアシスタントさんの姿。
すぐに話しかけてきてくれて、安心する。

すっかり落ちついた雰囲気になって
以前から気になっていたカフェに足を伸ばす。

4月からはこんな贅沢な時間を持つことも
ほとんどできなくなってしまうのだと思うと
さみしさと同時に不安が募る。

ひさびさに会う友達と飲みに行く。
なんと友達は同期と付き合いはじめたという。
ふと彼のことが頭をよぎる。

帰り道、彼のケータイを鳴らす。
規則的な呼び出し音が繰り返し耳に響く。
今日も彼の声を聞けない。

私、どうしたらいいんだろう。



2001年03月24日(土)  夜明け


ホテルとのトラブルでファミレスで夜明かし。
友達と話していて、思ったこと。
私は一生懸命な恋愛をずっとしていない。

あの人を好きになって、傷ついて、
彼のことを好きになって、傷ついて。
想いを抱えきれなくなって苦しんだりもしたけれど、
あの頃の私は自分の気持ちにまっすぐだった。
今の私は逃げてばかり。

ケータイを鳴らす。
何度呼び出し音が鳴っても彼は出ない。

ゆっくりと変わっていく横浜の空の色を
じっと見つめながらぼんやりと考えていた。
「私は何がしたいのだろう?」

帰りの電車に揺られているとケータイが鳴る。
卒業という道をみずから1年先送りにしたアイツの声。
もう1年が経つんだね。
あなたの気持ちもわからないまま。



2001年03月23日(金)  最後の夜


学生証と引き換えに受け取った学位記。
私は大学を卒業した。

袴の着付けのため、まだ暗いうちに家を出る。
友達と待ち合わせるでもなく、ひとり、式場へ向かう。
卒業式さえも居場所がないなんて。
さみしさとみじめさで涙が出そうになる。

式のあと、みんなで記念写真を撮りながら、
あの人のことを考える。
袴姿、見てもらいたいのに。

大型のモニターと大きなステージ。
式のあとの園遊会は、音と光のまばゆい洪水。

園遊会がはじまってしばらくして、
あの人から電話がある。
ツーショットで写真を撮る。
肩を抱かれて寄り添う私。

ねえ、あなたの気持ちが知りたいよ。



2001年03月22日(木)  終止符の手前


明日はいよいよ卒業式。
4年間は、本当にあっという間だった。
私が大きく変わった場所。

去年の卒業式の写真。
誰に見せてもらったのかは忘れたけれど
スーツ姿のあの人がいる、きっと1度見ただけの写真。
今ではもう、あの想いは消えつつあるのに。

私の大学生活は、あの人との出会いから始まった。
今でもはっきりと思い出せる。
冷たい雨の降る午後。
モノクロの世界に突然現れた不思議な人。

自分の殻を破ることを教えてくれた彼。
私は私でいいのだと教えてくれた彼。

大学生活の心残りを挙げるとしたら
あの人と最後まで仲直りできなかったこと。
どうしてこうなっちゃったんだろう。



2001年03月21日(水)  選り好み


ひさびさの合コン。
今回のお相手は医大生。
幹事の人と盛り上がったのは
「医大生」のブランドを狙っているオンナの話。

もちろん例に挙げたのはあのコの話。
医学部のパーティーがあった前後からあのコは変わった。
私には卑しい雌豹のようにしか見れなくなった。

でも、冷静に自分のほうに目を向けてみると
彼女のことをとやかく言える立場なのだろうか。

以前はカッコイイと思えれば、職業や収入は気にしなかった。
でも今はちがう。
学生より社会人、しかも将来性のある人のほうがいい。

純粋な恋愛ではないかもしれないけれど、
これがオトナになるということなのかもしれない。
悲しいことかもしれないけれど、
キレイゴトばかりはもう言っていられない。



2001年03月18日(日)  あの人の影


打ち上げは、ひさびさに飲んだ。
いつもの様子とのちがいに驚く周囲。

さすがに酔った。
立て続けに一気をしたりもしたけれど
酔いがまわっても、酔っ払うことはできなかった。
頭痛と吐き気に襲われるだけ。

ここでも見つけてしまった彼の姿。
酔った勢いで話しかけてしまえばよかった。
ただ笑って、ひとことだけでも。
私の存在と印象をずっと覚えていてほしい。

友達を見ていて思う。
もっと華やかなサークルに入っていれば
何かが変わっていたのかもしれない。
コンプレックスなんかに負けるんじゃなかった。

でも、今の私にいちばん大きな影響を与えたのは
きっとあの人なのだと思う。



2001年03月17日(土)  ライブハウス


ひさびさに会うサークルの仲間。
ほとんどの人が数ヶ月以上ぶり。

私はやっぱりこのサークルの色ではないと強く実感。
サークル選びは成功ではなかった気がする。

そう思いながらも、いろんなことを思い出す。
頭に浮かぶのは日吉の風景。
あれからもう3年が経つなんて信じられない。

そして、やっぱり思い出してしまうのは
去年のライブの楽屋での出来事。

今日もつい、先輩の姿を探してしまう。
あんな終わり方をしたというのに。
今でも一目で彼を見つけることができてしまう。

何もなかったかのように
「おひさしぶりです、お元気ですか?」って
笑って言えたらどんなに気持ちがいいだろう。



2001年03月10日(土)  卒業目前


卒業が確定した。
去年は先輩の名前を探した掲示板に
今日は自分の名前を見つけた。

友達と二人で中庭のベンチに座っていると
彼女の知り合いらしき人が近づいてきた。

「ここで待ってて」と言い残して消えた友達。
風は強いし、からだは冷えるし、
気づけばあれから30分以上も経っている。
怒りが込み上げてくる。

「私、帰る」
冷たく言い放って背を向けても追いかけてさえ来ない。
みじめすぎて涙が出てくる。

数えられないほどある彼女との衝突のなかでも
今まででいちばん大きなケンカ。

結局、あの男の人が友達の新しい彼氏だった。



2001年03月03日(土)  思い出の場所


大学に入ってまだまもないころ、
友達の練習について来てはじめて入ったスタジオ。
あの頃は演奏に加わることなど考えもせず、
ただ、みんなの練習を眺めていた。

うろ覚えの道を歩く。
スタジオに入るとあの頃のことを思い出す。

メンバーがメンバーなだけに、すでに完成度は高く、
やっぱり足を引っ張っているのは私。
ソロも弾けず、その場にいるのがいたたまれない。

それでもメンバーは私を責めない。
申し訳ない、と思いながらも
照れ隠しで笑うことしかできない私。

それぞれのパートが合わさって
ひとつの曲にまとまっていく不思議な感覚。

どんなライブになるんだろう。



2001年03月02日(金)  冷静な感情


くやしいけれど、今でも彼の夢をみる。

私を見つめてくれたこと。
私を抱きしめてくれたこと。
私にキスしてくれたこと。

そのひとつひとつが
浮かんでは消え、消えては浮かぶ。
そのたびにせつなくなる。
まるで私は恋をしていたかのように。

ベッドの中で何度もキスを重ねたあの日、
私は快感のカケラさえも見つけられずにいた。

あの人とのキスを懐かしく思い出す。
彼とくちびるを重ねながらも
私は哀しいほどの物足りなさを感じていた。

迎えるべくして迎えた結末なのかもしれない。
ただ、悔しさは残るけれど。



2001年03月01日(木)  夢に別れを


彼の声を聞いていると安心する。
彼の言葉は私を元気にしてくれる。

「私のどこがきらい?」数ヶ月前、彼にたずねた。
「ネガティブなところ」彼はひとこと、そう言った。

ポジティブに生きようと思った。
彼の理想に近づくためとか、決してそんなことではなく。

あの人のことを忘れたわけではない。
彼の感触はまだこの唇に残っている。
彼の腕のぬくもりはまだこの肌に残っている。

「どうして?」
その問いが消えることはないけれど。

あれは異国での夢の一夜。
儚いただ一瞬の幻。
もう、塵となって消えた出来事。

人間である私は、幻影に抱かれてばかりはいられない。


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